つらつら

昨日の話。初めて劇場でロングコートダディの漫才を見た。ついに見た。とうとう見た。

ロコディ自体、配信やメディアではがっつり見てるほど大好きなのだけど、なにぶん限界社会人ゆえライブにフッ軽で行くことが極めて難しい生活をしていて、生で見るのは2回目。3月に神保町の漫才劇場で初めて見たときはコントだったので、サンパチマイクに向かってくる2人には内心爆裂テンション上がった。

思えば、新しい職場に異動してほどなくしてこのライブの存在を知ったのだった。近くにロングコートダディがきてくれる。その事実だけで咄嗟にチケットを取った。しかもライブのタイトルには「華金」の文字。金曜日の夜、仕事帰りにふらっと寄れる場所で最推し芸人が出るライブなんて最高やん…と思った。

なお、実際のところは華金ではなかった。翌日も土曜日のはずなのに5時起きで出勤というチケットを取った後から発覚した現実、しかも台風接近で大雨というオプション付き。これだから限界社会人の限界ぶりは侮れない。

とにもかくにも大雨の中、会場へ。漫才には不向きなのではないかと思うレベルの大きすぎるホール。案の定、2階席どころか1階の後方にも人の姿は皆無で、前方に集められたお客さんも大雨のせいかぽこぽこ空席があった。そんな日でもここへ笑いにきている、ごく限られた人たちのために大きなホールで漫才やらコントやらをしてくれるのはとってもありがたいことだ。

ちなみに自分が足繁くお笑いライブに通っていた頃には、この手の地方営業型のライブは「週末よしもと」と呼ばれていた。この類のライブには稀にしか行っていなかったので、大きなホールでお笑いを見て笑うこと自体がとても久しぶりに味わう感覚だった。

ロコディの出番は3番目だった。お馴染みの漫才スーツではなく、夏用のやきいもスーツだった。そして、ここでロコディが営業でやっていると思われるツカミ(なかなか配信ではお目にかかれない)をちゃんと見ることができた。自己紹介(メガネと裸眼、兎さんの芸名の由来)、普段はコントもやっているので…とショートコント披露(今回は「新しい嫌がらせ」と称した堂前さんによる軽やかな馬跳び芸)、そしてネタに入るという流れ。

ここで兎さんの兎さんぶりが炸裂。冒頭、喉がつっかえて「喉に昼食の唐揚げが引っかかって…あ、夕食か」と言い間違えつつシャツのボタン外したり、ネタの頭で「今度甥っ子と遊びに行くんやけど…その前に先輩とカラオケに行くんやけど」と言って甥っ子のネタを飛ばしたような様子を見せたり……ネタの選択権が兎さん次第だったのか分からないけれど、堂前さんに「どっちがやりたいのっ!」って言われててマジ兎さんだった。

でも、兎さんがここで先輩とカラオケに行く方のネタを選んでくれて本当に嬉しかった。aikoのボーイフレンドを思いっきり歌うネタなので配信では絶対に見られない。このネタ、兎さんが伸びやかに歌いそれに訂正を入れるブレーン堂前さんという構図、ロコディそのものだなと思った。最後に2人で歌ってくれてたのも良かった。一般のお客さんに歌ネタは分かりやすいし歌も聞けて楽しかったという気分になるだろうし、ファン目線だと2人の歌声聞けた一緒に歌ってる尊いありがとうという気持ちになる。営業向けの最適なネタチョイスなのではないかと思ったりした。おもしろかったなー。

先のとおり冒頭でいろいろ躓いていた兎さんだったけど、ネタに入ると堂前さんのリードもあってかそれなりに調子が上がっていたように思えたし、堂前さんは本当に安定してほほえんでいてブレないというか。兎さんが兎さんぶりを発揮してもアルカイックスマイルという感じで、本当に人生何周したらあんな風に動じない悟り開きっぱなし風になれるのだろうかと思ったりした。ただ兎さんはネタ終わり、去り際に少し首を傾げていたのでもしかして出来に納得いってなかったのかもしれないし気のせいかもしれない。見ている側は楽しかったのでよし。

次、3回目に生でロコディを見られるのはいつだろうか。できれば今度は調子悪いのかな?とかネタ飛んだな……なんて余計な心配をしないでシンプルに楽しい出番に当たると嬉しいけど、ライブだから見られればそれでいいのかもしれない。なんでも、ライブは1回きりの出来事。もしまた躓いていたらリカバーしているところを応援すればいい。

帰宅してしばらく経ってから、堂前さんがゲリラ配信をしていた。堂前さんもどこにあるかよく分からない場所こと住吉(そいつどいつがコントでそんな風にイジっていた)から帰宅したんだな、さっきは楽しい時間をありがとう…と思いつつ就寝。

よく考えると、劇場で見た人が帰ったらゲーム実況してて生配信でまた声聴けるって供給が凄い。ロコディはナチュラルに程よくファンと紐帯を保つのが上手な人たちだと思ったりする。

転職して6年経った。そこから始まった限界社会人生活とコロナ禍でお笑いライブに足を運ぶことがほぼ無くなってしまっていたけれど、ロコディがきっかけでまた劇場に行きたいと思えて、いろいろ好転してきているような気がしてうれしい。

次いつまた劇場に行けるか分からないけれど、絶対にまたロコディは見たい。そんなタイミングがくるまでちゃんと仕事して、ちゃんと生きたい。のらりくらり。

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