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これにはこれにしか出せない音がある。Stratocaster 1977(ローズ指板)

店に1977年製のFender Stratocasterが入荷した。
70年代後半のストラトはここ5年ぐらいで値段が高騰した。かつては単なる中古ギターだったのだが、今となっては製造から50年近くが経過したギターである。

Vintageという言葉はワインなどの「当たり年」に使われる言葉なので、古いギターというだけでヴィンテージと呼ぶのは憚られるのだが、世間一般ではすでに70年代後半のストラトもヴィンテージ扱いとなっているようだ。

私自身、70年代のストラトは過去に7本ぐらい持っていたのだが(正確にいうと80年製も含まれている)すべて、まだ安かった時代に売ってしまった。理由は、私自身がストラトキャスターを殆ど弾かないからであるのだが、ギターとしては悪くないギターだった。

70年代のストラトといえば、ネックが3点どめになっていて、ラージヘッドなのだが、この3点どめというのがネックがガタガタする原因になっていて敬遠する方も多いようだ。

3点どめのネックは確かに、ネックがガタガタしやすいという側面もあるのだけれど、これはやはりこれにしかない響きがあっって、これを4点どめにすると途端に70年代らしくないサウンドになる。私もかつて4点どめでなければ落ち着かないと信じていたので、25th Anniversary ストラトを何本も所有していたのだけれど、あれはあれで良いギターだったのだが、70年代後半のストラトのようなあの雰囲気とは違うサウンドだった。ピックアップはフラットポールピースのグレイボビンなので、ほぼ同じものなのだが。

そういう意味ではキャラクターが濃いので、この時代にしかない唯一無二な存在感があるのでヴィンテージと呼んでも良いのではないかと思う。その実、今回店に入荷した1977年のストラトは、ピックアップに程よいパワーがありながらも、どのポジションの音も使いやすい(3ポジションスイッチ)。ストラトらしい色っぽさもあり、70年代らしい乱雑さもあり、今のストラトの音に物足りなさ(キャラクターの薄さ)を感じているプレーヤーには、自信を持ってお勧めできる一台だ。

3点どめネックやピックアップもさることながら、このサウンドの決め手となっているのは、このギターのダイカストサドルなのではないかと思っている。70年代のストラトのサドルは板を曲げて作られる60年代までのサドルとは異なりダイキャストで作られている。これが音の振動にどのように影響するかは、うまく説明できないのだけれど、音色のキャラクターを左右していることはほぼ間違いないだろう。ブリッジサドルはギターの音色を決める大きなファクターである。

いつまで在庫しているかはわからないけれど、気になる方は当店のWebサイト(https://honkytonkguitars.com/in-stock/)またはJ-Guitar(https://www.j-guitar.com/products/detail.php?id=1240023)からお問い合わせください。

比較的希少なローズ指板の個体です。これを逃すとこの価格では手に入らなくなってくると思います。

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