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ウマ娘:距離適性の区分の与太話

 これは、ウマ娘の距離適性がレースにどう影響するかとか、距離適性をどう伸ばすかとか、それを伸ばすことで育成の自由度がどう変わるか、とかの話ではないです。

 もっと単純に、ウマ娘で採用されている距離区分と、競馬で採用されている国際的な距離区分の違いの話をします。

距離適性について

 ウマ娘には(多くの競馬ゲーム、そして実際の競馬と同様に)距離適性という概念があり、走れる距離というものがあります。その距離を超えたところで走ろうとすると「スピードに乗れ」ないとされています。多分ステータスの【スピード】か、あるいは実速度に負の補正がかかるのでしょう。

 で、その距離適性の区分が、『ウマ娘』と実際の競馬(の国際基準)と違っている、というのがこの記事の主題です。

 『ウマ娘』の距離適性の区分は以下の通り。
・短距離:~1400m
・マイル:1401m~1800m
・中距離:1801m~2400m
・長距離:2401m~

 一方、競馬の国際基準であるSMILEでは以下の通り。
・短距離 :1000m~1300m
・マイル :1301m~1899m
・中間距離:1900m~2100m
・長距離 :2101m~2700m
・超長距離:2701m~

 キリのいい数字を上限にするのか下限にするのか統一しようよ、とか色々ありますが、それは一旦置いといて。この区分を採用すると、ゲーム的にはかなりバランスが悪くなることが分かるかと思います。

1400mの境界/スプリンターとマイルの境目

 1400mのレースが「短距離」か「マイル」かは、特にスプリンターにとっては死活問題です。G2以上で1400m・芝のレースは以下の通り。
・京王杯ジュニアS(ジュニア級・11月前半)
・フィリーズレビュー(クラシック級・3月前半)
・スワンS(クラシック/シニア級・10月後半)
・阪神C(クラシック/シニア級・12月後半)
・京王杯スプリングC(シニア級・5月前半)

 以上を全部マイル換算されたら、カレンちゃんは(元々獲得ファン数がかなりシビアなこともあり)かなり厳しいです。委員長は普通にマイル適性を1段階上げれば行けるんですが。この辺は勝てずともマイルに果敢に挑み続けた戦績の賜物という気もします。

2200mの境界/地味に大きな境目

 2200mのレース、それなりにあるのに『ウマ娘』だとあまり意識されない距離だと思います。多分、G1である宝塚記念とエリザベス女王杯が、どちらも出走を避けたいスケジュール(前者は夏合宿前に体力を温存したい、後者はJC/マイルCSに備えて連続出走を避けたい)だからでしょうか。
 で、この距離が「長距離」になると、宝塚記念が代表的レースのスズカさん、距離適性に長距離が求められることになっちゃうんですよね。ステイヤー要素持ちのスズカさん、アホの所業としか言いようがないですからね。
 逆に代表的レースが朝日杯、宝塚記念、有馬記念のグラスちゃんは今の凸凹な距離適性の妥当性が増すんですけど。

2400mの境界/中距離と長距離の大境界

 2200mと比べても、格段に影響が大きいのが2400mを「中距離」と「長距離」のどちらに含めるかです。
 何しろ、ダービー/オークスとJCという、獲得ファン数の観点からも大きなレース2つが含まれるので、これが長距離に含まれるとティアラ路線はマイル~長距離を走り切る万能の適性を求められる過酷なルートということになってしまいます。それでも普通に走り切れるスカーレットはなんなの? 天才なの?

 2400mが本来長距離なのは当然認識されていて、クリークさんの専用二つ名「高速ステイヤー」で求められるのが2400m以上での勝利な辺り、これをゲーム上「中距離」に含まれているのは、かなり意図的であることが分かります。
 2400mを長距離にすると獲得ファン数上位のレースがすべて長距離になってしまい、ステイヤー天国になってしまう。一方、2400mを中距離にすることでグレードの高い長距離レースが減ってしまう。
 URAファイナルズ長距離への出走は、意図的に出走レースを調整しないと難しいのはご存知の通り。それは、こういうゲーム的な調整が生んだ陥穽というわけですね。

 正確に言えば、長距離レースは、数自体はそこまで少なくないんです。ただ、G1の裏でしかも同ターンに2つあったり(阪神大賞典と日経賞)、獲得ファン数の多いレースに挟まれていて連続出走のリスクがあったり(アルゼンチン共和国杯とステイヤーズS)と、グレードの高い長距離レースがことごとく出走しにくい条件になっているだけで。

結論

 距離適性、ちゃんとゲームバランスとか考えて調整されててエラいね。(雑結論)

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