見出し画像

「弱さを乗り越えるのではなく、受け止めていく 」|コーチにアセスメントコーチングの感想を聞いてみた【前編】

cotree編集部のほそのです。アセスメントコーチングインタビュー第4弾の執筆を担当しました。これまでのインタビューはこちらから。

第4弾は、cotreeでコーチとして働くもぎさんにお話を伺いました。ご自身もコーチングの知識や経験を持つなかで受けたアセスメントコーチング。どのように進み、ご自身の生活や仕事に活かされていったのかを語っていただきました。

もぎさんってこんな人
cotreeコーチ。東京大学卒業後、国家公務員の資格を取得し行政機関に入省。適応障害になった経験などから、興味関心の対象が社会課題から個人の内面やメンタルヘルスの領域に変化し、コーチングとカウンセリングを垣根なく扱う支援を目指す。

画像1

——アセスメントは、いつ頃うけました?

もぎ:5月です。

——ご自身もコーチとして働き、他社のコーチングを受けた経験もあると聞いています。今回、cotreeのアセスメントコーチングを受けてみてどうでしたか?

もぎ:自分の根っこである「性格特性(Personal Survey)」の結果を扱いながら、目の前にある課題をどう解決していくかということからパーソナルな部分まで、まっすぐに向き合えた感覚はありますね。

改めてコーチングをされる立場になってみて思うんですけど、話すと自分の中でまとまるんですよね。考えていることがぐるぐる回って同じ場所で止まるとかでなく、引き出してもらえる感じがとてもいいなと。

話すことで課題を言語化してもらえた

画像2

——アセスメントは、どのように進みましたか?

もぎ:まずは今抱えている課題を聞かれました。僕の場合、ひとつ目が仕事について、ふたつ目は夫婦の関係性みたいなところでした。この両方に関わることとして、不安や恐怖に囚われて行動できないことが多いですということをコーチに伝えたんです。

その後にアセスメント結果を見て話をしました。性格特性(Big 5)の強みとしては「誠実」や「配慮」、「協調性」がある一方で、「説得」や「交渉」などに関しては、人に主張していく、相談するという部分が弱く感じると指摘されました。

——そこについては「なるほど!」みたいな?

もぎ:そこまでは「そうなんですよ〜」というくらいだったんですが、「この強みを活かせていない状況が結構しんどいのでは」といってもらえたことは印象的でした。強みをもっと発揮するにはどうするのがいいかって観点で考えてみたらどうですかといわれて「その観点忘れていたなぁ」って。

もうひとつ、伝えたい課題と性格特性を照らして合わせて解説してもらったこともありがたかったです。例えば、仕事や家庭のなかで「思っていることをどう言葉にして伝えるかというところのハードルが高くて困っていらっしゃるんじゃないですか」という風に言語化してもらえたりして。

——ここまでがアセスメントですね。その後はどういった展開になりましたか?

もぎ:具体的にどんなアクションがとれるのかという話をしました。内容としては思っていることを伝える工夫についてや、相談することへの不安についてです。

そもそも僕には相談することに対して「怒られたり、幻滅されたりするかも」といった不安があるのですが、「そのことを相手に伝えてみてもいいのでは」ということをいってもらえて納得できました。

——その後は、解決できるように?

もぎ:できているところと、できていないところがありますね。

例えば、会社でなにか相談させてほしいということがあれば定期的に予定に入れることで同僚と話ができるようになったんですが、家庭では、予定せずに思っていることを伝えるとなるとあまりできていないなぁ、と。

——できていない部分に関しては、今回のコーチングでは扱えました?

もぎ:そこまでは話せていないですね。まずはできるところから試して、できなかったらまたそこから始めましょう、というところまでですね。

——アセスメントコーチングを振り返ってみると、どうですか?

もぎ:相談されるのは好きなんですけど、僕が相談する側になるということは相手の時間を使っちゃうということじゃないですか。だから、「悪いなぁ」って気持ちがあるんですよね。

だからこそしっかり約束してお金を払って、決まった時間のなかで話をするというのは貴重だなって思いました。あらかじめ「よろしく」といっておくというか。やましさが減るというか。

弱さと真正面から向き合えるcotreeへ入社して

画像4

——行政機関からコーチに転身した茂木さんがcotreeへの入社を決めたのはどうしてですか?

もぎ:ここでなら自分の「本当にやりたいコーチング」の角度で向き合えるなと思ったからですかね。

——「本当にやりたいコーチング」というのは。

もぎ:コーチングについていろいろ学んできたのですが、いまいち「弱さ」を扱いきれないなって思ったんですね。

——「弱さ」?

もぎ:例えば僕の場合だと、コーチに伝えた「不安や恐怖に囚われて行動できないことが多い」というところ。一応、コーチングでも扱いようはあるんですけど「なんかうまく進まないぞ」ということもあって。それで、その時に学んでいたビジネスやグループ・チーム向けのコーチングに徐々に違和感を感じるようになっていきました。

一方で「soar(ソアー)」などのWEBメディアで回復についての記事(*)を読んで、「もうちょっとカウンセリング寄りの方が僕には合っているかもしれない。でも、完全にカウンセリングというわけでもないしな」と。

そういった時にcotreeは「ここでなら真正面から「弱さ」と向き合えるな」と。

——そう感じたのは、具体的にどういったところからでしょうか。

もぎ:なんですかね。例えば、コーチングだと強みや弱み、環境など自分の手札を持っています、と。その中で「何をしますか」という感じでどんどん進んでいくんですよね。

でも、それだと苦手だと感じている手札を変えるというところまでは扱いきれないみたいに思って。これを変えることができるのが、カウンセリングなのかはわからないけど。

それで、2018年9月にcotreeを見つけた翌月に、escortがリリースされて。コーチングもやりますよというのを見て、「あ、これいいじゃん。ここ、やりたかったんだよ」という感じで。

自信のなさを受け止めて、「じゃあどうしたら良いかな」と

画像5

——cotreeに入社したことで、弱さと向き合うことはできた?

もぎ:まず、同僚とそういった話をよくできるようにはなりましたね。それはすごくいいなって。あとカウンセリングについてすごくたくさん勉強できる。悩みって、こんなにも人が抱えてるんだなというのを改めて見ることができました。

——もぎさんのなかでなにか変化はありましたか?

もぎ:変化したこととしては、なんだろな…… 。

まず環境がガラっと変わっただけで、自信がなくても話せるようになった。「これだけでこんなに変わるんだ」という発見はありましたね。自信のなさとか自分自身の根っこは変わっていないけれど、そこをまず受け止めて「じゃあどうするか」っていうことを考えられるようになった、そんな気がします。

あと、苦手な部分をどうしようみたいなことでは、前だったら「もう無理」となっていたところも同僚と一緒に進めることで、繰り返していけば多少できるようになるんだなと思えるようになってきて。それこそさっきいった苦手に感じている手札をちょっとひっくり返していくような変化ですね。そんな感じ。

難しいなこの質問(笑)。 

——cotreeの「やさしさでつながる社会をつくる」ビジョンに自分自身のやりたいことがつながる部分もあったんでしょうか。

もぎ:そうですね。弱さを乗り越える対象として捉えるのではなくて、それも抱えていくっていうイメージなのかな。

*参考リンク
「回復とは"ありたい姿"へ近づいていくこと。Dr.ゆうすけさんと鈴木悠平が語る、回復の物語」soar (ソア) 公式note (参照 2019-10-12)
「痛みと、回復と、コミュニティについて」 Dr. ゆうすけ note (参照 2019-10-12)

————————————

コーチングを学ぶなかで抱いた違和感を大切にして、ご自身に問い続けてきたもぎさん。お話ししてくださった言葉だけでは、私が想像しきれないほどの葛藤と向き合い続けたのではないかなぁ……と。

後編では、弱さを受け止めながらも前進できる環境を見つける以前のことやコーチングを学びはじめたきっかけをお話ししてもらいます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます🌱 オンラインカウンセリング: https://cotree.jp/ アセスメントコーチング: https://as.cotree.jp/