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今更聞けないマーベル映画【キャプテン・アメリカ/ザ・ファーストアベンジャー】ネタバレなし解説

全ての始まりの物語。キャプテン・アメリカ誕生秘話。
マーベル作品を語るにあたって、このキャプテン・アメリカという存在、そしてその誕生を描いたこの映画は外すことができないでしょう。
それくらい今後の作品において重要なキャラクターのデビュー作です。
見るからに「ザ・アメリカ!」というデザインのヒーローですよね。
第二次世界大戦で戦うために生まれたアメリカの超人兵士という設定ですが、原作コミックは戦争真っ只中の1941年に第1話が発売。当時のアメリカの敵国の兵士をキャプテンが倒すというエピソードもあったりして現実の戦争との関わりもあるキャラクターでもあります。

力強さと優しさと悲哀に満ちた最高のポスター。

作品情報

  • 公開:2011年

  • 順番:5番目

  • 時系列:1番目(最初の最初)

  • フェーズ:1

  • 上映時間:124分

  • 登場ヒーロー:キャプテン・アメリカ

  • 監督:ジョー・ジョンストン

  • 見た方がいいレベル:★★★★★

  • 次回作:アベンジャーズ

*順番は映画の公開順、時系列はMCU内の時間経過に沿った順番。いずれも長編映画を対象としておりドラマ作品はカウントしていません。
見た方がいいレベルは後作品への影響を元に主観で5点満点で付けてます。

あらすじ

時代は第二次世界大戦の真っ最中。アメリカ人の青年スティーブ・ロジャースは軍隊に志願するも、熱い正義感とは裏腹に小さな体と生まれつき病弱な体質で全く取り合ってもらえず無力感を感じていた。
ある日偶然スティーブと出会った科学者、アースキン博士は彼の精神面での実直さや愛国心を見出し、ナチスを倒すための強化人間を作る「スーパーソルジャー計画」の被験者として軍の組織SSRに推薦する。実験は成功。超人的な身体能力を持つ最強の軍人、キャプテン・アメリカが誕生した。
時を同じくして、ナチスの将校で未完成の超人血清によってグロい赤い頭の超人になったヨハン・シュミットはノルウェーを襲撃していた。目的は全能の神オーディンが残した人知を超えた力を持つ四次元キューブで、入手後はナチスから独立。キューブの力を使っためちゃ強兵器を用いた秘密結社ヒドラとして世界征服を企む。
この情報を手に入れたアメリカ軍はキャプテン・アメリカ率いる精鋭部隊によってこの計画を阻止する作戦を開始する。
歴史的な戦争の裏で繰り広げられた超人同士の戦い。それは終戦から70年経った現在まで続く長い因果の始まりだった。

重要キャラとキーワード

スティーブ・ロジャース【人物・主人公】
小柄で病弱な青年だが勇気と正義感は人一倍。
兵役に立候補するも体が弱くて毎回不採用。
キャプテン・アメリカとなってからは前線での戦闘だけではなく、ステージイベントなどで国民の戦争への士気を上げることにも尽力。

マーガレット【人物・ヒロイン】
SSRの士官でスティーブのことがちょっと好き。
「エージェント・カーター」というタイトルのスピンオフドラマも制作されており、現代でも存命。

バッキー・バーンズ【人物】
スティーブの親友でアメリカ軍人で超いいやつ。
キャプテン・アメリカ誕生後は良きパートナーとして活躍。
とにかく名前と顔だけでも「ウインター・ソルジャー」まで覚えておきましょう。

レッド・スカル【人物・敵】
本名はヨハン・シュミット。ヒドラの創設者で元ヒトラーの側近。
開発途中の不完全な超人血清を無理やり使ったせいで頭部の皮膚が剥がれて赤いガイコツのような顔になってしまった。
ソーの父親、オーディンが地球に残した4次元キューブを強奪。

ドクター・ゾラ【人物】
ヒドラの科学者で副司令の小さいおじさん。
四次元キューブの研究とその力を転用した兵器開発を行なってた。
ヒドラ壊滅後は捕虜としてSSRに捕らえられるが、裏で密かに暗躍を続ける。詳しくは「ウィンター・ソルジャー」で。

ジム・モリタ【人物】
通信兵の日系アメリカ人。
物語に直接は関わりませんが、彼の子孫はスパイダーマンでピーター・パーカーの通う高校の校長先生として登場。

エイブラハム・アースキン【人物】
超人血清を開発し、その作り方を知っているただ一人の科学者。彼の死後は生成法が一切不明となっており、無理矢理複製された不完全な血清によって後にハルクが誕生することになる。

超人血清【技術】
めっちゃ強くなってめっちゃ長生きになる青い液体。
人体に投与後、ヴァイタ・レイという特殊な光線を浴びせることで効果を発揮する。
効果は肉体的なものだけでなく、投与された人物の「全て」を増幅させるため悪人は極悪人に、良い人はさらに道徳的に優れた人物になるという。

ヴィブラニウム【技術】
ハワード・スタークが発見した世界で1番硬い元素。
キャプテンの盾の素材であり、さらに「アイアンマン2」でトニースタークがパラジウムの解毒に成功した時に使った元素も実はこれ。
「ブラックパンサー」でもキーアイテムとなるので覚えておきましょう。

四次元キューブ【技術】
すごい力が宿ってる光る箱。
別名はテッセラクトで次回作「アベンジャーズ」の事件の発端にもなる。

ヒドラ【組織】
レッドスカルが率いる秘密結社。元々はナチスの一部だったが四次元キューブ手に入れたことによって独立。単独で世界征服を企む。
これから先も出てくる組織です。

SSR【組織】
ヒドラとの戦闘を主目的とするアメリカの組織でスーパーソルジャー計画を推し進めている。キャプテンがリーダーを務める精鋭部隊「ハウリング・コマンドーズ」もこの組織の一部。
S.H.I.E.L.D.の前身となる。

覚えておくべき伏線

ヒドラとレッドスカルは後の作品で重要ポジションの悪役として登場します。
彼らが兵器として使おうとした四次元キューブことテッセラクトはこの映画での一件以降、現代に至るまでS.H.I.E.L.D.が保管することになり、アベンジャーズの冒頭へと繋がります。
ドクター・ゾラとバッキーも次回作以降に登場するので覚えておいてください。

個人的おすすめポイント

見ていてとても興味深かったのがキャプテン・アメリカ誕生直後のアクションシーン。今までガリガリだったスティーブが急に超人的な力を手に入れたせいで自分の体をコントロールすることができず、曲がり角で曲がりきれずにショーケースに突っ込んでしまったり、スピーディーなシーンなのにかなり描写が細かいです。
あとはBGMですね!ヒロイックなメロディはMCU作品の中でも屈指の出来で、中でもTriumphant Returnは名曲です。
そしてあまり書くとネタバレになってしまいますが、ラスト5分間は映画「トゥルーマン・ショー」にも似た衝撃的なシーンです。初めて見た時は鳥肌が立ちました。必見です。

どこで見れるの?

ディズニープラスで独占配信中
ヒロインであるマーガレットの視点で描かれる「エージェント・カーター」も配信されているので、作品が気に入った方はそちらもおすすめ。

まとめ

というわけでキャプテン・アメリカ三部作の1本目、ファースト・アベンジャーの解説でした。
言ってしまえば戦争のための道具として誕生した彼、その役割は当初の目的であった第2次世界大戦の中だけでは収まりません。
キャプテンは本作と次回作のアベンジャーズを経て正義の象徴とも言える存在になっていきます。その影響はとても大きく、良くも悪くもヒーローたちの中心になっていくにつれて物語上の重要度はどんどん上がって、キャプテン本人にかかる重責もとてつもないものになっていきます。
常に様々なキャラクターの視点から描かれるMCU作品ですが、リーダーとして常に物事を俯瞰する視点を持っている彼は、今後スーパーSF大戦に発展していく作品群の中で最も我々視聴者の目線に近い人物です。それもあってか超人でもなんでもないですが、彼に感情移入せずにはいられない自分もいます。
そのキャプテン・アメリカの誕生を描いた今作は、エンドゲームを終点とするフェーズ3までのMCU作品を語る上で最も重要な1ページと言っていいでしょう。

関連作品

続編:アベンジャーズ
キャプテン・アメリカ三部作:ウィンター・ソルジャー/シヴィル・ウォー

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