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いい歳して、子どものころの夢を叶えたっていいじゃない。

あなたにも、子どもの頃に抱いていたの一つや二つ、きっとあるだろう。

「いつか行ってみたい」
「いつかやってみたい」
「いつか会ってみたい」

憧れたままになってしまっていることはないだろうか?

それ、もう今すぐやっちゃおう。

あの時諦めたことを、私は15年後悔した。

私には中学生のときに掴みそこねて、ずっと後悔していた夢があった。

hideをご存知だろうか。ピンクの髪が特徴的なXJAPANの元ギタリスト。私は中学生のころから彼の大ファンなのだ。

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画像引用:プレジデントオンライン「伝説はここから始まった」目立たなかった少年・松本秀人が"X JAPANのhide"になるまで

私がファンになったときには、もうhideはこの世にいなかった。それでも私はなけなしのお小遣いでCDを買い、ライブビデオを買い、マンガ倉庫に行っては中古のフィギュアやポスターを買い集めた。

筆箱は手作りのhide仕様。給食のランチョンマットも、友人がhideのポスターをラミネートして作ってくれた。学校指定のカバンにはポスカでhideの曲の歌詞を書いたし、美術の授業で作る作品は、ほぼ全てhideがモチーフだった。

好きな曲を集めたオリジナルCDを自作し、学校中の人に貸しまくり、生徒会室に乗り込んで学校行事で無理やりhideの曲を流してもらったこともあった。今思い返せば、すごい迷惑だなと思ってた人もいるかもしれない。ごめん!

つまりまぁ、青春ど真ん中をhideに捧げてきたわけだ。

そんな当時の私の夢は、横須賀にあった「hide MUSEUM」に行くこと。hideが使っていた衣装やギター、数々のコレクション、愛用品などが展示してあるらしい。ファンにとってはまさに聖地。

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画像引用:https://shingo-a640509.at.webry.info/201302/article_34.html

中学2年生の冬。お年玉で横須賀に行くプランをたてた。青春18切符を買って、福岡から横須賀まで鈍行で。安いホテルを探し、ぎりぎりお金も足りそう。

「お母さん、hideMUSEUMに行きたいから、ホテル宿泊の同意書書いて。」

だめだった。中学生が一人で神奈川県まで行くなんて何をバカなことを言ってるんだとめちゃくちゃ怒られた。

そこで、「じゃあ中学を卒業したらいいよね?」と確約をとり、プランは中3の冬、卒業旅行として延期することになった。

(あと1年・・・)
(あと10ヶ月・・・)
(あと8ヶ月・・・)

ワクワク・・・!

ところが、だ。私が中学3年生の9月、hideMUSEUMは閉館した。当時の私は知らなかったが、もともと5年間の限定で建てられていた施設だったらしい。

私が閉館を知ったのは、閉館日の1ヶ月前。知ったところで15歳の少女には何もできなかった。

・親に土下座してでも連れて行ってもらう?いやいや、お父さんもお母さんも仕事あるし、そもそもめちゃくちゃお金かかるし…

・強行突破する!?いやいや、さすがに死ぬほど怒られるし、今お金全然ないし…

結局、私はただ打ちひしがれ絶望するだけで、何のアクションも起こさなかった。そしてこのことを15年後悔することになる。

逃した魚はでかかった。

「推しは推せるときに推せ」という言葉は、本当にその通りだと思う。

私はhideはこの令和の時代においても評価されるべき人だと思っているし、今だからこそ分かる彼の凄さもある。

しかし、やはりどうしても、亡くなってから年月が経つにつれて、提供されるコンテンツは目に見えて減っていくのだ。

新しい曲は出ない。(※)
テレビや雑誌での企画は減っていく。
全国で行われていたであろう企画も、東京ばかりに。

※2014年に生誕50周年を記念して「子ギャル」というシングルが発表されている。デモ音源をベースにボーカロイドで制作された。
新しい曲は“めったに“出ない、が正解かも。

推したい気持ちはあるのに、推しどころがどんどん少なくなっていく。大人になってお金に余裕が出てきても、公式にお金も落とせない。

そうしたフラストレーションも相まって、hideMUSEUMに行けなかった私の遺恨は募るばかりの15年だった。

15年越しに叶えた夢、そして気づいたこと。

そんな私に15年ぶりにhideMUSEUMに行くチャンスが巡ってきた。

2021年の10月26日~11月9日まで西武池袋で開催された特別企画展。「PSYCHOVIXION hide MUSEUM Since 2000」

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画像引用:https://www.universal-music.co.jp/hide/news/2021-09-16/

規模も、場所も違うけど、もう私には二度と見ることができないと思っていた生前の記録。衣装やギター。

これは行くしかないでしょ!と2人の子供たちも道連れにしてコロナ禍だろうがお構いましに東京まで行きましたとも。15年前の後悔をようやくここで回収できた。

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会場の撮影スポットで、息子とhideと一緒に。撮影は娘。親の趣味に子どもをがんがん巻き込んでいくタイプの人間ですがなにか?

で、ですよ。実はここまで長い前置きと思い出話を書いておいて、このnoteの主題は「hideMUSEUM行けたよ!ばんざーい!」みたいな話ではないのだ。

この出来事を通して、私は気づいてしまった。

子どものころの憧れは、大人になった今、ちょっとの勇気と背伸びで叶えられる

ということ。

今、年齢を理由に躊躇することは、5年後10年後はもっとできない。

実はこのhideMUSEUMに行くにあたり、私ははじめて髪の毛を(一部)ピンクに染めた。

これも昔からやりたかったことの一つだけど、結構勇気が必要だった。

(いやいや、保育園の先生とか保護者とかビビるよ?)
(私もう、31歳だよ?)

とめちゃくちゃ悩んだ。でも、そのときに、ふと思った。

(今、年齢を理由に躊躇したら、5年後10年後はもっとできなくない?)

いま、30代だからという理由で、もう若くないからという理由で、髪の毛をピンクにしなかった場合、40歳でもきっとやらない。

そうすると、私はここで諦めた瞬間に、もう一生ピンク色の髪の毛を手にする機会を失ってしまうわけだ。

中学生のころは「校則違反」とか「親に怒られるかも」みたいな理由で躊躇して、大人になった今は世間体を気にしてしまう。

私たちは、いつ何時も、気を抜けばやらない理由ばかりを探してしまう、なんとも情けない生き物である。

とはいえこのときは、「やらずに後悔した過去を精算しにいくんだ!」という気持ちが強かったので、えいっと勇気を出した。

やってみればなんてことない。2万円を払い、美容室に3時間座ってるだけでできてしまった。

やりたいことは、やっちゃえよ。

そして、なんということでしょう。

子供のころに諦めて、そのままになっていた夢を2つも叶えてしまった私は、とんでもない全能感に包まれることになったのです。

「あれ?やればなんでもできるんじゃね?」ー

20年、30年と生きていくと、私たちはたくさんの理想や夢を日々、取りこぼしていく。

もちろんその全てを丁寧に拾い上げる必要はないが、中には本当はすごくやりたかった(欲しかった/行きたかった)のに、いろいろと理由をつけて諦めてしまって、喉にひっかかった魚の小骨のように、ずっと自分の人生に違和感を残し続けているものがある。

その時は、「自分にはどうあがいても無理だ」と思えたものも、今大人になって改めて考えると、実は大したことなかったりする

遠いから
お金がないから
他の予定とかぶっているから
周囲の目が気になるから・・・

そんなありがちな理由で、私たちはいつもたくさんのことを諦める。

でも実は今改めて考えてみると、過去に取りこぼしたものってだいたい「ちょっとした調整」と「お金」で解決できる。15歳の小娘には逆立ちしても払えなかった往復の新幹線代も今なら払えるように。

あとは、できるかできないかじゃなくて、やるかやらないかの問題。

ほんのちょっとの勇気と、ほんのちょっとのお金で、昔は雲の遥か上に見えた夢を掴むという経験をした私は、これを機にあることを決めた。

「やりたいことは、全部やろう」

やりたいことは、全部やる

やりたいことを、全部やると決めてから、自分の中に大きな変化があった。

それが、人を羨むことがなくなったことだ。

・あの人はいつも高級な料理を食べていて羨ましい
・あの人はいつも旅行に行っていて羨ましい
・あの人はいつも自由に遊びに行けて羨ましい

そんな気持ちがたしかに私の中にもあった。そして何もよりも厄介なのが、そんな羨みを抱えていると“できない自分”を可哀想だと思ってしまう気持ちが芽生えることだ。自分がやってないだけなのに。

子どもがいるからとか、お金がないからとか、環境のせいにしようと思えばいくらでもできる。

いやいや違う違う。
「羨ましいなら、てめーもやりゃあいいんだよ」。

「やりたいことを全部やる」と言うと、とんでもないことのように思われるが、実際にやってみると、実は大したことない。

① やると決める
② だいたいいくらかかるか試算する
③ いつやるか決めて、具体的な計画を立てる
④ 実行する

以上!

① やると決める

お金にしても時間にしても、「準備が整ったらやろう」と考えると永遠にそのタイミングはやってこない。まず「決める」のが先。決めてから、そのために必要なものを準備する。

ちなみに「やりたいと思ったものは、全部やっていい」とすると、不思議なことに「これはわざわざやるほどでもないな」というものも分かってくる。

お金がないから、そういう身分じゃないから、才能がないからできないのじゃなくて、別にやらなくてもいいから、やらない

そう自覚することが、実は結構大事だったりする。

私の場合、以前であればいつもブランド品を身につけている友人を羨ましいと思う気持ちが心のどこかにあったような気がするのだが、「買いたかった買えば?」と自分に自問すると「いや、べつに要らんな…」と気づいた。

強がりじゃないので、持っていなくても悔しいとか恥ずかしいみたいな気持ちは1ミリも湧かない。本当に欲しいものがあるときは買うし。

② だいたいいくらかかる試算する

私たちが心の中で「やりたいな〜」と思っていることを「でも難しいよな〜」と躊躇させている原因のほとんどがお金である。

そして、大抵の場合、実際にいくらかかるかも調べずに「高そう」で終わっていることが多い。

私もやりたいことを色々とリストアップして実践している最中だが、やる前提で調べてみるとほとんどのことは10万円以内でできる。ちょっと重めのことでも50万円くらい。海外に行って◯◯したいとかでも、せいぜい100万円〜300万円くらいだと思う。

具体的な金額が明確になると、「とうてい無理」だと思っていたものが、「どうにかすれば、どうにかなるんじゃない?」と、ぐっと現実味を帯びてくる。

手元に現金がないなら、借金してもいいと思う。

余談だが、私は学生のころバイト先のお客さんに「大学生は、バイトなんかしてないで、学生ローンで借金して海外に行け!!」と謎の説教をされたことがある。

当時は親からの仕送りもなく、生活費もバイト代でまかなっていた貧乏学生だったので「この人、何言ってんだ?」と思いながら愛想笑いしてたが、今になってあの言葉の意味がよく分かる。

お金なんて、あとからどうとでもなる。借りれるんなら借りてでも、今しかできないことをやったほうがいい。

ちなみに今の私は、借金こそしていないものの、稼いだ分だけしっかり使いまくっているので、子どもたちには申し訳ないが貯金はない。引くほどない。

③ いつやるか決めて、具体的な計画を立てる

①、②ができたら、次はいつやるかを決めよう。未処理タスクが積み重なると大変なので、サクッとできるものはサクッと済ませておくのがおすすめ。

やりたいことリストを作っておけば、「今度の土日なにしようかな…。あ、行きたかったあそこ行こう」みたいに秒でスケジュールが埋められる。

中には「今すぐじゃなくてもいいけど、40歳くらいまでにはやりたい」みたいなちょっと重めのこともある。そういうのは大体の時期を決めて、その心の準備をしておけばいいのではなかろうか。

私の場合は富士登山。どうせなら子どもたちと登りたいと思っているけど、まだ年齢的にちょっと早いので、下の子が小学校の中学年、上の子が中学校を卒業する前くらいがベストタイミングかなと思って、今は待機中。

自分でタイミングをコントロールできるものはそれでいいとして、そうではないものはそのチャンスが来たら、即座に掴んだほうがいい。

それこそ、アーティストのライブとか。先にhideMUSEUMの事例を挙げたが、それから約2年後の2023年5月には、25年振りに当時のメンバーが全員揃う「hide with Spread Beaver」のライブが開催された。

もちろん私は秒で申し込みをして現地参戦したわけだけど、SNSを見ていると「◯◯(自分の地域)でも開催してほしいです〜」みたいなコメントがめちゃくちゃあった。

気持ちは分かるとは思いつつ、自分で行動せずにおねだりしてるだけだと、ずっと満たされない気持ちでいることになるんじゃないかな、とか思っちゃうよね。

④実行する

さぁ、やりましょう。そしてあなたも全能感に包まれてください。

自分のことを静かに諦めている、お母さんたちへ

実は今でこそこんな感じで「やりたいことは、やる!」と行動できるようになったものの、少し前まではある言葉が私を縛っていた。

「これからはお母さんになるんだから。あなたの行動が子どもを見る目に反映されるからね。」

娘が生まれた時に母に言われた言葉。重い戒めとかではなく、何気ない会話の中で出てきた一言。でもそれがずーっと心の奥に引っかかっていて、「母親になった以上、自分のやりたいことや希望を中心に生きていてはだめだ」と漠然と思っていた。

だから、心惹かれることがあっても、誰にも何も言わず、検討もせず、静かに諦めていた。諦めている自覚すらなかった。

でも最近、それってどうなん?と思い出し少しずつ殻を破ってみた。やってみたかったことにも挑戦したり、行きたいところに行ったりしている。

すると、どうだろう。

楽しい。それに子どもたちにもそんなに迷惑かけてない(多分)。

(なんだ、勝手に我慢してただけでやって良かったんだ。)

今、誰に言われたのか分からないような見えない「理想のお母さん像」(あるいは「理想のお父さん像」や他の境遇でも)から抜け出せず、かつての私のように一人で我慢をしている人って実はたくさんいるんじゃないかな。

・自分のことにお金をかけるべきではない
・家を放り出して外に遊びにいくべきではない
・子どもたちを自分の趣味に付き合わせるべきではない

分かる、分かるよどれも。でも、20代も30代も過ぎてしまえばもう戻らない。大好きなアイドルもいつまで現役でいてくれるか分からない。いつか行ってみたいあのお店も、いつ閉店するかも分からない。明日には死んでしまうかもしれない。

「今やらなきゃ、もったいなくない?」

15年後悔したからこそ、私は強くそう思う。

一人でも多くの人が、ちょっと背伸びして、憧れや夢に手を伸ばして、これまでよりもほんのちょっと鮮やかな日を手にしてくれたら嬉しいな。

そんなことを伝えたくて、このnoteを書きました。

今ちょっとでも胸にひっかかるなら、多少無理してでもやったほうがいい。今後一生できなくても後悔しないことだけ、見送ればいい。

絶対そっちのほうが、人生楽しいから。

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