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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 114: Oneohtrix Point Never「Again」

新譜アルバム紹介Vol. 114です。

今回紹介するのは、マサチューセッツの電子音楽家のOneohtrix Point Neverがリリースした「Again」です。

Oneohtrix Point Neverはマサチューセッツ出身の電子音楽家、Daniel Lopatinによるプロジェクトです。

これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらこちらを。今作は生のストリングスや人の声など生々しい音を積極的に使い、無機質ではなく感情的で毒気のある不思議な感触の作品に仕上がっています。ヒップホップ的なループ感も随所で楽しめるので、ヒップホップ好きの方も是非。


3. World Outside

洪水のようなシンセが印象的な曲。

ドラムの音が異様に大きく、1990年代ブーンバップのそれをエレクトロニックに表現したような匂いもします。途中で入る加工された歌声も強烈なインパクト。


4. Krumville

ベッドルームポップ的な歌モノをOPN流に作ったような曲。

序盤はシンプルなギターのフレーズをひたすらループするもので、かなりヒップホップ的に聴くことができます。がっつり加工しつつも素朴な歌もばっちり。


5. Plastic Antique

ミニマルなシンセを用いた隙間のある曲。

長い間シンセのみで進み、その後「World Outside」と同じく大きいドラムが入ってきます。後半のアンビエント的な展開も見事。


8. The Body Trail

喋りのサンプリングが目立つ曲。

シンセなども入れており全体的にはアンビエント文脈っぽく聴けますが、サンプルの刻み方にヒップホップ的な要素を感じることもできます。今作のハイライトの一つ。


9. Nightmare Paint

今作のベストトラック。

不穏なストリングス(?)のループで引っ張っていく作りは、明らかに違うことをやってはいるもののヒップホップ的な旨味があります。ロック文脈っぽい悲しげなギターも沁みます。

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