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「自己分析しまくりマン」がコーチングで見つけたもの|CTOにアセスメントコーチングの感想を聞いてみた【後編】

前回に引き続き、「CTOにアセスメントコーチングの感想を聞いてみた」の後編です。

ちばってこんな人
cotreeの新米CTO兼CTO(チーフ・哲学・オフィサー)。ホームページを作ったり、サーバーを管理したり、cotreeの技術面を一手に担うすごいやつ。大学で学んだ哲学的知識を使いcotreeの倫理面も担っているぞ!

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無限の自己理解の選択肢からピックアップされる

——アセスメントと一緒にコーチングを受けたと思うんですけど、どうでしたか?

ちば:コーチングはね……、あんまり印象がないですね。

——なんでですか?

ちば:あー、「わかってるな」って思ったからかな。自分でも内省をするので「自分でやってるからいいや」って(笑)。

あと、1回目は課題意識もまるでなくて。コーチに「考えたい課題はありますか」とか言われても「ないわ」みたいな。

よくわかんないけど受けた、みたいな感じだったのが良くなかったなと思うんですけど。

——じゃあ発見はなかった?

ちば:その時はなかったなぁ。

そのあと、別のコーチにコーチングしてもらった時は結構あったんだけど。

——あ、2回受けたんですね。

ちば:うん。2、3ヶ月前にコーチングをしてもらったんだけど、その時は悩み事があったので、コーチに話をして。発見がありましたね。

——というと。

ちば:多分、僕ってあんまり目標を持ってないんですね。

もともと「自分のあるべき姿を決めないことで世の中いろんな面白いことに出会いたいな」みたいなイメージがあったので、将来の自分の姿を固定するのはつまんないなと思っていて。

だから、「どうなりたいですか」って聞かれた時に「わかんないですね」みたいなノリなんですよ。

……っていうのが、あらためて明らかになったのが面白かったですね。

——「目標が明らかにならなかった」のが面白かったってことですか!?

ちば:コーチに聞かれるんですよ。「どうなりたいですか」「いつまでにどうなってたいですか」とか。

この「いつまでにどうなってたいですか」っていうのはすごい面白い質問で。ちょっと話飛ぶんですけど、就活の時、普通に働きたくなかったんですね。

「ずっと学生やってたいな」「院にでも行こうかなー」「でも、院に行くと食っていけなさそうだしなー」みたいなことをずっと思っていて。

そうしてた時に「わかんないけど、とりあえず流されて就活やってみたらいいんじゃね」みたいなノリで就活やって。それがまあまあ良かったんですよ。

それまでビジネスの発想とか好きじゃないなとか思ってたんですけど、いざ新卒で仕事をして見たら「ああ、こういう考え方なんだな」って不思議と腑に落ちて。面白かったんですよね、それはそれで。

そういった経験もあって、「避けてたもの」「良いと思ってなかったもの」とかに、流されることで出会って身を置いてみるってのも結構いいことだなっていう風に思っていて。

——流されるのが好きってことですか?

ちば:なんか迫られるのが好きなんでしょうね。変化を。

他人に言われるのは嫌なんですけど、ある状況に置かれてちょっとずつそれに馴染まなきゃと思って、自分で何とか理解しようとしてやっていく、みたいな過程がそれほど嫌いではないと思うので。

——なるほど。そういうこともあって「あんま目標持ってもなー」みたいな。

ちば:「なー」みたいな。

目標持っちゃうとそれこそ、どうやって大学院に行くかみたいな話になっちゃうと思っていて。

それより可能性を広く取っておいたほうが新しいものにも出会えるし、結果的には楽しいなみたいな。

そういうことをあらためて実感しましたね。

——じゃあ、コーチングも自己分析が合ってることを確認できたって感じなんですかね。

ちば:それもありますね。

あとは目標を持ちたくないってことにあらためて気づいたのは、その時ぶつかっていた問題と自分の自己特性の間を接続できたのもあるかもしれなくて。

自己分析をめちゃくちゃしてても、自分の抱えている問題が、自分のいくつかある特性のうちのどれとどう関わってるのかってわかんないじゃないですか。

けど、いざコーチングの場で話してみると、自分のこの特性が今のこの状況を生んでたんだなってわかって。

無限の自己理解の選択肢の中からちゃんとピックアップされて理解できるみたいな感覚がありましたね。

思考プロセスの中にある欠陥を見つけた

——ちなみに問題っていうのは?

ちば:あー。いま言ったみたいに基本的に僕は流されて生きるスタンスなんですけど、仕事では「目的意識」とかも意識してて。その時はその二つがぶつかってたんですよね。

社内全体の様子を見て、細かいところを拾って、ちゃんとシステム化していく、みたいなことを役割として求められていたんですけど、それによって自分のやりたい開発とかがなかなか進まない状況があって。

だから、自分の中の「状況的にはこれをやるべきだな」っていう判断と、「でも別のやりたいことあるな」っていう判断の間にズレがあって、それを相談しました。

——ほうほう

ちば:で、自分の中では「社内の優先度で考えると、これが必要だから」みたいな風に自分を説得してたんですね。

でも別に、いまでもその判断は後悔してないんですよ。自分が必要だと思ってやっているので、そんなにやらされている感もないし、それは自分の意思で決めていたので。

ただ、何が必要かを考えていることの中に「自分が何をやりたいのか」を含んでなかったなと思って。

自分の思考プロセスにある欠陥を発見した、みたいな感じでしたね。

もちろん流されるのは好きだし、成功体験としても持っているので、流されればいいじゃんみたいな風になっちゃいがちなんだけど。

それをずっとやってきたからこそ、状況に要請されることの中に、自分のやりたいことをうまく混ぜ込んでいくっていう思考のプロセスがなかったなと。

——自分のやりたいことっていうのを考えていなかった?

ちば:というより考慮に入れてなかった。分けてた、むしろ。

切り分けて考えることでうまくいく面もあると思っているので、それはそれでいいんですけど。

ただ、それしかないと今の自分のやりたいことを除外し続けて、ちょっとずつ不満を貯めていってしまうので、思考のプロセスの中にそういう欠陥かあるんだなっていう気づきになりましたね。

まあ、だからどうするかっていうとわからないんですけど(笑)

そういう欠陥があるけど、ある程度うまくいっているとは自分でも思ってるし、別に後悔しているわけでもないので。

その場でやるべきことを判断して動くっていうのは自分としては誇りというか、「それでいいじゃん」みたいな。

そういう風にできている自分が嫌いではないので「いいかな」と思いつつも、欠陥があることを理解して、ちょっとづつ「自分のやりたいこと」も大事にしていった方がいいんだなー、みたいな風に思いました。

——一度きりならいいですけど、継続性は少し弱くなりそうですもんね。

ちば:普段は仕事の選択とかもほとんど自分のやりたいこと重視でやってるので全然問題なかったんですけど。

その時はやるべきことの方が多すぎて、ずっとそっちに引っ張られがちだったので、そういう時期になるとそういう不満が溜まりやすいんだなと思いましたね。

自分のやりたいことが後回し後回しになっていくについれて、どんどん不満にもなっていくみたいな。

——人と人との役割を調整するみたいなことがやりたくなかった?

ちば:そうそう。得意としてないというか、たぶん技術としてはあるんだけど、嫌いなんでしょうね。

できなくはないけど、やりたいことではなかったので辛かったんだと思います。

——「できてるけどやりたくねぇな」みたいな。

ちば:できてるしやってるし必要だと思ってるけど、なんかつまんないというかきついな、みたいな雰囲気。

——「不思議だな〜」みたいな。

ちば:「何回考えてもこれはやるべきだという結論は出てくるし、これは自分で選んでるんだけどな〜」みたいな。

——「でも、なんかやだな〜」って

ちば:「なんかやだな〜」って。

——「あっ!やりたくないからでは!?」

一同:(爆笑)

「倫理観」と「ふわっとしたやりたいこと」

——「やるべきことってやりたいことではないから嫌なんだ!」ってことにコーチングで気づいたんですか?

ちば:それはわかってたんだけどね(笑)。

自分のやりたいことがこれで、やりたくないことをやってて、苦手意識があることもわかってるんだけど。

なんか「しょうがない」というか、何回考えても、これはやるべきだなみたいな結論が出てくるんですよ。

それは僕の思考パターンせいだったんですけど、それをもう1段メタに見れたのがコーチングの場だったんですよね。

僕のこの思考パターンというのは、このズレみたいなものを解消できないんだと。

解消するための思考にはなってないんだなってことがわかった。

——どんどんやりたくないという気持ちが増していく思考パターンだった。

ちば:そうそうそう。

どっちに優先度をつけるべきかの判断でしかなくて、このズレをどう解消するかの思考パターンではなかったので、この現象が繰り返されるんだなということがわかった。

——え、でもやりたくないってことはわかってるんですよね?

ちば:やりたくないことをやってるのはわかる。

やりたくないことをやってるけど、でも、こっちの方が大事だと自分が判断して選んでいるので。

——自分がやることで得られる喜びは考慮してなかった?

ちば:そうだね(笑)

でもまあ、喜びというか自分としてもこっちの方が大事だと思うから選んだ。

——でも大事なのとやって楽しいかは別なのでは。

ちば:別だね(笑)

なんだろうね。コーチにも話したんだけど、自分の中で倫理観(注:ちばくんは倫理観を「自分の中で最低限守らなければならないルール」という意味で使っている)というワードが強くて。

すごく難しい、複雑な問題にぶつかった時ほど、一度自分の倫理に照らして自分の倫理を貫き通すみたいなことを大事にしていて。

なにが正しいかなんかわかんないじゃないですか。

わかんない時に、ちゃんと自分の倫理に照らして、良いと思った道を選べてるかみたいなことをすごい大事にしてるんですよ。

それが自信というか、安心に繋がると思っていて、そこをちょっとでも外すとすごく不安になりがちなんですよね。

一個づつちゃんと丁寧に考えて、これが良いと思うみたいなものをちゃんと選べたか、みたいなことをすごく意識して生きていて。

その倫理観に照らして判断できていたので、それは自分の中では、なんだろうな、やりたいようにやれてるんですよね。

——CTO(チーフ・哲学・オフィサー)的な悩みですね(笑)。「これは倫理的ではない!」みたいな。

ちば:そう(笑)

倫理的はこうするべきなのに余裕がなくてできていない時とかが本当に嫌で、すごい不満を溜め込むんですけど、全然そんなことはなかったから、「やりたようにやってるしなー、うーん」みたいな気持ちだった(笑)。

まあ、だからコーチングで自分の思考の構造がわかったのは大きいですね。

自分の「やりたいこと」には、「ちゃんと倫理的に決められること」と「もっとふわっとしたやりたいこと」があって、倫理的である方が常に勝ち続けるので、もう一つが削ぎ落とされるみたいな構造なんだなっていう理解をした。

だから、どちらも入れられるような倫理観を作った方がいいんだなみたいな、風に思いました。

自分をより良くアップデートしていく

——強固な倫理観を持つようになったのはなんでなんでしょうか

ちば不安なんだと思います、単純に。これは僕の個人特性の話ですけど。

——アセスメント結果にも出てます?

ちば:まず、「安全動機」が高い。

あとなんだろうね、「批判耐性」が今は高いんだけど、低いんだと思うんだよね、元々は。

誠実」とかも元々すごい高かったし、「批判耐性」低かったし。

なんていうかな、「良しとされていることをちゃんとルール守らないと嫌」みたいな傾向が元々あるんですけど。

そこが後天的に変わってきたと思っていて。

「そこさえ守ればなんとかなるやろ」っていう風に、ある種自分の中に緩みを作るために「こだわり」みたいなものを抽象化してるんだと思いますね。 

「こだわり」が暴走するんですよね。

自分の選択に100の領域があったとして、100の領域全部に自分のこだわりを適用し始めると、全部自分の「こだわり」に雁字搦めになるんだけど。

最小限の部分だけにこだわりを置いといて、それ以外のところは結構ゆるっとするように頑張ってしてきたんだと思っていて。

だから、なんて言えば良いのかな、生き方のポートフォリオ的なところが僕のBig5にはあるんですよ。

——Big5も最初は今みたいではなかったってことなんですね。

ちば:すべてのことに対してその通りになっていないと気に食わないみたいな感じだったからら、小中高とか。

それはすごく良くなかったなって反省して、「なんでこだわんなきゃいけないんだろう」みたいなことを考えるようになって。

「ああ、僕はこれにこだわってたんだけど、それって抽象化するとこの概念で、ここさえ守られていれば別にいいから、もっと緩みを持っていいんだ」っていう風に、一つひとつの変なこだわりのエッセンスを抜いて、できる限り抽象化していったんだと思ってます。

抽象化されてる部分さえ守っていれば緩みがあっても良いので、それによってバランスが取れている、みたいなイメージで理解してますね。

——そういう倫理観を形作る時に要になっていたのが「知的好奇心」だった?

ちば:そうだね。

僕にはそういう強みがあったから、それを抽象化していったりとかできたのかなと思います。

——そこで生まれたのも別の意味で強い倫理観ではあるんですね。

ちば:そうだね(笑)

——だから、いずれにせよ倫理観重視なんだけど、もっと生きやすい倫理観に変えたってことですかね。

ちば:そうだね。

どんどんエッセンスを抜くという活動の傾向は変わってなくて、ただ、今度は新しい要素がでてきたのでそれをまた抽象化しようとしてるっていう感じですね。

多分、僕は死ぬまで特性を抽象化の度合いがどんどん強くなっていくと思います(笑)。

だから、倫理観を弱めましょうみたいな風には全然思ってなくて、自分の倫理観をちょっとづつ、その時の状態に合わせてアップデートしていこう、と思ってますね。

——コーチングは倫理観のアップデートの手伝いになったりしそうですね?

ちば:そうそうそう。問いかけてもらえるからね。

自分の論理的矛盾に気づくことができるので、その矛盾をどうしようかみたいなことを考えられるのかなと思います。

自分の思考パターンとか、倫理観とかの部分を見直して、少しでも現実にあったものにアップデートしていく、という意味ではすごくいい場だなと思いました。

——じゃあ、いい使い方してますね。

ちば:いい使い方だった。

「自己分析しまくりマン」はフィードバックの場として

——最後に聞きたいんですけど、受けてみてアセスメントコーチングへの印象は変わりましたか?

ちば:うーん……。

——「こういう人にオススメです」とかでもいいですよ。

ちば:人によるんじゃないかなと思いますけどね。正直なことを言うと。

でも、コーチと実際にやってみても「すごく良い問いを出すなあ」という実感はあったので、目的意識があったり、まさに今モヤモヤを抱えている、みたいな人にはいいんじゃないかなと思います。

それは彼女に進めた理由でもあるんですよ(笑)。

ただ、そこから逆に考えると、思考の見つめ直しが大きいと思うので、大事な課題を持ってない人だと、価値を発揮しにくいかもなとも

重要じゃない課題があったとして、そこを思考深めても、ね、そんなに。

「今日の夕飯どうしよう」みたいな話になってしまうと思っていて。それに解を出すこともできるし、思考の速度を上げることもできるんですけど、今日の夕飯決める能力を1万5千円かけて上げてもしょうがないじゃないですか。

だから、自分は大事な課題を持ってるんじゃないかなと思ってる人ほど、満足してもらえるのかなって気はしますね。

——アセスメントの結果がもらえることについてはどうですか?

ちば:めっちゃ良かった、壁に貼っとこうと思いました。壁に貼るまでもなくみんな見てくれてるから別にいいんですけど(笑)。

特に人付き合いとかで色々と考えてやってるんだけど、ちょっと暗中模索感があるというか、頑張って色々改善してるんだけど、うまくいかないなみたいな人にはいいかもしれないですね。

アセスメント結果をもとにいろんな軸を手にした上で、コミュニケーションの改善を回していくほうが、きっとそれはすごく速くなると思うし、適切な課題を捕まえることができるので。

あとマネジメントやってる人とか。

「部下とのコミュニケーションどうしよう」とか、「あの人とのコミュニケーションどうしよう」とか結構悩んでいるコミュニケーション的な課題があって、「色々やんなきゃなと思ってるんだけど、全然うまくいかないな」と思ってる人がやるといいんじゃないかなと思いますね。

——聞いてて思ったんですけど、やっぱりコミュニケーション的価値が大きいのはちばくんが「自己分析しまくりマン」だからだなと思いました。

ちば:そうねー、「自己分析しまくりマン」としてはまあ、「自己分析はわかっとるわい」みたいな気持ちがちょっとあるので(笑)。

だから、同じような「自己分析しまくりマン」だと、言われても「えー、知ってますけどー」みたいな気持ちにはなるでしょうね。

そういう人はコーチから見たらどう見えるかを聞いてみるといいんじゃないかな。それは僕は結構面白かったですけどね。

自分がどうかっていうよりも、周りから見てどう見えるかっていう観点が大事だと思うので。

自分で自分のことをすごくよく考えてるみたいな人は周りのフィードバックの場にもなるので、いいんじゃないかしらと思います。

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