75. 累進屈折力レンズは,近視抑制のためにアトロピン療法を受けている小児,特に中~高濃度を使用している小児に有用である

The use of progressive addition lenses to improve the daily visual function of children receiving topical atropine treatment

Sun HY, Tsai JD, Nien YS, Peng CC, Ke CH, Kuo HY. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Mar;43(2):195-201. doi: 10.1111/opo.13077. Epub 2022 Dec 1. PMID: 36453985.


目的:近視抑制療法として局所アトロピン点眼使用している小児において,累進屈折力レンズ(PAL)を追加した場合の視機能の変化を評価する。日常的な視覚の訴えとその近見矯正の判定を検討した。

方法:7~12歳の小児40名を募集した。遠見視力,近見視力,調節ラグ,眼位,輻湊近点,立体視を検査し,日常の視覚的な不満に関する質問票を実施した。

結果:近見矯正の眼鏡(累進眼鏡)処方をした後,視覚機能に有意な差が認められた。遠見視力,近見視力,調節ラグ,両眼視機能の有意な改善が認められ,Harmon distanceでの視力不満も少なかった。

結論:PALの使用は,近視抑制のためにアトロピン療法を受けている小児,特に中~高濃度を使用している小児に有用である。また,この併用療法は,コンタクトレンズへの耐性が低い低年齢児にも適用でき,眼球の副作用のリスクも少ないと考えられる。

※コメント
PALを使用することで近視進行が期待できる可能性もあることながら,他の視覚的改善も得られるようです。なぜ近見のみでなく遠見視力が改善傾向を示したのは気になりますが…

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