355. 小~中等度角度の間欠性外斜視に対するオフィスベースの輻湊およびanti-suppression療法: 無作為化臨床試験

Office-based vergence and anti-suppression therapy for the treatment of small-to-moderate angle intermittent exotropia: A randomised clinical trial

Ma MM, Kang Y, Scheiman M, Chen Q, Ye X, Pan L, Deng J, Su G, Zhang G, Chen X. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Dec 26. doi: 10.1111/opo.13264. Epub ahead of print. PMID: 38146812.


目的:小~中等度角度の間欠性外斜視(intermittent exotropia:IXT)の小児において、診察室での輻湊・anti-suppression訓練(office-based vergence and anti-suppression therapy:OBVAT)の短期的(治療終了後1週間)効果を、観察のみと比較した場合のOffice Control Scoreに及ぼす影響を評価すること。

方法:このシングルマスク(検査者マスク)、2群、単施設無作為化臨床試験では、未治療のIXTを有する6~18歳未満の参加者40名を、OBVATまたは観察のみに無作為に割り付けた。治療群に割り付けられた参加者は、週1回60分のOBVATと家庭での補強(訓練)を16週間行った。訓練は、輻湊、調節、anti-suppressionテクニックが含まれた。主要アウトカムは、主要アウトカム来院時(すなわち、17週後のフォローアップ来院時)の2群間の遠見オフィス・コントロール・スコアの比較であった。

結果:主要アウトカム評価時点において、OBVAT群(n=20)は遠見Office Control Scoreが有意に優れていた(調整平均差-0.9: 調整後平均差:-0.9;95%CI:-0.2~-1.5;p=0.008;部分イータ二乗: 0.19)であった。OBVAT群の参加者は、観察群の参加者よりも、17週目の診察で1ポイント以上の改善を示す確率が高かった(OBVAT群:75%;観察群:25%;p = 0.006)。

結論:6歳から18歳未満のIXT患者を対象としたこの無作為化臨床試験において、OBVAT群は観察群に比べ、17週時点の遠見オフィスコントロールスコアが有意に良好であった。この研究は、IXTのコントロール向上に対するOBVATの有効性を実証する、初めての無作為化臨床試験のデータである。眼科医は、OBVATをIXTに対する実行可能な非外科的治療の選択肢として考慮すべきである。IXT治療におけるOBVATの長期的有効性を調査する、本格的な無作為化臨床試験が正当化される。

※コメント
間欠性外斜視に対する訓練の有効性を示した報告です。
訓練によってdistance Office Control Scoreが向上したとのことです。理論的に進めていけば決して訓練は悪いものではないと個人的に思っているので、このような報告が出たのは喜ばしいことと思っています。

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