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EC事業の売上構造の整理

■本記事の目的

今までの記事で記載したように、EC事業を実際にどのように立ち上げるかは説明してきた通りです。

ただ、実際立ち上げたとしてもなかなか思ったようにうまくいかないときに何をすればいいのかわからなくなることがあるかと思います。

今回はそのような状況に陥ったときにどのように解決するかを考える上でどこに注目して検討していくのかについて説明していきます。

■売上構造について

当たり前のことかもしれないですが、まずは構造を理解してどこを改善するのかを見つけることからです。

では、EC事業の売上構造はどうなっているのでしょうか?
「EC初めてだからな・・・」という方もいるかもしれませんが、

通常の売上構造

と本当に同じなんです!
つまり、下記のような構造になっています。

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「ということは単価を上げればいいのだろ!」「人数増やせばいいのだろ!」「それは分かっているが、どう増やすかが難しいのだよ!」と言われそうですね。

その通りだと私も思います。ここで思考を止めるのではなく、ここからもっと分解して何を上げればいいのか考えるのが有効だと思います。

現状すでに店売りで商品を売られている方や仕入れ値がある方は必要以上に、”単価”を上げることは難しいと思います。

だからこそ、売上=単価×利用人数でなく、売上=平均単価×利用人数と考えるのがいいと思います。

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上記のような構造で捉えることがECサイトにおいてはいいと思います。「平均単価×利用人数」より右の部分は、ぱっと見、あまり店舗販売のときに意識されたことない内容が多く含まれていると思います。例えば、決済ページ訪問など、実店舗ではほぼ意識しない観点だと思います。

むりやり実店舗で「決済ページ訪問者の離脱」を表現すると、
この商品いいな〜買おうとユーザーがなった後に、レジでお支払いする直前にその決済方法めんどくさいから買うのやめます!という状況です。あまり想定しにくいですよね。

■EC事業における売上の上げ方

あなたの事業ごとに課題点は異なると思いますが、どのEC事業においても同じことをまずお伝えしております。

“①あなたのECサイトで起こっていることを把握し、②一番問題がありそうで、③コスト安く解決できそうなことから解決していきましょう”

① あなたのECサイトで起こっていることを把握
前の記事で書いた売上構造の数字をまずすべてとることから始めることが大事です。まずなぜ売上が悪いのかを正確に把握することが大事です。当たり前ですよね。

特にECの場合、ユーザーの行動や顔が見れないので、その内容を把握しましょう。

② 一番問題がありそうなことを把握
① でとった数字の中で最も悪いところ、皆さんの想定とは違うところを探しましょう。これが実は一番難しいです。

なぜなら、同じような商品を売っている会社と比べられたらいいんですが、そのような重要な情報を外にどこの会社も出さないので、そういう分にはいかないからです。ただやりようはあります。

例えば、あなたの利用しているECサイトには、「検索絞り込み機能」はありませんか?そこであなたの商品を検索して出てくる条件と同じ条件ででてくる商品と比べてみてください。

そちらの商品の方が人気順に並べたときに上になっていませんか?そうであれば向こうは売れているんだとわかります。そこから想像していきます。

正確にわかることは難しいですが、そのような方法で少しは確度が上がります。

③ コスト安く解決できそうなことから実行
デザインを変えるだけで売れることもありますし、ECサイトを変えるだけで上がることもあります。

まずはあなたもしくはあなたにアドバイスしてくれる人が”どこの数字が悪い時はどんな問題があって、どう解決する手法があるか”を知っている必要があります。

ここについては次のnoteでもっと深ぼっていきましょう。

■具体例にそってどのような解決策があるのか考察

例えば、お年寄りから大人気のお団子屋AさんがECサイトを立ち上げ、下記のような結果です。復習ですが、見るべき指標は下記です。

・1回あたりの平均単価
・1人あたりの利用回数
・決済ページ訪問数
・決済ページでの離脱CVR
・商品ページ訪問数
・商品ページでの離脱CVR
・自社ページ訪問数
・自社ページでの離脱CVR

でしたね。今回、決済ページでの離脱CVRが著しく悪いという結果がでました。決済ページでの離脱CVRとは、「決済ページまで行っているのに、最後の精算のボタンを押さなかった人が多い」と読み替えれます。

このようなときは下記のような理由が想定されます。

・決済ページがわかりづらく、もう決済終わったと思った
・決済ページでクレジットの登録が厄介であった or 手元にカードがなく、裏面のpinがみれなかった
・自分の行いたい決済ができなかった(着払いなど)
・プレゼント包装などの付加サービスがなかった
・配送までの時間がかかりすぎた

他にもその商品や具体的なページを見ると他の要因も考えれますが、一旦この程度にしておきます。

このような問題があったときに、私が団子屋Aの社長なら、まず、自社でどうにかなる問題か、ECサイトを変えるor他のECサイトも利用しないと解決しない問題か検討します。

<ECサイトの問題>
・決済ページがわかりづらく、もう決済終わったと思った
・決済ページでクレジットの登録が厄介であったor 手元にカードがなく、裏面のpinがみれなかった
・自分の行いたい決済ができなかった(着払いなど)

<ECサイトと自社の問題>
・プレゼント包装などの付加サービスがなかった
・配送までの時間がかかりすぎた

その上で、離脱した人のユーザー層を確認します。

そこで例えば、20~40歳の人がよく利用しており、5月にすごく利用されており、その上で離脱していることが分かったとすれば、これは母の日に送るプレゼントを考えている20~40歳層が利用しており、プレゼント包装がないから離脱している可能性が高そうだと判断します。

そして、次は包装対応もしますし、父の日には、父親が喜びそうなパックを売るかも検討します。

このようなちょっとした理由で離脱が起こっている可能性があります。店で売っている時は、「母の日のギフトありますか?」と聞いてくれるのでわかりますが、何も言わずに離脱していくので、そこがECサイトの難しいところです。決済ページでの離脱がもっとももったいないです。そこまできた人は基本買うつもりなので。

次回は、”どこの数字が悪い時はどんな問題があって、どう解決する手法があるか”についてより深堀していきたいと思いますので、また遊びにきてください。


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