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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 16: Derek King「Inspired By True Events」

新譜アルバム紹介Vol. 16です。

今回紹介するのは、ベイのシンガーのDerek Kingがリリースした「Inspired By True Events」です。

Derek Kingはベイを拠点に活動するシンガーです。

2010年代前半に登場。2014年にはミックステープ「Fake I.D.」を発表し、300 Entertainmentとの契約を経て数曲のシングルをリリースします。しかし2017年頃には300 Entertainmentを離れ、2018年には独立してEP「1995」をリリース。以降は2019年の「More Vibes」や2020年の「25」、2021年の「No Skips」など多くの作品を精力的に発表しています。

ラップっぽい歯切れの良さもある歌を聴かせる、スウィートなナヨ声を持つR&Bシンガーです。サウンドはラチェットやトラップなどの影響を受けたメロウなものが中心で、現行ベイ産ヒップホップマナーのR&Bといった趣の音楽性です。

今作はほぼ全曲を落ち着いたメロウな路線で固めつつ、ヒップホップ色もしっかりと残ったクールな作品です。R&Bファンの方もヒップホップ好きの方も是非。


2. Scars

「Boyz-N-The-Hood」ドラムも聴ける曲。

メロウなエレピが効いた哀愁漂うビートで、ラップのようなニュアンスもある歌を聴かせる好曲です。ドラムはバウンシーですが沁みます。


3. Cautious

現行ベイらしい三連発リズムや高速スネアロールを使った曲。

しかしEBK周辺などの奇天烈サウンドとは異なり、R&Bとしてのスウィートな魅力を引き出した仕上がりです。Derek Kingの歌声もばっちり。


4. HOW I FEEL

早回しサンプリングを使った哀愁曲。

美しいハープの音も印象的で、少し2000年代のStargateのような味のあるビートです。抑え気味のドラムも絶妙。


5. All Love

イントロの例の高音シンセから悶絶必至。

穏やかなエレピに控えめなドラムを合わせたメロウな曲です。Derek Kingのラップっぽいアプローチも噛み合っています。


6. Racks (feat. Capolow)

かなりヒップホップ寄りの曲。

Iamsu!がやりそうなバウンシーなビートで、ラップ寄りのスタイルで歌い上げる良曲です。Capolowはメロディアスなラップを披露。


9. Soul Ties

太めなドラムを使ったヒップホップソウル路線。

美しいピアノやふうわりとしたシンセを用いたクールなビートに乗せ、悩ましく歌う佳曲です。ドラムだけなら今作では少し異色なビートですが、自然と馴染んでいます。


12. Mental Illness

今作のベストトラック。

切ないギターループに、ラチェット以降のドラムが加わった哀愁メロウ曲です。Derek Kingのスウィートな歌声が沁みます。


13. Superman (feat. Almighty Jay)

エモーショナルなヒップホップ寄りの曲。

ダーティな808や寂しげなピアノが効いたビートで、Almighty Jayのメロディアスなラップと絡む好曲です。小気味良いギターやチップマンク・ソウルの歌声も美味。

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