おすすめ旧譜アルバムVol. 87: Young Iceberg「P.O.W.E.R」
旧譜紹介Vol. 87です。
今回紹介するのは、ミシシッピのラッパーのYoung Icebergによる2001年のアルバム「P.O.W.E.R」です。
Young Icebergはミシシッピ出身のラッパーです。
1990年代後半に登場。ラップグループのCoast Boyzのメンバーとして活動し、1998年にはグループでのアルバム「Compilation Album: Smoke & Ride」をリリースします。1999年のグループでの二作目「Volume II: Still Rid'n」の発表を経て、2001年には本作でソロデビュー。その後はIceberg Supremeに改名して客演曲を数曲残しており、現在も活動しています。
ぬめりのある声質でイナタいフロウを聴かせる、The Hot Boysの癖を抑えたようなスタイルのラッパーです。近年はオートチューンを使った歌心のあるフロウも身に付けています。サウンド的にはジメジメとしたバンギンや哀愁系など。南部Gマナーです。
本作はハードな路線からメロウ、バウンシーなものなど適度に幅を揃えた2001年の南部ヒップホップらしい味の作品です。この時期のこの辺りの音楽が好きな方は是非。
3. Bakuvdaklub (feat. Da Block Boys)
ミニマルなシンセを妖しく鳴らした曲。
スクラッチ音やパシャパシャとした808も印象的なビートで、イナタいラップを聴かせるダークな曲です。フックで入ってくるチープなストリングスも美味。
5. Grind'n Again
ちょっとC-Loc周辺がやりそうな曲。
シンプルなループと軽めの808を合わせた南部G流儀の曲です。例の高音シンセも飛び出します。
8. Solemnly (The Oath)
不気味なピアノが光るハードな曲。
手数多めな808も含め、メンフィスものっぽくもあるビートです。シリアスに響く例の高音シンセに悶絶必至。
10. Come See Me! (feat. Jinx & Al-Dawg)
泣きの哀愁メロウ路線。
ノスタルジックなギターを使ったカントリーラップ系の曲です。フックでは男声シンガーがやるせなく歌い上げます。
13. Jackson County (feat. Jinx)
哀愁漂う切ない曲。
スペイシーなシンセや優しいエレピが沁みるビートで、Jinxと共に寂しげなラップを聴かせる良曲です。本作のハイライトの一つ。
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