286. 世界の近視有病率と国際的な教育水準との関連性

Association between Global Myopia Prevalence and International Levels of Education

Jong M, Naduvilath T, Saw J, Kim K, Flitcroft DI. Optom Vis Sci. 2023 Oct 19. doi: 10.1097/OPX.0000000000002067. Epub ahead of print. PMID: 37855831.


意義:世界的な近視有病率と国際的な教育水準(Myopia Prevalence and International Levels of Education:MILE)研究は、小児の近視有病率と教育成績の国別傾向をモデル化したもので、生態学的分析という形で近業と近視の関連性を検証し、これが教育の枠組みとどのように関連するかも論じている。

目的:近視有病率と全国的な教育成績の関係を調査すること。

方法:Holdenら(2016)によるメタ分析から35地域の15歳から19歳の近視有病率を求め、2000年から2018年までの経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development:OECD)の中等教育調査(Program in Secondary Assessment:PISA)テストによって定量化された教育成績とマッチさせた。一般化推定方程式(generalized estimating equation:GEE)を用いて、PISA得点と近視有病率の関係を記述した。分析では、国と年代によるクラスタリング効果を考慮した。最良適合直線を用いたPISA得点のLinear and non-linear termsがさらに検討された。

結果:10代のOECD PISA教育成績と近視有病率の間には有意な正の関係があり、年代を考慮した後でも、PISA得点が高いほど近視有病率が高いという関連があった(数学、科学、読解について、それぞれGEEモデル P = 0.001, 0.008, 0.005)。三次フィットとロジスティックフィットの散布図は、PISA数学が近視有病率と最も強い関連を示し(r2 = 0.64)、次いで科学(r2 = 0.41)、読解(r2 = 0.31)であった。

結論:これらの結果は、国レベルでの教育達成度がより高い近視有病率と関連していることを強く示唆している。PISA得点は多くの国の教育政策の重要な原動力であり、PISA得点が高く、近視有病率が低い国は、近視の公衆衛生問題に対処する教育政策の良いモデルとなるかもしれない。

※コメント
教育水準が高く近視程度が低いところの政策モデルを活用しようという結論ですが、中国モデルをぜひ!という雰囲気にしか聞こえない自分は濁っているのかもしれませんね。
国々で、やれる・やれない、考え方が違いますので、あくまで参考程度になるとは思いますが。
どちらにせよ近視=悪だという考えは捨てて、強度近視による将来的な眼の不具合を払拭もしくは軽減できるより効率的な指針を立てる事ができればいいなと。個人的に強く思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?