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万年筆が趣味になった話ー④万年筆の魅力の一つは、用途に応じて使い分けができることだと思う

結局、パイロットとプラチナの万年筆も購入

セーラーの万年筆を買ってからしばらくして、(はじめから分かっていた事だが)「万年筆バイブル」(③参照)で紹介されていたパイロットとプラチナの万年筆がどのようなものか気になり始めた。
で、数日後には手元に収めていた。

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パイロット製万年筆。左3本がCUSTOM74、右端がCUSTOM HERITAGE91


パイロットからは、まずはじめにCUSTOM74を2本、オーソドックスな青と、色合いが気に入ったターコイズを購入した。
ターコイズはペンの内側まで見えるスケルトン仕様でとても美しく、しばらくは観賞用としていたくらいだ。

文字を書いてみると、インクや紙の上をすべるような感覚がする。
これは確かにセーラーのようにペンで紙をひっかくような感触とはだいぶ違う。素早く文字を書くというよりも、書道や硬筆のように落ち着いて丁寧に文字を書くほうがあっていると思った。
そこで、少し高めのノートを買ってきて空いた時間に文章の書写をしてみたりもした。

世の中には「写経」という行いがあるが、確かに一文字一文字意識しながら文字を書く時間は頭にある雑念を吹き飛ばしてくれるいい時間だと思う。


プラチナからは#3776センチュリーというエントリーモデルを購入した。緑、青、赤の3本で、こちらもボディはスケルトンタイプ。本当に使うのがもったいないくらいだ。

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左端3本が#3776センチュリー、右端が少しリーズナブルなプロシオン

#3776のほうはどちらかというと書き味は硬めで、セーラーよりもさらに強い。ただその分、素早く文字を書く際にはキビキビと動いて、とても楽しい。
こちらは個人的には写経というよりは、普段のメモ取りに楽しさを与えているような印象だった。


日本の代表的な3社の万年筆を購入して・・・

「万年筆バイブル」には3社のそれぞれのモデルの紹介があり、自分の好みを見つけてみましょう→それを起点に、さらに気に入る万年筆を探してみましょう、というような記述があった。
だが、こうしてセーラー・パイロット・プラチナと日本の代表的な3社の万年筆をそろえてみたが、
好みが絞り込まれるどころか、ますます色々なモデルを試してみたいと思う気持ちが膨らむばかりだ。

もちろん、買った万年筆たちには個人的に微妙だと思う部分はある。
セーラーやパイロットはプラチナに比べて少しちゃっちいし、プラチナは若干重いしでかいのであまり持ち歩こうとは思わない。
しかしこれらは欠点と呼べるほどではないと思う。各社が考える用途に最適化された、形状であり重みなのだ。(実際に各社がどのような思想で作っているかはあまり存じ上げないが・・・)

例えば僕は車も好きだが、街中を走るのに最適化された車、高速を走ると楽しい車、山道を走るための車・・・それぞれ持ち味があると思う。万年筆もそれに似ていると思う。車が好きな人の中には普段使いと休日用やレース用などにそれぞれ車を所有する人がいるが、ちょうど今の自分は万年筆で同じことをしている感覚だ。
それに一般的なものであれば車ほどお金もかからないし、駐車スペースだってとらない。
用途に応じて使い分ける、という贅沢を、低いハードルで達成できることも万年筆の魅力かな、とふと思った。

⑤に続く…

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机の上のミニカー(BMWから何かの景品でもらった)と万年筆

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