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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 87: NandoSTL「Year of the Ape」

新譜アルバム紹介Vol. 87です。

今回紹介するのは、セントルイスのラッパーのNandoSTLがリリースした「Year of the Ape」です。

NandoSTLはセントルイス出身のラッパーです。

2010年代後半に登場。2018年には初作品となるEP「Good Vibes」、2020年には2作目のEP「Bamboo」をリリースします。2022年にはT-PainのレーベルのNappy Boy Entertainmentと契約。今年リリースされたT-Painのアルバム「On Top of the Covers」にも参加していました。

Chance the Rapperあたりに通じる、パワフルに歌うようなフロウを聴かせるラッパーです。サウンド的には現行トラップの要素を取り入れつつも、ギターやピアノなどの音を使った暖かいビートを好んで使います。ゴスペルっぽい香りも特徴です。

今作はアルバムとしては初の作品です。哀愁系やポジティヴな空気が漂う路線などで、そのソウルフルなメロディックラップが堪能できる快作に仕上がっています。


1. Testimony

ゴスペルっぽい美しいコーラスからスタート。

泣きのピアノやギターを使ったトラップビートはYoungBoy Never Broke Againなどの流れでも聴けるものですが、乗り方は明らかに異なり強烈なインパクトを残します。いきなりハイライト。


3. Loud

フューチャーベースっぽいモコモコとしたシンセが目立つ曲。

コーラスと掛け合うようなフックで、やはりここでもゴスペルのバックグラウンドが感じられます。アウトロの女声コーラスも絶妙。


4. On Errthang (feat. Nelly)

同郷のレジェンド、Nellyを迎えた曲。

爽やかなギターに手数の多い808を合わせたビートは、いかにもNellyに合いそうなものです。歌心のある二人の相性もばっちり。


7. 10:55 (feat. Bleu)

アラバマのラッパーのBLEUではなく、女声シンガーのBleuをフィーチャー。

繊細なドラムや美しいピアノを用いた、穏やかでソウルフルな曲です。二人の優しい歌声が沁みます。


10. Tinted Windows

ゴスペルの香り漂うポジティヴなムードの曲。

コーラスを加工したと思しきウワモノに生っぽい質感のベース、手数の多いドラムを合わせたソウルフルな曲です。パワフルなラップが圧巻。


11. Y.O.T.A. (feat. T-Pain & Young Cash)

Chance the Rapperが出てきそうな陽気な曲。

美しいストリングスやピアノを使ったビートで、ソウルフルに歌う客演二人と絡む佳曲です。T-Painの詰め込み気味のヴァースが特に強力。

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