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雪の果(ゆきのはて)

立春の今日、西日本では雨がつづき
関東以北では雪が降っている。
「春霖」の候でも書いたが、
この時季の寒の戻りは体調によくない。

この雪は降りじまいの雪として
冬の終わりを告げるものだといえる。
なじみある言葉でいえば「名残り雪」、
あるいは「別れ雪」ともいえる。
その冬最期の雪という意味だ。

同じ意味で「雪の果て」という言葉がある。
「名残り雪」は哀感があり、
「雪の果て」はもう少し情感あふれる言葉
として心に響いてくる。
「別れ雪」といえば演歌っぽくなるし、
同じ事象を表現しても言葉の選び方で
そのときの心模様も情景も違ってみえる。

今年最後の雪であってほしい。
春の日差しとそよ風が待ち望んだ人に吹いて、
凍えそうな心を溶かしてくれますように。


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