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地方議会選挙のコツ2:最低を目指す



選挙となると、ちょっと気合が入りすぎてしまう方とか
アドレナリンが出て止まらなくなってしまう方とか
加熱しすぎてしまうということが見受けられるのですが、
首長選挙や県会・国会議員の選挙と違い、
市町村の議会選挙は一人を決める選挙ではありませんので
(投票できるのは一人ですが)
別にトップ当選を目指すとか、しなくってもよいのです。
落ちるのは数名で9割がたは当選します。

トップ当選したからといって議会内で発言権が大きくなるわけではありません。得票数が少なかったからといって議長になれないわけでもありません。

逆にトップ当選すると、期待と評価が大きくなりすぎてしまって、余分なお仕事が増え、本当に力を注がなければならないことに手が回らなくなるのではないかなあ。


そんなわけで最低ラインで当選すればよいのです。


前回の選挙の得票数を調べたり、
有権者数と投票率と議員定数から必要な得票数を割り出して
その分だけのご支援がいただけるように活動すれば地方議会選挙は勝てるのです。

当町では大体500を目指しておけばよいでしょう。
町によっては200ほどで当選できてしまうところもあるようです。

500で済むのに1000票取らなければと躍起になる必要はありません。

テストだって100点取るのはとても大変で疲れちゃいますが、
50点でいいよーと言われたらなんとかなる気がしますよね。


自分の支援層や地区の世帯数を把握しておけば、
より具体的に選挙活動を絞り込んで考えることができます。

年配の農家の方に絞るなら午前中と夕方に畦道を回ったほうがいいですし、若い人に絞るなら出勤時間に交通量の多い道路で街頭立ちしたほうが効果的です。


手を抜きすぎて落選しているケースも見かけるので、気の緩めすぎはいけませんが、頑張りすぎても別にいいことにはなりません。

でも、つい頑張りすぎちゃって、色んな衝突が起きてしまうようです。

選挙事務所の中で温度差が起きて対立してしまったり、お隣の地区の方や親せきの方で誰を支援するかを巡って険悪になってしまったり、「この道通るべからず」みたいな嫌がらせがあったり、掲示ポスターが落書きされたり、怪文書が出回ったり、よく聞くお話ですが、悲しいことです。

基本的には、同じ学校区同士の議員さんは多ければ多いほど議会内では有利です。イデオロギーが違っても同じ土地だと利害で一致したりもしますから。なので同じ学校区内で対立というのもどちらかというと極力しないほうがいいくらいです。

当選はゴールではなく、スタートです。

議会が始まったら、地区に利益を誘導するためには、同じ学校区の議員同士の協力が必要になります。
自分の学校区の議員の数が少ないほど、声は小さくなり、行政に届きにくくなります。一人の議員さんをトップで当選させるよりも、できるだけ多くの議員さんを必要最低限の得票数で当選させたほうが得なのです。

議会内での綱引きを支援者さんが手伝うことはできません。

これは何度でも言いたい。

議会内での綱引きを支援者さんが手伝うことは残念ながらできないんです。

一人ぽっちで地区の要望を背負って発言してても結果は出せないんです。

そんなときに一緒に声を出してあげたいと思っても手伝ってあげることはできません。


どこの市町村にも市街地と農村部があり、市街地のほうが人口も議員の数も多いのではないかと思います。

農村部の声が小さいことで、例えば、森林整備をするための要望の声も小さくなります。有害鳥獣対策予算が小さくなり、町の真ん中に熊が出るようになる。森林や河川の整備予算が小さくなり、出水期の土砂災害被害が大きくなる。そういうことが起きてきます。


農村部の選挙は特に、席を奪い合ってはいけないのです。過疎地域ならなおさらです。

若手議員や女性議員についても同じことが言えます。

子育て支援やIT推進、ダイバーシティ推進は議会では少数派の立場です。

おかしな話ですが、現役労働世代子育て世代を生きやすくするためには、少数派で協力して綱引きしないといけないのが現状です。

若手や女性の立候補者は全員上がらなければなりません。落とし合ってはいけません。


人間には闘争本能や支配欲があり、加熱すると理性が抵抗できなくなるときもあるかもしれません。

確実に勝ちたいと思ったり、勝てるかなと不安になったりすると、有権者の方に踏み絵を踏ませるようなこともしたくなるかもしれません。

「これ人が集まってないとカッコ悪い」なんて思うこともしばしばあるかもしれません。


しかしあくまで選挙期間中は自分の考えを聞いてもらって、議会で発言できる人間かどうかを判断してもらえるよう尽力する期間であり、選択される人間の一人として投票の判断材料を提供するための期間なので、事務所や演説会に集まる人数を競い合うものではないのです。


人は肉体的に負荷がかかるとどうしてもその負荷を取り戻したくなります。たくさんのお手伝いをお願いすればするほど、汗をかけばかくほど、「あんなにやったのに」って話に絶対なってしまいます。

色んな方の選挙の応援に行って感じたことですが、お手伝いをしてもらうことが当たり前になりすぎて感謝するという考え方が一切ない方もいらっしゃいます。それに対してあんまりだというヒソヒソ声もよく耳にしました。

逆に選挙事務所の雰囲気のよい陣営だと、力の抜き方やねぎらい方が絶妙です。


なんでもやりすぎず、背負いすぎず

議員のスタート地点に立ってからすぐギアを上げてダッシュできるくらいのほうが私はよいのではないかなと思います。


選挙で100点とっても意味はありません。

地域のためにも町のためにも自分の活動のためにも最低ラインを目指したほうがいいのです。



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