168. 進行性近視の学童への低濃度アトロピン(0.01%)が水晶体度数に及ぼす影響

Effect of low-dose atropine (0.01%) on crystalline lens power among school-aged children with progressive myopia

Saxena R, Gupta V, Dhiman R, Phuljhele S, Kumar P, Sharma N, Iribarren R, Rozema J. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Jun 23. doi: 10.1111/opo.13192. Epub ahead of print. PMID: 37350384.


目的:アトロピン(0.01%)を点眼した進行性近視のインド人小児群における水晶体度数(lens power:LP)の変化を、無治療の対照群と比較して評価すること。

デザイン:非ランダム化臨床試験

方法:120名の進行性近視(0.5D/年以上)の小児(アトロピン群70名、対照群50名)を対象とし、1年間の追跡調査を行った。アトロピン群には0.01%アトロピン点眼薬を1日1回両眼に点眼し、対照群には点眼しなかった。等価球面値、眼軸長(axial length:AL)、角膜曲率(keratometry:KER)、前房深度(anterior chamber depth:ACD)、水晶体厚(lens thickness:LT)の変化を記録した。LPはBennettによって提案された式を用いて計算した。

結果:1年目の平均近視進行は、アトロピン群(-0.18 D [0.2])が対照群(-0.59 [0.21])より有意に少なかった(p < 0.001)。ALの増加は2群間で有意差があった(アトロピン群:0.21mm[0.12]、対照群:0.29mm[0.11]、p<0.001)。LPの減少は、プラセボ群(-0.28D[0.42];p<0.001)よりもアトロピン群(-0.67D[0.34])で有意に大きかった。LTの変化はアトロピン群とコントロール群で有意差があったが(p = 0.02)、ACDとKERの変化は両群で同様であった。

結論:LP のより大きな損失は、アトロピンの近視抑制効果に寄与する可能性があるため、近視進行に対するアトロピンの実際の効果を評価するために、近視に対するアトロピンの有効性を報告する研究で評価される必要がある。

※コメント
0.01%アトロピン点眼からlens powerが近視進行抑制に貢献している可能性があるため、評価をするべきだという報告です。
また本文は読んでみます、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?