旅乃屋

2通目のお手紙 * 旅乃屋 a:kumo

こんばんは、こんばんは。
7月に入ったとたん蝉が元気になって、長崎はすっかり夏になりました。これからおくんち終わるまでは熱い毎日です。
(誤字じゃないよ。)
(おくんちの話はまた今度。)



夏は夕暮れ、なんて言葉があるけど、長崎の夕暮れもめちゃめちゃ素敵です。
長崎港の夕暮れが私は好きです。馴染んでいるからこその贔屓目もあるんだろうけど、いつ見ても、やっぱり好きだなぁって思います。

海辺の空は大きくてダイナミックで、そこに刻々と赤や桃や橙、紫や紺が流れていきます。いつまで見てても飽きません。
その真下に広がるのは小さな湾で、対岸の町までよく見えます。

家路をたどる車の列。
汽笛を鳴らして進む船。
空を映して流れる雲。
穏やかに終わる一日。

ほっとして、明日もまたがんばろう、なんて思えます。
海辺から見るのも、少し離れて高いところから見るのも好きです。

市街地から離れると外海という隠れキリシタンの土地があって、そこの夕陽も有名です。
道の駅もあるので、そこから眺める人も多いみたい。
外海もあれこれ面白いところなんだよなぁ、遠藤周作の『沈黙』の舞台になったところで、池島という炭鉱があるところで、棚田百選に選ばれた棚田があって、などなど。いつか機会を作ってお話したい。

長崎は西国だから、日が暮れるのも遅いのです。この時期なら20時前くらいまで明るい。
水辺の森公園でビール片手にのんびりするのなんか最高だと思います。
虫除けだけは忘れずに。

道の駅 夕陽が丘そとめ
水辺の森公園


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海とは反対側、坂の町並みも、素晴らしい夕暮れの時間です。
夕陽を受けて、斜面の家々が輝くのです。それは もう はっとするほど眩しくて、美しい。ずうっと眺めていたくなる。

特に伊良林とか風頭とか寺町の上のほうとかのあの辺りを、電車通りくらいから眺めるのが好き。
ぽつぽつと灯り始めた橙色の街灯が、あたたかくてやさしくて。ゆっくりと沁みてきて、ちょっとだけ泣きそうになります。
あの場所で人々が生きているんだなって思うと、なんだかたまらない気持ちです。

上の写真が長崎市街地のほう。
下の写真の、左側の斜面の辺りが伊良林とか風頭とか寺町の上のほう、です。
屋内からの写真でごめんね。


日が暮れたあとの夜景も自慢。世界新三大夜景に数えていただいてますが、ほんとうに、どこから見てもきらきらしています。
稲佐山とか鍋冠山とかが有名なんだけど、ああいう『上から見る夜景』よりも『目の前に見える夜景』が私は好き。

具体的に言うと、伊良林から立山・西山方向に広がる夜景。
こういうところなんだけどね、

こういうところだから、夜になったら、上から下まで全部きらきらするのです。目に映るところぜんぶ。
星の海に包まれているみたいで、なんだかご褒美みたいに綺麗で、何回見ても特別です。


夏の夜景は、すこし柔らかいのですよね。ちょっとだけ ほわりと、ゆるりとした空気で、手の届く灯りに似ています。夏祭りの提灯とか、行灯とか、ああいうもの。
星空と同じで、夜景も冬と夏は見え方が違います。冬の夜景はやっぱり光が強いです。輝きの純度が高い。冴え冴えとしてまばゆい。天空の宝物みたいで、それも美しいです。

あなたは どちらの夜景が好きかなぁ。どこからの景色が好きかなぁ。
いろんなところを見に行きましょうね。

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