写真のように残ったものたち

BUMP OF CHICKENの新曲を聴くといつも泣いてしまう、
と いろんなところで よく書くのだけど、やっぱり今回も泣いてしまった。

(イントロからしばらく、シャッター音みたいなのがずっと鳴ってるのが好き。)
(ビートの取り方がいつもと違う感じがしてて好き。でも鳴ってる音は いつもの秀ちゃんのドラムで、そういうとこも好き。)
(『ねぇ きっと』の歌い方めっちゃ好き。)
(1番の後の間奏で ぐっといきなり楽器増える瞬間がめちゃめちゃ好き。)



2番のサビに入ったところで、もう、ぼろっぼろでした。

想像じゃない未来に立って 相変わらず同じ怪我をしたよ

って。
もうそれ、なんなの、もう、藤くんエスパーなの。


 
高校生だったころ、敢えてこう書くけど、『僕ら』は本気で未来なんかいらないと思っていて、今この瞬間が叶うなら、いつ終わったっていいと覚悟していた。
この時があとから振り返れば冗談みたいに輝いてるんだろうってことを、そして それを ひりひりしながら思い出すんだろうってことを、その時にはもう体感していた。
分かりやすく言うと、RADWIMPSが『君と羊と青』で歌っていたのとほとんど同じ状態だった。
(べつに分かりやすくはない疑惑)
僕らは、そういうものの真っただ中にいた。それは広くて大きくて、僕たちは、いつまで経っても行くあてなんてないのに どこまでも行けた。

 
そういう毎日を重ねて、いつの間にか私は、あの頃「いらない」と思っていた『未来』にいた。
未来についてなんか、1mmだって想像していなかった私が。
こんな時間を過ごせたんなら残りの人生はきっとオマケでしかないって、17歳のくせに思っていた私が。
あの頃と同じくらい大事で、幸せで、楽しくて、宝物みたいな『未来』にいる。
そうか私にも未来があったんだ、って、とても不思議な気持ち。そして幸せな気持ち。



あの頃は、未来って、『今』から切り離された遠いものだと感じていた。だからいらなかったんだ。
でもそうじゃなかった。私はあの頃の感情を、今もあの頃と同じように思い出せるし、あの頃の出来事を思い出すと、今もあの頃と同じ感情になる。
そして そんな感情でいっぱいだったあの頃の『僕ら』を、とても愛しく抱きしめられる。
あの頃の僕らが残してくれた宝物が、今でも宝物です。

言えないことや分からないことがいっぱいあって、
でも どうしても譲りたくないものがあって、
うまくできなくて もどかしくて、
悔しかったり悲しかったりして、でもなんだか泣けなかったりもして、
そういうのを、分かるよ大丈夫だよって頷いてくれる人がいて、
それが嬉しくて、一緒にいられる時間がとても大事で。
今もあの頃も ずっとそうです。きっと今のこの時間もいつか終わるけど、そこから変わらず続いていけるんだって、今は分かる。
何でこんなに言い表してくれるんだろう。BUMP OF CHICKENすごい。


変わったり変わらなかったりしながらここまで続いてきた。僕のひとつひとつが、この未来だった。
それって とっても幸せなこと。
その傍らに、変わったり変わらなかったりするBUMP OFCHICKENがいてくれて、とても嬉しい。


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