197. Isomyopic eyesと比較したAnisomyopic eyesの進行パターン

Progression pattern of non-amblyopic Anisomyopic eyes compared to Isomyopic eyes

Hussain A, Gopalakrishnan A, Chowdhury S, Agarkar S. Eur J Pediatr. 2023 Jul 18. doi: 10.1007/s00431-023-05088-9. Epub ahead of print. PMID: 37462797.


本研究は、6歳から16歳までの非弱視近視性不同視小児の進行パターンを明らかにすることを目的とした。この後方視的研究では、8年間(2009年から2017年)にわたり、インドのChennaiにあるSankara Nethralayaを受診した8680人の近視小児の電子カルテを分析した。包括基準に基づき、合計711件の記録が検索された。さらに、711件中423件が3年間の連続追跡調査(ベースライン+3回の追跡調査)を受けており、進行パターンを決定するために考慮された。解析のために調節麻痺下球面円柱屈折を測定し、M(SE)、J0、J45のベクトル表記に変換した。近視性不同視(Anisomyopia)は、近視SEの眼間差が1D以上であることを意味し、同等の近視(不同視なし)(isomyopia)は、近視SEの眼間差が1D未満であることを意味した。屈折が低い方の眼の屈折に基づいて、Anisomyopiaはさらに両眼不同視近視(bilateral anisometropic myopia:BAM)と片眼不同視近視(unilateral anisometropic myopia:UAM)に分類された。isomyopiaのコホートでは、平均年間進行は-0.49±0.54Dであった(中央値[IQR]-0.38D[{-0.75}-0.00])。BAMでは、屈折が大きい近視眼の平均年間進行は-0.45±0.55D(中央値[IQR]-0.38D[{-0.75}-0.00])、屈折が小さい近視眼は-0.37±0.55D(中央値[IQR]-0.25D[{-0.63}-0.00])であった。この差は有意であった(t (212) = -2.14, p < 0.05)。UAMでは、近視眼(-0.39±0.51D;中央値[IQR]-0.25D[{-0.75}-0.00])は、正視眼(-0.22±0.36D;中央値[IQR]0.00D[{-0.44}-0.00];t (96) = -3.30, p < 0.001)と比較して、統計的に有意に高い年間平均進行度を示した。進行傾向に関しては、BAM群では、近視が大きい眼と小さい眼の平均SEの変化率は同程度であった(-1.12±1.20D; 中央値[IQR] -1.13D [{-2.00}-{-0.38}] vs -1.05±1.25D; 中央値[IQR] -0.88D [{-1.75}-{-0.13}]; t (138) = -0.64, p > 0.05)。しかし、UAMの近視が大きい眼は、正視眼に比べてより高い近視化傾向を示した(-1.37±1.06D; 中央値[IQR] -1.32D [{-2.13}-{-0.50}] vs -0.96±1.11D; 中央値[IQR] -0.75D [{-1.56}-{-0.25}]; t (61) = -2.74, p < 0.05)。
結論: BAM眼とUAM眼は互いに異なる進行パターンを示す。UAMの近視眼の屈折シフトの速度はisomyopiaと同様であるが、BAMの近視眼はisomyopiaよりも進行速度が遅い。

知られていること:
・Anisomyopiaの屈折変化率はisomyopiaに比べて大きい。
・ 近視度の低い眼は近視度が高くなる傾向にあるが、近視度の高い眼は安定した屈折を示す。
新しいこと:
・両眼不同視近視(BAM)と片眼不同視近視(UAM)の進行パターンは互いに異なる。
・片眼不同視近視の近視眼の屈折シフトの速度はisomyopic eyeと同様であるが、両眼不同視近視の近視眼はisomyopic eyeよりも進行速度が遅い。
・不同視における眼間差の変化パターンは、側方性(両眼性または片眼性)、および、より屈折異常が大きい等価球面値の程度に依存する。

※コメント
両眼とも近視があり不同視の程度が強ければ、強い方の眼の近視は進行しやすい。安直な考えですが、やはり一度スイッチが入ってしまうと進行してしまうのかもしれません。

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