微生物的企業

こんにちは。スタッフの山田です。
noteの初投稿ということなので、当農園の紹介をしたいと思います。

目次
・経営理念は「餓死をなくす」
・株式会社えと菜園
  ー熊本の農家さんの農作物や加工品の販売
  ー野菜づくり体験(指導付き市民農園)コトモファーム
・NPO法人農スクール
・えと菜園と農スクールが野菜作りをする人を増殖させる
・行動指針
・拡大ではなく増殖
・持続可能なビジネス生態系
・これから

弊社株式会社えと菜園なのですが、ちらほら色んなところから視察に来ていただいていたり、若人が社長に人生相談に来たりしております。

以前は「日本でいちばん大切にしたい会社」を著されている坂本 光司先生がゼミ生の皆さんと一緒に会社へ視察に来てくれました。
ゼミでも会社のことを取り上げられて頂いているらしくとても嬉しいのですが、この会社のどこに視察する価値があるのか、自分もちゃんと理解できていないなと。

そこで改めて会社で行っていることをまとめ、どんな思いで事業を始めたかを社長に聞き、この記事にまとめました。

社長の構想は全体像を中々理解しづらいのですが、よくよく聞いてみるとかなり壮大だなと。
さらに、考え方が一般的な企業と異なるため、その辺りに惹かれ大きい組織に勤め悶々としている人が相談に来たり、色々な方が視察に来たりしているのかもしれません。

この記事は、今の社会のあり方や、自身の仕事のやり方などに悶々している人に読んでいただきたいです。

経営理念は「餓死をなくす」


社長の小島と話をしていると、「何を言っているんだこの人は?」と訳が分からないことがよくあります。

例えば「私は世界から餓死をなくしたいのよ!」とよく言っています。

社長の著した本「ホームレス農園」に彼女のライフヒストリーが書かれているのですが、小学生の頃世界の貧困が特集されたTV番組を見て衝撃を受け、世界から餓死をなくそうと思い立ったとあります。
本を読まれた方の中には、「ん?その話はどうなったんだ?」と思われている方もいるかも知れません。

​​(ホームレス農園)

世界から餓死をなくすと聞くと、私は国際機関で働くことを想像してしまいます。

それなのに、こんなに小さくて都心からも離れたくまモンの看板の事務所で何を言ってるんだと。

(くまモンの事務所 神奈川県藤沢市にあります)

しかし、よくよく聞いていると、彼女の「餓死をなくしたい」という思いと現在行っている事業の繋がりが何となく分かってきました。

まずは、事業でどんなことを行っているのか紹介します。
構想を理解するために、会社のえと菜園だけでなく、小島が別に代表をやっているNPO法人農スクールについても説明いたします。

文字だけでは分かりづらいので、ちらほら周りで流行っている「ビジネスモデル2.0」(著者 近藤 哲朗)という本を参考にし、会社のモデルを作りました。(もっと上手く作りたい・・・)
https://note.mu/tck/n/n95812964bcbb

株式会社えと菜園
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(図1 えと菜園のモデル図)

えと菜園のやっている事業は大きく2つあります。

・熊本の農家さんの農作物や加工品の販売

 →生物多様性に気を配り、農薬や化学肥料を使わない栽培方法で作物を育てている農家さん作物を直接お客様に販売しております。そうすることで農家さんの栽培の「こだわり」が直接お客様に選んでもらえるため、農家さん一人一人の「こだわり」が経済的な価値に転嫁されます。
またお客様にとっても、直接顔のわかる農家さんから買え、作物の育て方も情報公開していることは安心につながると思っています。
オンラインショップHP:http://eto-na-en.shop-pro.jp

野菜づくり体験(指導付き市民農園)コトモファーム
​​

 →農薬や化学肥料を使わない栽培方法で作物を育てる体験をして、楽しんでもらう農園を営んでいます。楽しんでもらうことで、野菜づくりや畑に多様な生物や植物がいることに価値を感じてもらえると思っています。

栽培の指導は「こうするものだ」ではなく、「こういうやり方もあれば、ああいうやり方もある」と提示し、選択してもらうスタイルでやっております。お客様には我々がいなくとも野菜が育てられるような力をつけてもらえたら嬉しいと思っています。

さらに、それ自体を目的にしているのではないのですが、結果的に、コトモファームのお客様が、オンラインショップで商品を購入していただいたり、地方に移住し自給的な暮らしを始めたり、なんと就農する人まで出てきています。
コトモファームHP:http://www.eto-na-en.com/cotomo-farm/index.html

NPO法人農スクール
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 (図2 農スクールのモデル図)

農スクールは、ホームレス状態の方や引きこもり状態の方、生活保護を受給されている方などと一緒に農作業を行うプログラムです。

農業就職を目指すと掲げていますが、無理に就職させようとするものではありません。就労したい、農業で独立したいなど本人が欲望を持てばサポートしますが、こちらから就労させよう、独立させようという意思は持たず、”自主自律”を大切にして行っています。

少ない経験で恐縮ですが、この就労させようとしないことで、本人の肩の力が抜け、野菜栽培に集中できるのだと思っています。それが結果的に気力を取り戻し、働こうかなという気が起きるきっかけになるのかと思っています。

実際農家になった卒業生もいて、たまに近況報告に来てくれたり、ブルーベリーを送ってくれたりしてくれました!

一緒に農作業を行う中で受講生がどんどん元気になっていく姿を見ることができるのですが、これは、賃金労働ではなく直接的に生活必需品を自力で手に入れるという原始的な欲求が満たされるからではないかと思っています。
友人で魚釣りをやっている奴がいて「魚釣りは原始的な楽しさがあるんだよね」と言っていたのですが、野菜の種を蒔き、芽が出た時や収穫はそれに近い楽しさがある気がします。

今後は、農作業に慣れてきた農スクールの受講生に、中間就労の場としてえと菜園から仕事を依頼する形を作っていきたいと考えています。
体験農園で野菜づくりを楽しむ方が増えることで、農スクールで受講生がお金を稼ぐ経験を作ることができるという循環を作っていきたいです。

(図3 農スクールとコトモファームの関係)


農スクールHP:http://know-school.org

また、
「農」の多様な価値を発展させ、上記2つの事業以外にも、
・農作業を取り入れた人材育成プログラム http://www.eto-na-en.com/houjin
・農作業を使った就労支援  (支援団体様を通じて自治体様にも就農プログラムを導入させていただいております)などの仕事も受けております。

このサービスは、農スクールでお世話になっている慶應義塾大学理工学研究科特任教授である小杉俊哉先生が講演などで活動を話してくださったおかげで、広がってきました。

農作業は、「その人の性格がよく見える」「これまで気が付かなかった新しい一面が発見できる」という面白い点があり、仕事の中では『上司と部下』という固定化された関係性が、『職場』から『畑』へ、場を変えることで、新しい人間関係、信頼関係が生まれ、チームワークが向上する可能性を秘めています。実際お客様より「苦手な同僚の、意外にいい面を見ることができるようになって、人間関係がうまくいき出した。」という声も頂いております。

えと菜園と農スクールが野菜作りをする人を増殖させる

 (図4 えと菜園と農スクールがくっついた図)

体験農園に通い、野菜づくりを学び、楽しんでもらう。
それによって生物多様性を守る農家さんへの理解が増えるかもしれない。そういった農家さんの商売が成り立つことで、その農園の生物多様性だけでなく、地域の雇用が保たれ、地域が存続していくかもしれない。

体験農園に通う方が増えれば、農スクールの受講生が働く機会ができ、お金に余裕がない人でも野菜育てを学ぶ機会が作れる。
楽しいサービスに対価を払うという一般的なサービスが起点となり、誰もが野菜作りに参加でき、どんどん自力で作物を育てられる力を持つ人が増殖していく。

我々の行っている活動は、そのような循環、生態モデルを目指しています。

行動指針


その中で、行動指針となるのが「小さく」「自律的」「模倣可能」「持続可能」となります。

今組織の規模は、10人に満たず、また出資も全く受けておらず全て自己資本で行っています。

体験農園のサービスは商圏も小さく、地域密着であり広告費などにもほとんどお金をかけていないため、それがサービス価格を抑える理由になっています。また、広報などにかける時間もサービスを向上するのに配分できます。それが、お客様が我々の農園を独自に見つけてくれたり、口コミで他のお客様を連れて来てくれたり、長く通ってもらっている理由かもしれません。

また、小さい組織で誰かが誰かの仕事を管理することがないため、それぞれが自律的に動かざるをえません。我々はこれを柔道スタイルと言っています(笑)ちなみに社長は柔道二段です。

このように、人数も資本も商圏も小さいが為に、模倣がしやすいと考えています。農スクールも福祉作業所など行政の制度に乗っていないため、国が変われど模倣できるものであると思います。

さらに農薬や化学肥料を使わず、畑で生えた雑草を栽培に生かすという栽培方法は、地域を選ばず、また初期の資本が必要ないという点で模倣しやすいと思います。これは栽培をする人が外部の技術に依存せずに行える方法であり、また土壌が良くなっていくやり方であるため持続可能性もあります。

拡大ではなく増殖


このように小さく、模倣がしやすい点は将来的に別の場所で展開しやすいようにと小島が見据えていたからこそ出来上がりました。

この模倣しやすいという点が、これらの活動の考え方の斬新な点だと思っています。

ビジネスの定説は真似されない仕組みを作り、参入障壁を上げることだと思います。
なぜ我々はその逆を行き、模倣しやすくしているのか?

やっと話が初めとつながりました。

餓死をなくすために、世界の別の場所で模倣して行って欲しいからです。

例えばアフリカです。プランテーションなど一つの作物を広く育て、外貨を稼ぐ一方、自分たちで食べる野菜がないという状況があります。そういったところに、我々のやり方が模倣され、自ら野菜を育てることができる力が増殖してほしいと考えています。
(もちろん自由に使える農地がないなど様々な問題が絡み合っていると思います。そこは色々なところと協力していきたいです。)

実際 JICAの方がアフリカの方々を連れて来ていただき、農園を視察して下さり、雑草を生かした農法についての説明は反応が良かったです。また、セネガルと日本を行き来している岡山県立大学の先生も当園を視察され、当園のエコシステムについてお褒めいただきました。

このように模倣がしやすい形式での組織形態や栽培方法であるがために、その技術や考え方を増殖させていくことができると信じています。

我々は微生物的なやり方で、世界から餓死をなくせるように努めていきます。
ホントくまモンのプレハブ小屋でなんて大きいことを考えてるんだって思いません?
想像すると楽しいです。
​​

ただ、大きいことを見ているようですが、やることと言えば目の前のお客様に楽しんでもらうといったモデルなので、分かりやすいです。
本当にお客様のおかげで、成り立っているなと感謝しっぱなしです。

持続可能なビジネス生態系


初めに今の社会のあり方や、自身の仕事のやり方などに疑問を持っている人に読んで欲しいと書きました。これはタカのやり方が合わない人が一定数いるかと思ったからです。
(もちろん大きい企業も様々だとは思います。)

国際機関など大規模な組織が大型動物、例えばタカとすれば、我々は地中に棲む微生物くらいなものかと思っています。

弊社(というか社長)に相談に来るのは、端から見ると順風満帆な進路を進んできている人が多いです。いわゆる有名な大学に通っている人、大きい組織に勤めている人、などです。

今の会社に合わないから、辞めて独立する、田舎に行って自給自足を目指す、という人もいます。

タカなど大型動物的なやり方、あり方が合わない人がいきなり個になろうとするのではなく、微生物的な考え方の小さな組織もあるんだと知ってもらえると嬉しいなと思っています。

タカを否定しているのではなく、他にもカエルもいてバッタもいて、土壌微生物もいてと、多様であるからこそ生態系は成り立っていけるはずです。

こういう微生物的なやり方に興味を持っていただけたら嬉しいです。

これから


また社長の小島が「何を言っているんだこの人は?」ということを言い始めました。最近は「次はバッタよ!」とよく言っています。
「グラスホッパー、グラスホッパー」と口ずさんでいます。

先日日本大学の小島仁志先生が農園の生態系を調べてくださった際に、「農園の生態系の頂点にいるのはトノサマバッタ」だという事が分かりました。
それを聞いた社長は、「タンパク源は大豆だと思ってたけど、バッタもありね!」と言い始めたというわけです。

実際FAO(国際連合食糧農業機関)も昆虫食を勧めたという話があるように、これからの食糧危機を乗り越え、餓死をなくしていくにはバッタを食べることも考えていかないといけないかも・・・
小さい頃私はエビがグロテスクで苦手だったのですが食べられるようになったように、バッタも慣れたら普通に食べられるようになるか。。

あとバッタの中で美味しいのはトノサマバッタだそうで、エビみたいな味がするそうです。

終わり

もし、就職に悩んでいる大学生や、会社を辞めて田舎暮らししたいなぁと考えている人や、ベンチャー的?じゃない小さい会社で働くってどんな感じか知りたい人、引きこもりがちで農スクールに興味がある人など、山田でしたら冬季期間は相談できますので、農園にお越しください。1点注意として、畑やらない?と勧めます。ただ押しは弱いです(笑)

見学申し込みはこちら:cotomofarm@eto-na-en.com

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