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展示タイムと伸び【第3回初心者向け競艇講座】


さて。
今回は展示タイムについて。
第1回目の記事では各種オリジナルタイムについて簡単に解説しました。 


この記事の中で「展示タイムだけが出ていても〜」みたいな表現をしていたので、今回の記事では補足がてら、展示タイムと伸びについて一旦おさらいしておきたいと思います。

展示タイムについて

【展示タイム】
2周目のバックストレッチのスタートライン延長線 
から第2ターンマークまでの150mを計測しており(福岡ボートレース場だけは計測地点が違う)、展示航走が終了するとすぐに公表されるタイム。

展示タイムについて、オフィシャルサイトでは上記のように説明されています。
このうち、福岡に関して ”計測地点が少し違う” というのは、2マークの奥行きが狭いことに関係しています。福岡の場合は展示タイムの計測地点が他場よりも手前なので、展示タイムには伸びだけではなく、行き足も含まれることになります。

この展示タイムは伸びを表す基準となっていますが、これは最高速度に到達した状態から測っているので、初速から行き足の部分は基本的には考慮されていないことになります。


たまに「展示タイムが出ていれば買い!」と書いているようなインチキな競艇サイトがあったりもしますが、それは「半分正解で半分間違い」なような気がします。

簡単に結論を先に述べると、「伸びも良い」のか、「ただ単に伸びるだけ」なのかは同じようで全然違う、ということです。

まず、出力が低減された現行モーターは出足中心の仕様で伸びがつきにくいとされていますが、上位機となると伸び型の傾向を表すことも多いため、展示タイムも良い数字が出やすいです。


そういった上位機については、単に伸び型というよりも、エンジン自体にパワーがあるので、結果として伸びも良くなる、という理屈に近いと思います。

つまり、良いエンジンは伸びだけではなく、出足行き足も強い、モーターの素のパワーとプロペラの形状がかみ合った結果として、展示タイムも出るようになります。

なので、本来は展示タイム(伸びの部分)が数値として出ているにこしたことはないので、その場合の「展示タイムが出ていれば買い!」は間違いではないと思います。

一方で、単に伸びている場合について。
あと伸びしてる場合や、一発仕様の調整で極端に伸びに寄せている場合がこれにあたります。

最高速度を計測する展示タイムは出ますが、出足行き足の手前の部分を殺してしまっているような調整となっている場合は注意が必要です。


例えば極端に伸びに寄せたペラ調整をすると、その分ペラが多く水を掴むことができるので、その結果伸びがついてくる、という理屈となりますが、その反面、ペラにかかる負荷も大きくなります。

無理やり伸びを出すために負荷のかかるペラ形状にすると、出足中心に初速の部分を犠牲にするため、ピット離れで遅れたり、スタートの起こしに失敗して出遅れるケースも多くなります。




基本的に、起こしの挙動や行き足の良さが良いスタートに繋がると考えられているので、この部分を犠牲にして伸びをつけている場合は、それ相応のリスクを背負っていることとなります。

上図はあくまでイメージですが、理想的なのは "行き足から伸びにかけて良い" 状態であるといえるでしょう。


もう一つ、チルトを跳ねれば当然伸びます。
これも苦肉の策で跳ねさせているだけのパターンも多いですが、チルトを跳ねればデメリットとして乗り心地が殺されたり、起こしがついてこないことでスタートが難しくなるということも多くなります。


例えば分かりやすいチルト3度なんかにすると過剰に反応されて売れがちですが、そういったリスク仕様をうまく乗りこなすのは至難の業だと考えて良いと思います。

そもそも、そんな付け焼き刃でレースに勝てるなら誰も苦労しません。

<補足>
チルトを上げれば操縦性に欠けると書きましたが、荒れた水面の場合は、チルトを少し上げることで逆に操縦性があがると言われています。
荒れた水面との接水面積を減らす目的があるからです。

展示タイムが出ていることは悪いことではありませんが、それだけを鵜呑みにすると「伸びも良い」のか「単に伸びるだけ」なのかの違いを見分けることができないため、目で見えるタイム数値には騙されないようにしっかり展示を見て判断していきましょう!


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