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Vince Gillが弾いているEMGの載っているストラトって、どんな感じなんだろう?

昨日お店にFreedom Custom Guitar Research製のギターの調整に持ってこられたお客様がいらっしゃった。数年前にオーダーして購入されたとのことであったが、オーナーの拘りが詰まった素敵なギターだった。

TLタイプだったのだが、オーナーはカントリーミュージックが好きとのことで、カントリーミュージックの話題で盛り上がった。うちのお店はカントリーミュージック関連の楽器を中心に取り扱っているので、そういうお客様が来てくれるのはとても嬉しい。もっとも、カントリーのお店だからご来店いただいたというよりは、近所に楽器屋があったのでたまたま来てくれたということであった。

それで、カントリーミュージックのギター奏法についてだったり、最近のカントリーのギタリストについてだったり話をしたのだが、Vince Gillの話題になったので、ギターの調整をしている間にVince GillのCDをかけ待ってもらった。

Vince Gillのボーカリストとしての活躍はカントリーの枠を超えて多岐にわたっている。独特のハイトーンボイスは、透き通っていてどちらかといえばカントリーミュージックというよりもウェストコーストロックやAOR(古いか)のような音楽に合っていると思う。数年前にはイーグルスのメンバーとしてツアーを回ったりしていた。

カントリー以外の色々なジャンルのアーティストのアルバムにゲスト参加したりして、ロック、ブルーグラス、ソウルミュージックと幅広い。彼の歌声は、どんな音楽にも合う。もともと、ブルーグラスのバンドでギターボーカルだったそうだが、私はカントリーミュージックをやるようになってからの彼のアルバムしか持ってはいないけれど、ソロアルバムだけで十数枚は持っていて、どれも愛聴している。

ギタリストとしてのVince Gillも高く評価されている。クラプトンのクロスローズ・ギターフェスティバルの常連であるし、ギタリストとしてゲスト参加しているアルバムももちろん多い。彼のスタイルは、ジェームズ・バートンのようなチキンピッキングから、ブルージーなフレーズを混ぜたり、ロックテイストなソロをとったり、とても器用なギタリストである。

Vince Gillはヴィンテージギターのコレクターとしても知られており、数百台(それ以上か)のヴィンテージ機材を所有しており、実際にそれらをステージで使っている。YouTubeで彼のコレクションを紹介する動画を見ることができるが、50年代のブロンドのテレキャスターだけでも何十台も所有しており、一見するとどれも同じギターじゃないか、と思えてしまう。

彼の場合、色々なギターを所有しているが、ギターの好みははっきりしており、いかにも彼らしい偏りをみせるコレクションであるようだ。

その中でも、ちょっと意外なのは彼の愛用するストラトキャスターである。2TEKのブリッジにEMGのシングルピックアップを搭載したローズ指板のストラトは、彼のメインの機材でもあるのだけれど、あれだけヴィンテージのテレキャスターを愛用している彼が、EMGのピックアップを選択しているのは興味深い。

EMGピックアップの音色は独特のクセがあり、Vintage機材とは対極にあるようなサウンドなのだけれど、不思議なことにVince Gillのギターサウンドにマッチしている。私はEMGのコンプレッションのかかった音色はイマイチ好きになれなかったのだが、Vince Gillのギターの音色は好きである。正確なピッキングで高速フレーズをキメていく彼のスタイルにEMGという選択はちょうどいいのかもしれない。

EMGのついたギターを販売したことはあるが、自分で個人的には使ったことがなかった。EMGはそもそも、リプレイスピックアップとしてはそこそこな値段がするし、バッテリーボックスを収納する座繰りを入れなければならないのでおいそれとは交換できない。そのことも私をEMGから遠ざけていたのかもしれない。そもそも、あれはプロの機材であり、私のようなヘタクソの使うものではないという気もする。

それでも、Vince Gillが使っているからというミーハー心で一度使ってみたい気もする。まあ、高いからおいそれとは買えないのだが。

誰か、Vince Gillが使っているEMGのピックアップを試したことがある方がいたら、どんな感じなのか教えていただけると嬉しいです。

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