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研修は「開始20分」が肝である

こんにちは。紀藤です。

GW明けから、企業研修への登壇が続いております。
良くも悪くも、同じコンテンツでも、場によって全然違う雰囲気になることがあるのが、研修の不思議なところ。改めて、参加者と相互作用で作り上げる「生モノ」なのだなと、ひしと感じております。

今日はそんな中で、反省を込めて大事だな、と感じたことがありましたので、皆様に共有をさせていただければと思います。(先日から続けている『Character Strengths Interbention』の強み文献翻訳シリーズは、また後日再開いたします)

ということで早速まいりましょう!

「研修めっちゃ好きです」はあまりいない

これは人によりますが、基本「研修めっちゃ好きです」という人は、あまりお目にかかったことがありません(苦笑)。

もちろん、研修参加前の事前の巻き込み、すなわち、人事や上司、研修講師からのメッセージと共に届けられると、ポジティブな効果があることもわかっており、それも組み込むことが望ましいのは知られています。それらをしっかり行えば「会社の研修をワクワクして待ち遠しく思っていました」ともなるので、このあたりはできる限りの工夫はしていきたいところです。

しかし、なかなか難しいのが、「現場の巻き込みは相応に負荷もかかる」ということです。事前動画でレディネスを高めるのも、事前動画の視聴時間を確保することで、「事前の課題が重かった」という切ない回答につながることもゼロではありません。このあたりも望ましいことだからといって、全てできるとも限りません。

ゆえに、今ある状況下で、研修が参加したときにどれだけ参加者を巻き込めるか、というのが登壇する講師としての重要な力点になるとも言えそうです。

特に「研修が始まったとき」は、参加者の方は自分にとって役立ちそうか、期待できそうなのかを「品定め」をしている時間とも言えます。ゆえに、研修実施のセオリーとしても「オープニング」は極めて重要だと言われています。

よろしくなかった開始20分間

そして、先日の研修の話です。参加者の皆様には申し訳なかったのですが、いくつかの要因により、立ち上がりの失敗をしてしまったのでした。

通常であれば、参加者の皆様が「おっ」と思うようなクイズや投げかけを含めて、良い意味で「予定調和を打ち破る」ということを行っていました。

ただ、そのときは新しいチャレンジを組み込んだことに加えて、予想外のシステム上対応する必要があることがいくつか起こり、最初20分の立ち上がりが「非常に事務的な時間」になってしまったのでした。

いうならば、なんだかモッサリと始まってしまった、という印象です。

研修コンテンツは基本的には同じ内容だったのにもかかわらず、結果として他の同じ研修と比べて、体感値として、参加者の前のめり感が少ない状態が続き、やや重たい雰囲気で研修が進んでいった、となった用に感じられたのでした

こういう雰囲気は、参加者とともに作り上げるものです。参加者が喋る人が多いとき、内省型の人が多いとき、それぞれ作り出される空気は違います。いっぱい喋って盛り上がったからいい、という単純なものでもありません。

研修の目的に関して達成できているか、参加者にとって仕事に関連があり、有用性を感じられ、自己効力感を感じられているか(関連度・有用度・自己効力感)など研修転移に影響を与える設問にどれくらいポジティブな回答が集まるかなども重要です。ただし、そこに影響を与える上でも、研修中の「前向きな学びの雰囲気」はそれはそれで一つの要因でもあるとも言えそうです。

そうした雰囲気づくりを含めて、講師という役割として、その時に参加者の皆さんの学びにとって最適だと思うことを行いますが、最初に転んでしまうと「何だか講師が気合で頑張っている」という感じが漂ってしまうようになり、「受講者との相乗効果で学びの場が作り上げられていく」とは離れた様子になってしまうのでした。(そしてこれは結構疲れるのです)

振り返って思うこと

改めて、研修プログラムが同じでも、こうも違った雰囲気になるのか・・・と久しぶりに体感値として大きくズレる時間でもあり、反省もする時間でした。

そして、いくつかのマイナーチェンジはあるものの、その大きな違いは「オープニングの成否」であったように感じられました。

厳密には、参加者の皆様の感想、変更した点などを含めて、定量・定性でしっかり分析をする必要がありますが、改めて「オープニング20分にどれだけ力を込めて参加者を巻き込めるか」そして、「参加者と共に場作りのルールを作るか」は極めて重要なポイントになるのだな、と感じた次第でございます。

はじまりは、大事ですね。
続く研修も気合を入れて頑張りたいと思います。



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