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雑談 〜19年シーズンAAAの打高について〜

今回の記事は雑談です。
乱文ご容赦ください。


皆さんご存知のとおり、今季19年シーズンのAAAは、例年と比較して顕著な打高傾向にあります。
これはパシフィックコーストリーグ(PCL)、インターナショナルリーグ(IL)とリーグを問わず、傾向として確かに表れています。

原因は使用しているボールにあります。
従来、MLB傘下マイナーリーグでは、MLB使用球より反発力の小さい中国製のボールを使用していました。これが今季からは、MLBになるべく近い環境で選手のパフォーマンスを分析することを目的に、AAA級のみに限定しMLB使用球を適用することになりました。
これにより開幕からAAAの打高傾向が顕著に現れているというわけです。

NPBとしても新外国人候補獲得の際には、AAA級の選手に対し、正しい物差しで正当な評価を下す必要があり、能力を見誤ればシーズンに入って痛い目をみるというケースが想定されます。


「話には聞いているけど、実際にどれくらい打高になの?」

この疑問について、ざっくばらんに話していきます。


まずは今季がどれだけ打高なのか下記の表をご覧ください。

過去5シーズンのPCLとILそれぞれのリーグ打撃成績を一覧にしたものです。
19年シーズンの試合数については8月6日時点のものなので、当然ながらまだシーズン途中となります。

確認していくと、打率については
PCL:18年が.270、19年.277
IL:18年が.252、19年.267
と確かに例年と比較して高いのは事実ですが、そこまで極端に爆上げしているという印象は受けないのではないでしょうか。

ただです皆さん。
注目していただきたいのが
「HR数の異常な多さ」
この数字がラリっちゃってます🤪

PCLではまだ400試合近くを残している現状で、既に過去最高の2700本を超えるアーチが飛び出しており、ILにおいても初の2000本の大台を軽々突破しています。

当然ながらこれに応じてOPSも増大。
昨年度と比較して、
PCLでは↑0.072、ILでは↑0.085
だけ数値が上がっていることが確認できます。


このHR数がどれだけペースとして速いのか?
19年の打数を18年の打数で単純換算して整理しました。(四球率と三振率は現状の数字から計算)
それが以下の表です。

HR数は、PCLでは3000本を大きく超えるハイペース、ILでも2000本を大きく超えるハイペースを記録しており、まさに異常なシーズンといえるのではないでしょうか。
これだけ長打が出れば当然相手投手も要警戒。それに伴って四球数が増大するのも必至であり、四球数についても過去最高の数を記録するペースにあります。
三振率も両リーグともに過去最高の数値を記録していますが、これについては野球のトレンドの流れも少なからず影響していると言えそうです。


ここまでの話に基づき、実際に事例研究をしてみます。
モデルとなる選手は、ツイッターで複数回にわたって紹介している新外国人候補です。

【事例】ライアン•マクブルーム

今季と昨季の成績の比較、およびリーグ成績の結果から今季の成績を補正したものが以下の通りです。(参考程度に)

昨季を上回るペースでHRを放っているマクブルーム選手ですが、補正後は13HRと昨季とさして変わらない本数となりました。
とはいえ、三振率の大幅な低下・四球率の向上によるアプローチの良化、そこに裏付けられるアベレージの良化は、本人の能力向上として評価ができそうで、補正後のOPSも事実昨季より向上しています。
中長距離砲として十分に魅力ある新外国人候補と評価できるのではないでしょうか。
7月は長打が減りスケールダウンしたマクブルーム選手。8月からどこまで本塁打数を増やせるか要注目です。

※本来であればホーム・アウェイ別で補正値を算出して精密に算出した方が良いのですが、今回の趣旨からは少し逸れてしまうので、簡易的に済ませました。

今回はこんなところです。
・PCL、IL問わず本塁打数が爆増しているため、パワーツールの評価には慎重になる必要があること
この点だけ伝われば幸いです。


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