309. 発達遅滞患者における視機能障害と眼球運動障害の有病率

Prevalence of visual dysfunction and ocular motility disorders in developmentally delayed patients

Ch MA, Chaudhary MA, Bukhari MN, Ahmed N. Pak J Med Sci. 2023 Nov-Dec;39(6):1747-1750. doi: 10.12669/pjms.39.6.7328. PMID: 37936724; PMCID: PMC10626119.


目的:発達遅滞(developmentally delayed:DD)患者における視力(visual acuity:VA)低下、屈折異常(refractive errors:RE)、コントラスト感度の低下、斜視の有病率を評価すること。

方法:この記述的横断研究は、2019年6月から2019年12月まで、Mayo Hospital, Lahore, The Children's Hospital, Lahore, The Children's Hospital, Multanの眼科で実施された。ウェクスラー小児知能尺度(Wechsler Intelligence Scale for Children:WISC)による知能指数(intelligence quotient:IQ)80未満を有する6~16歳の男女いずれかの患者257人を外来から募集した。全身および眼科の詳細な病歴を聴取し、前眼部および後眼部の検査を行った。視力は年齢に合わせた視力表で評価した。1%シクロペントレートによる屈折検査を行った。Heidi chartsを用いてコントラスト感度を測定した。斜視はHirschbergとcover/uncover testで評価した。

結果:患者の平均年齢は8.88歳で、標準偏差(standard deviation:SD)は±2.70であった。これらの小児におけるVAの低下、RE、斜視、コントラスト感度の低下の有病率は、それぞれ43.58%、52.92%、52.14%、32.7%であった。これらの52.92%のREのうち、56人(21.79%)が近視、66人(25.68%)が遠視、14人(5.45%)が乱視であった。内斜視は72人(28.02%)、外斜視は62人(24.12%)であった。

結論:DD児を対象とした本研究の結果から、かなりの数の小児がVAの低下、RE、斜視、コントラスト感度の低下を持っていることが示された。小児科医によるDD児の一般的な管理とは別に、小児眼科医によるこれらの問題の眼科的管理が、彼らの生活の質を向上させるために必要である。

※コメント
この報告のweak pointとして、視力低下、屈折異常、コントラスト感度の低下の定義が記載されていないことです。
ちょっとふんわりとした報告だなと思いました。

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