172. BLINK Study無作為化臨床試験における多焦点コンタクトレンズ装用4.7年後の小児の調節力

Accommodation in Children after 4.7 Years of Multifocal Contact Lens Wear in the BLINK Study Randomized Clinical Trial

Chandler MA, Robich ML, Jordan LA, Mutti DO, Berntsen DA, Fenton R, Day E, Walline JJ; BLINK2 Study Group. Optom Vis Sci. 2023 Jun 26. doi: 10.1097/OPX.0000000000002040. Epub ahead of print. PMID: 37369096.


重要性:小児の近視コントロールのために+2.50D addのソフト多焦点コンタクトレンズを装用した場合、3年間の調節反応は減少したが、4年以上装用しても調節幅、ラグ、facilityには影響しなかった。

目的:単焦点、+1.50D add、+2.50D addの多焦点コンタクトレンズ装用者間で、3D刺激に対する調節反応を3年間のコンタクトレンズ装用期間中に比較し、平均4.7年の装用後に3群間の調節幅、ラグ、およびfacilityを比較すること。

方法:7~11歳のBLINK研究参加者を、単焦点、+1.50D add、または+2.50D addのソフトコンタクトレンズ(CooperVision, Pleasanton, CA)装用に無作為に割り付けた。3Dの刺激に対する調節反応をベースライン時と3年間毎年測定した。4.7年後、±2.00 Dのフリッパーを用いて、客観的な調節幅、リード/ラグ、binocular facilityを測定した。多変量分散分析を用いて、クリニック、性別、年齢層(7~9歳または10~11歳)を調整し、3つの屈折測定値を比較した。

結果:+2.50D addコンタクトレンズ装用者は、単焦点コンタクトレンズ装用者よりも3年間低い調節反応を示したが、+1.50D addコンタクトレンズ装用者は、単焦点コンタクトレンズ装用者よりも2年間低い調節反応しか示さなかった。クリニック、性別、年齢層で調整した後、平均4.7年のコンタクトレンズ装用後、3つの治療群間で、調節幅(MANOVA、P = 0.49)、調節ラグ(MANOVA、P = 0.41)、accommodative facility (MANOVA、P = 0.87)について、統計的に有意な差や臨床的に意味のある差は認められなかった。

結論:ほぼ5年間の多焦点コンタクトレンズ装用は、小児の調節幅、ラグ、facilityに影響を及ぼさなかった。

※コメント
多焦点コンタクトレンズ長期使用によって調節機能の変化(低下)は起きないことが示されたようです。

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