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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 10: EBK Bckdoe「Trife God 2」

新譜アルバム紹介Vol. 10です。

今回紹介するのは、ベイのラッパーのEBK Bckdoeがリリースした「Trife God 2」です。

EBK Bckdoeはベイ出身のラッパーです。

2020年前後に登場。2021年には「21st」、「Unsporken Words」、「Alter Ego」と3枚の作品をリリースします。2022年には「Everybody Hate Doe」と「Trife Gods」の2枚を発表。そのほかLil BloodやMitchellといったベイ勢の作品への参加など、精力的に活動しています。

ダミ声でLil BとKeak Da Sneakを足したようなオフビート気味のフロウを聴かせる、いかにもベイっぽい癖の強いスタイルのラッパーです。サウンドは現行ベイ印のバウンシーで歪んだものが中心。そこにラテン風味などをプラスして少し捻ったようなビートも好んで使います。

今作はサンプリングと思しきオーガニックな質感の音を多用しつつ、現行ベイ流儀の歪んだ奇怪なものに仕上げた良作に仕上がっています。怪ビートと怪ラップの組み合わせなので、ユニークな音楽を探している方も是非。


1. This Christmas

ソウルフルなネタ使いからスタート。

しかしイントロが明けるとすぐにブリブリのベースが入ってきて、もはや打楽器的ではないスネアロールなどを合わせた強烈なビートになります。アウトロでは再びネタが登場。


2. Bam Bam

この曲もソウルフルなネタを使用。

「This Christmas」と違ってネタが全編で目立つ作りですが、キックなどがやたら大きくミックスされており奇妙なバランスになっています。EBK Bckdoeの声芸もインパクト大。


7. Beyonce

タイトルが全てみたいなネタ使いの曲。

割とまんま使いのギターループですが、凶悪な低音をボコボコと鳴らして見事にベイ流儀に引き寄せています。大ネタにEBK Bckdoeのスタイルの癖が完全勝利。


8. Sanford & Son

サックスやギターに妙にハッピーな雰囲気が漂う曲。

ウワモノだけならゆるいノリになりそうなものですが、歪んだ重いキックが強すぎてやはり奇怪です。低速化された歌声も絶妙。


9. New Bckdoe

哀愁メロウ路線。

繊細な歌声やギターを使いつつ、歪んだ低音で現行ベイマナーに仕上げた良曲です。哀愁系でも変わらない良さ。


11. Adin Jones

歌声を全編でループした哀愁曲。

寂しげなギター(?)や弾力のある低音も印象的なビートで、エモーショナルにラップする佳曲です。ごちゃごちゃしているのに不思議とすっきりしています。

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