365. 外斜視手術後のmonofixational exotropiaの発生について

The occurrence of monofixational exotropia after exotropia surgery

Kushner BJ. Am J Ophthalmol. 2009 Jun;147(6):1082-5, 1085.e1. doi: 10.1016/j.ajo.2009.01.005. Epub 2009 Mar 14. PMID: 19285655.


目的:単眼固視(monofixation)およびmonofixationを伴う間欠性外斜視と推定される患者を調査し、それらが両眼融像を伴う間欠性外斜視とは別の診断名に分類されるべきかどうかを決定すること。

デザイン:間欠性外斜視の治療に関する、過去に発表された2つの前向き無作為化臨床試験のデータを、monofixation syndromeの発生に注目してレトロスペクティブに再解析した。

方法:間欠性外斜視と推定される症例に対して手術を受けた、連続した2つの無作為化シリーズから215例の患者を対象とした単一施設の臨床研究。アウトカム指標は手術後のmonofixationの有無とした。

結果:間欠性外斜視と推定され手術を受けた患者215人のうち、194人は手術時3歳以上で、中心融像であり、術前に顕性のmicrotropiaはなかった。術後にmonofixation syndromeを発症した者はいなかった。さらに、感覚面の検査を行うには幼すぎるという理由で、以前にこれらの研究から除外された14人の患者を本研究に組み入れた。そのうち7人(50%)が術後にmonofixation syndromeを発症した。また、手術前に常時microtropiaがあり、交代カバーテストが可能であったため、これらの先行研究から除外された別の7人の患者も、この研究に組み入れられた。7人全員、術後にmonofixation syndromeがみられた。

結論:間欠性外斜視と推定される症例の術後にmonofixation syndromeがみられたのは、術前にmonofixation syndromeがみられたことを反映している可能性が高い。これらの患者の多くは、術前に一定のmicrotropiaを呈しており、それゆえ間欠性外斜視と呼ぶべきではない。monofixational exotropiaという用語がより適切である。

※コメント
間欠性外斜視の中にもmicroは隠れていることを示す論文です。
しっかりと検査をしないと見逃すことが多々ありますね。
個人的にはmonofixation syndrome派ではなくmicrotropia派なので、
monofixational exotropiaよりもIntermittent microtropiaの方が良いかなと思っています。

長い間ご拝読ありがとうございました

Takenori


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