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おすすめ旧譜アルバムVol. 84: Playa G「Pimp Shit」

旧譜紹介Vol. 84です。

今回紹介するのは、ナッシュビルのラッパー兼プロデューサー、キーボーディストのPlaya Gによる1996年のアルバム「Pimp Shit」です。

Playa Gはナッシュビル出身のラッパー兼プロデューサー、キーボーディストです。

1990年代半ば頃に登場。1996年には初のアルバムである本作をリリースします。1998年には2ndアルバム「U Not My Lady」をリリース。その後も1999年のTookとのタッグ作「Diamondz & Woodgrain」や、2003年のソロ作「Definition of A Pimp」などを発表しています。2000年代後半頃から目立った活動は減るものの、2010年代半ば頃にはDaru JonesやMarchus Machadoらと共にバンドのThe Royal Pharaohsを結成。2016年にDaru JonesとMarchus Machadoが発表したビートテープ「#PregameVL1」にも参加します。また、この頃からソロ活動も再開。2017年にはアルバム「Reign」をリリースしています。

ラッパーとしては、少し高めの声質でメンフィス的なイナタいフロウを聴かせるタイプです。スムースな歌も得意としています。プロデューサーとしてはソウルフルで妖しくメロウな作風に強いですが、メンフィスっぽい不穏なものやレゲエやトラップに接近するようなものも聴かせます。キーボーディスとしてもGセンスが溢れており、オヤGの方にはたまらない音楽性のアーティストです。

本作は南部Gの一つの到達点とも呼べそうな、妖しくイナタくやるせないメロウが詰まった傑作です。G好きの方は必聴。


1. Murderer

メンフィスものっぽいダークな曲。

手数の多い808やイナタいラップも印象的ですが、こういった曲でもソウルフルなキーボード捌きに完全ノックアウトされます。笑い声サンプリングもばっちり。


2. Fake Ass Bustas (feat. Mr. KJ)

フックでは歌も聴かせるメロウ曲。

詰め込み気味のフロウでラッパーとしての実力もしっかりと見せていますが、やはりキーボーディストとしてのGセンスが素晴らしいです。Mr. KJもイナタいラップで好演。


3. Fuck The Trunk (feat. Lil' Milt)

Kingpin Skinny Pimpの声ネタをフックで使用。

生のストリングスも取り入れた、やるせない哀愁メロウ路線です。オヤGの方はソファに泣き崩れるはず。


5. Pimpin' Ain't Easy

生のギターも導入した曲。

こちらも歌フックを聴かせるメロウな曲です。比較的自由に動くギターとPlaya Gのキーボードとの絡みも極上。


8. Same Ol' Game (feat. Lil' Cherokee & Mr. Lynch)

本作のハイライトの一つ。

大ネタ使いのメロウでソウルフルなサウンドで、イナタいマイクリレーや歌フックが楽しめる佳曲です。しかし一番凄いのはPlaya Gによるピアノ。アウトロではソロもあります。


9. Something To Ride To

レイドバックしたメロウ路線。

ドラムも生っぽい質感で、ネオソウル好きの方も楽しめそうな曲です。Gセンス抜群なキーボードに悶絶必至。


10. Late Nite (feat. Kool Daddy Fresh)

西海岸ヒップホップ的な落ち着いたメロウ。

歌成分は控えていますが、Playa Gの弾くキーボードが最高のメロディを注入しています。二人のイナタいラップもばっちり。


11. Livin In Memphis

クール&スムースなメロウ曲。

手数の多い808や詰め込み気味のラップにメンフィス要素が感じられますが、ソウルフルな歌フックやキーボード捌きは完全にPlaya Gのナッシュビルマナーです。全編でやるせないシンセが聴けます。

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