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グループワークでプレゼンを作るときに気を付けてうまくいったこと

 先日、全国的なプレゼンのコンテストに出場しました。そこで資料がきれいに作れていると言ってくださる方が多かったので、グループワークでPowerPointのプレゼンファイルをどうやって作ったか、気を付けたところとうまくいったところをご紹介します。学生の方や、社会人MBAの方など、グループワークでプレゼンを作らなきゃいけない場面がある方のお役に立てればと思います。

どんな大会だったか

  私たちが参加したのはJBCC(Japan Business Case Competition)という大会で、全国のMBAの学生が同じお題(ビジネスケース)に対してプレゼンをするというものです。1次審査は書類、2次審査はPowerPointでのスライドを用いたプレゼンテーションです。
 1次審査は書類の提出のみで、Wordファイルに主に文章で提案を記述するのですが、図表も提示することが可能となっています。
 タイムスケジュールは、一次審査がお題発表から提出まで3週間、1次審査の結果発表から2次審査の資料提出までが約2週間と少し。プレゼン本番までは資料提出から約5日間です。(2019年大会の実績)
1次審査では資料作成が3週間ありますが2次審査は資料作成に2週間ちょっとしかありません。しかも、本番のプレゼンは5日ほど前に提出した資料をそのまま使う必要があり、資料作りには慎重さも求められました。
 この大会に私たちは同じMBAのスクールに通う5人で挑みました。

プレゼン作成の分担は個性のぶつかり合い

 私たちのチームは、それぞれ得意分野が異なる5人が集まっていました。そのため、私たちがとったのは、一般的なグループワークでもよくやるように、各自の得意分野に担当を割り当て、それぞれが準備を進めるというやり方でした。
 そうすると、パワポのとりまとめに苦労するという問題が起こります。それぞれが思い思いに作ったファイルは書き方がもぞれぞれ。1枚のスライドに詰め込む量、文字の大きさ、フォント、色使い、レイアウト・・・。個性のぶつかり合いがそこで起こります。せっかくとりまとめても、ちょっと変更・・・ということが締め切り直前だと大惨事を招きかねない。パワポが全てではないけれど、全てではないだけに、それに時間をとられたりモメたりするのは本当にムダなものです。

ポイントはテーマファイルと共通言語

 前置きが長くなりましたが、私たちが何をしたか。
 それは、テーマファイルを作る、そして、共通の文化を作る、この2点でした。

 テーマファイルについては、PowerPointのテーマファイルを最初に作ってしまい、それを最後まで使いました。そんなことかと思うかもしれませんが、簡単にいうと本当にそれだけです。
 私たちの場合は、本来ならスライドを用いたプレゼンテーションは2次審査まで不要なのですが、1次審査の書類に挿入する図表を作る必要があるので、その段階である程度フォーマットを作り、それをテーマファイルとして保存しました。2次審査に進めると決まっていたわけでもないのに、あとで無駄な時間を使わないように用意したのでした。
 この段階でテーマファイルに含めたのは、タイトルと本文の各エリアのレイアウト、ページ番号の挿入位置、ロゴ、テーマの色でした。ロゴは、お題が架空の起業の社長としてプレゼンだったので、その架空の企業のロゴを作ってしまいました。ちなみに、決勝進出したチームはほとんどロゴを作っていました。ロゴはあると締まりますね。
 ある程度の要素を決めて、テーマ形式(.thmx)で保存すると、あとはメンバーに使ってもらう必要があります。実際にPowerPointを使うメンバーは全員ではなかったのですが、ファイルを共有フォルダに置いて、メンバーに周知しました。

 共通の文化については、2次審査のための準備をしている間にグループ内で追い風となるエピソードがありました。プレゼン作りの難しさについてメンバーで雑談していたのですが、その時にプレゼンについてのネット記事を見つけたのです。その記事をきっかけに、メンバー間で1冊の本が流行りました。それは前田鎌利さんの「社内プレゼンの資料作成術」(ダイヤモンド社)です。あのソフトバンクの孫正義社長が一発OKを連発したというプレゼン術というふれこみが、「社長としてボードメンバーにプレゼンする」というシチュエーションにも似ていて、メンバーの何人かが購入しました。私も時間がないと言いつつ、一気に読みました。この本では、プレゼンにおける効果的な話の持っていき方やまとめ方、見栄えのメリハリのつけかたが紹介されています。この本が流行したおかげで、スライドづくりに対する共通言語ができ、協力体制が整いました。

ちょっとの手間でやっぱり楽だった

 実際にやってみてどうだったかというと、後から行う資料のマージにかかる時間がかなり短縮されました。さらにちょっとした更新も楽でした。いちばん楽だと感じたポイントは、メンバーがそれぞれパワポやExcelで資料をあげてきても、パワポで作られている資料はレイアウトを変える必要がないことでした。グラフに関しても色使いにルールが出来ていたので、色使いで悩むことがないし、機械的に設定を適用していけばOKなのでした。フォントの調整は手でやりましたが、これも設定しとけばよかったよかったのかな~と後から思いました。
 結果、資料提出はギリギリまでかかったものの、ほぼ同時のギリギリまで議論を進めることができ、資料の直し待ちやマージ待ちで時間や手がとられるようなことも少なかったように思います。

 これから、グループワークでPowerPoint作る必要がある方、テーマファイルを作ってしまうことと、共通言語を作ってしまうことをおすすめします。


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