写真_2019-10-26_14_01_05

「刻み込むような箔押し」

こんにちは、現場の前田です。

今回は10/21(月)〜10/27(日)まで銀座の森岡書店にて開催された Takram の渡邉康太郎さまの展示、『 コンテクストデザイン 』 で予約販売された特装本の加工をお手伝いさせていただきました。

写真 2019-10-26 14 03 39


こちらの本はブックデザインと編集をデザイナー / 編集者である長田年伸さま、表紙のイラストは Takram の太田真紀さまによるもので、加工の際にはお二人がコスモテックに立ち会いにいらしてくださいました。


本の表紙には題箋貼り( 本の表紙に題名や写真などが記された短冊状の紙を貼る加工のこと )の部分への型押し加工、そして背の部分への箔押し加工を施しています。

写真 2019-10-26 13 58 21


立ち会いでは、箔色の選定と、題箋貼りのための型押しの凹みの深さの具合いを確認していただきました。

本の背にある題名部分への箔押し加工は、文字の立体感を感じられるよう、圧を強めにかけながら、文字がシャープに、かつ可読性が良い具合いを探りながら加工しています。

写真 2019-10-26 14 01 05


箔色の選定では、黒銀箔やホロシルバーなど数種類の箔色をテスト押し。
どれも銀刷りのされた表紙に合う箔色で迷ってしまいますが、銀消し2Bの箔色に決定! 表紙の銀刷りに2Bのマット調の銀寄りの金箔の渋さが相まって重厚感があります。


題箋貼りの型押しでは、題箋となるイラストを貼る部分を凹ませる加工をおこないます。

写真 2019-10-26 13 58 39


芯紙の入った厚手の表紙に、凹み具合いは深めをご希望でしたので、今回は「 3mmの深掘りの版 」 を使用しています。版には厚みの種類があり、紙や加工の仕方によって厚みを使い分けて使用しています。

3mmの版を使用するのは、今回のような厚みのある紙やダンボールのようなふかふかした厚手の紙などに圧を強めにデボス加工する際や、箔押し加工をする際に薄い版では深く押しきれなかったり、付いてはいけない部分に箔が付いてしまうのを避けたい場合などに、厚みのある版を使用します。

また、版の深度を深掘りにすることで、より深く押すことができます。

写真 2019-10-26 14 00 08


しかし、3mmの深掘り版にしても凹みを無理に深くしすぎてしまうと、凹んだキワの部分に紙のシワができてしまうので、シワができないよう工夫しながら圧を調整しています。今回は長田さまに凹み具合いを直に確認していただきながら加工いたしました。


そして出来上がった特装本は、なんと色違いで四種類!

写真 2019-10-26 13 59 26


箔押し加工+表紙イラスト部分が4色と、それとお揃いの色で小口の天の部分のみがコバ塗り加工が施された豪華な仕様になっています。

この度はこのような素敵な本の加工をお手伝いせていただき、長田年伸さま、Takram の渡邉康太郎さま、太田真紀さま、ありがとうございました!

写真 2019-10-27 10 37 39


【 箔押し加工 】

有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?