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いい点をとって、ご褒美をもらうのはいいことか

 2021年01月26日から
 小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて158回目になりました。
 また、2021年03月15日から
毎週連続投稿を始めて155回目です。

 年度末試験が終わり、
最終年度生徒の行先も決まってきた昨今、
「親との約束で、前の成績より上がったから、TDLに行くんだ!」
とか「USJに連れて行ったもらうんだ!」
と言う話をよく聞きます。
生徒にとっては、成功報酬のようなもので、
とても嬉しそうにしている笑顔は、いいもんです。

 でも、これって、学習の動機付けの面から考えてみると、
良い結果を生むのか考えてみましょう。

 「ご褒美」は、成果に対する報酬です。
と言うことは、もし成果が上がらなかったら報酬は得られません。
一つ疑問が出てきます。
 「ご褒美」をもらえなかった時に、生徒はどうなるでしょうか?
 誰のせいだもなくて、自分の責任だと言ってしまえば、
それで終わるのですが、
生徒は、ギリギリまで頑張ってみているのです。

 しかし不首尾な成果しか得られなかったのは、
体調が悪かったとか、たまたま学習範囲を超えていたとか、
色々な理由が挙げられます。

 ここで問題にしたいのは、
生徒に罰を与えても良い効果は得られないということです。
 小中学生にとって「学習」は、遊びたい心を押さえ、
無理矢理つかされている苦行のようなものです。
 その上に、「ご褒美」を取り上げられたら、泣くに泣けません。

「学習」には、強制的な面がありますが、
それは、「動機付け」によって変わってきます。
 「知る」ことで「今まで見えなかった物事が見えてくる」
「理解が増えるたびに、学習がもっと面白くなる」
などどいった、前向きで肯定的な話をしてあげてください。
 「どうせやっても無駄だ」というような、
学習性無力感を作らないよう、
「私って、やればできるんだ」
「私って、すごいんだ」
「学習って、いっぱい知識が増える」
「私は、私のままでいいんだ」
というような肯定的な励ましを、忘れずにいてください。

 テストで間違えたとえいうことは、悪いことではありません。
それは、「わからないことが、炙り出された」ということです。
合格している部分は「学び」が理解されているということですが、
それ以外は、「理解されていない」ので、
この部分をしっかり「学習」しなおせば、
「学び」の範囲が広がるということです。
言ってみれば、「学習」の伸び代が明確になったということです。
 生徒は、打たれ弱いです。
だって、自分が知らなかったことを、
いきなり提示されて、さあて覚えろ!
なんてて言われたって、手がかりがなければ無理だし、
それも無くて、しかも不合格だと「ご褒美」もない。
 こんな仕打ちは、たまらないです。

保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ 

学習に対する「動機付け」は生徒の様子によって異なります。
なので「動機付けの手法」が提示できないもどかしさがあります。
そのため生徒に寄り添える皆さんが必要なのです。

 一番生徒に近い存在で、関係性が成立している皆さんは、
生徒の嗜好や、どんなことに興味を持ちやすいかとか、
具体的な手段を見つけやすい立場にいます。

良い相談相手として、また善き話し相手として
身近にいてくださることを願っております。


19.MAR.2024.ARAI