350. 台湾の小学生における多焦点ソフトコンタクトレンズの近視進行抑制効果: 無作為化ペアアイ臨床試験

Efficacy of Multifocal Soft Contact Lenses in Reducing Myopia Progression Among Taiwanese Schoolchildren: A Randomized Paired-Eye Clinical Trial

Liu YL, Lin KK, Cheng LS, Lin CW, Lee JS, Hou CH, Tsai TH. Ophthalmol Ther. 2023 Dec 21. doi: 10.1007/s40123-023-00859-x. Epub ahead of print. PMID: 38127196.


はじめに:多焦点ソフトコンタクトレンズを用いた近視矯正の有効性と安全性を検討する。

方法:この1年間の多施設共同前向き無作為化二重盲検比較試験は、屈折異常が-1.0D~-10.0Dの6~15歳の近視学童を登録し、各参加者を片眼に治療用として1日使い捨て多焦点ソフトコンタクトレンズを、もう片眼に対照として単焦点ソフトコンタクトレンズを装用するように無作為に割り付けた。主要評価項目は、1年後の等価球面値(spherical equivalent:SE)と眼軸長の変化であった。

結果:59人の参加者のうち52人(88.1%)が研究プロトコルを完了した。SEの平均変化は、治療群で-0.73±0.40D、対照群で-0.85±0.51Dであった(平均差:-0.12±0.34D、p = 0.012)。眼軸長の平均変化は、治療群で0.25±0.14mm、対照群で0.33±0.17mmであった(平均差:0.08±0.10mm、p<0.001)。治療の忍容性は良好で、重篤な有害事象は認められなかった。

結論:多焦点ソフトコンタクトレンズによる治療は、近視学童の近視の進行と眼軸伸長の抑制に有効であった。

※コメント
台湾からの報告です。片眼に単焦点、もう片眼に多焦点コンタクトを使用した近視進行抑制の結果です。
サブグループ分析によると、より低年齢(12歳以下)、ベースライン近視が低い(-3D未満)、およびコンプライアンス率が高い場合により顕著な効果があることが明らかになったようです。

低年齢でかつ軽度の近視だと日本では臨床的な側面からいくとなかなか手を出しづらい雰囲気があるかなと思いました。

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