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アポトーシス:「別れるとは出会うこと」

※私の脳内での出来事です。
お付き合いください。

終わりというものは突然やってくる。
いや、気づいてなかっただけかもしれない。

5~6年というスパンで入れ替わる世界で気が付けば10年だ。

私は第一線で働くために、さまざまな能力を使いこなし、
定期的に身体のメンテナンスもしてきた。

「私はまだやれる!」という気持ちに嘘はない。

しかし、医者はこう言うではないか。
「長いでもかたでも8年が限界です。それ以上は何が起こってもおかしくありません。」

一体何が起こるというのだ?
現に私は動けている。

確かに年を重ねるごとに身体のあちこちが歪んでいく。
不慮の事故でケガをしたこともある。
身体は動かす度に「ギギギギ、、、」と音が鳴る。
他の奴らも同じようなものではないか。

ただ、不安がないと言えば噓になる。

つい私は医者にこう聞いていた。
「本当にダメなのか?こんなに動けるのに、、、」

医者は少し沈黙した後、
ただハッキリと短く「はい」と答えた。

実にあっけないものだな。

しかし、引退とはこういうものかもしれない。
「後輩に道を譲れ」と言われているのだろうか。

そう思いながら私はすっと体の力を抜き、意識を手放した。

「また会えるのが楽しみです」
そう聞こえた気がした。

ある戦士の追憶

こしあん創作劇場にお付き合いいただきありがとうございます。

何の話かと言えば、家にある扇風機の話でございます。

製造年2013年で標準使用期間は8年。

気がつけば2年も過ぎていました。

ねじ巻き式のタイマーで、つまみのプラスチック部分がぶっ壊れたものを修理したり、モーター付近のホコリを除去したりと長年使ってきましたが気づいたときには使用期間を過ぎていました。

もしかして、「モーター変えればまだいけるんじゃね」などと考えたりもしましたが、ここでふとテセウスの船のことを思い出します。

扇風機のメインと言えば羽根かモーター部分だと思うんです。
それを換えるということは「もう元の扇風機とは違うものになってしまうのではないのか?」と割とどうでも良いことを本気で考えていたりします。

子どもの部屋で使っていたのですが、なにやら発火する可能性もあるそうなので泣く泣く買い替えることにしました。

10年間ありがとうございました。

もし、あなたも長年使っている家電があるのなら一度使用年数を確認した方が良いかもしれません。

因みに2004年製のルームライトも「ポン」という音と共に先日、逝ってしまいました。

こういうのって重なるよね。


こしあん

テセウスの船とは、「物の構成要素のすべてを一つ残らず新しい部品へ置き換えた場合、それは以前のものと同一物といえるだろうか。あるいはまったく別物というべきだろうか」という問題のこと

weblio辞書より





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