唯一無二。

画像1 耳が聴こえなくなりました。大事な人からの年賀状に、そう書いてあった。本は良い。読経もできる。字を書くのも大丈夫だけど、あなたの好きな芝居や映画は音なしで観ることになった。金茶の座布団の上で腕組みして、あの切り裂くような柏手。あの胴間声。私たちの拙いエチュードを漉して、他にない輝きを練り上げ、それぞれにとって身の芯が震えるような作品にするべく重ねたあれこれ。これからも一生の宝物だ。そして、五感があるのがつい当たり前になっていた自分を、恥じた。あなたがどんなでもいい。逢いたいなぁ。

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