宇野維正先生考察 第七弾 POP LIFE THE PODCAST サザンオールスターズ特集三部編

最近、他のラジオやぷらすとの公開収録からが多かったですが今回は原点に戻ってPOP LIFE THE PODCASTからです。サザンオールスターズ特集三回分からです。今回は宇野先生流石にサザンだけあってかなり言葉を選んでる感じなのでそこまで良い?面白い?興味深い?発言は少なめかもです。それでは宇野先生の発言をピックアップしていきます。

その前に宇野先生のサザンプレイリストから

これを前提に進んでいきます。


#046 ** サザンを批判的に全肯定しよう! Guests: 佐藤栄太郎(indigo la End)&宇野維正**


『最近、人と会うとPOP LIFE聴いてますと言われるが俺の番組じゃないしなー複雑です』

『Twitter見てますって言われるのも複雑だけど』

『(準レギュラーみたいなものですに対して)ロンドンハーツの有吉的なポジションで良いですか?』
『サザンとか解禁される時にやりましょうとはずっと言っていたんだよね』
『企画を言ったのと佐藤さんに声をかけたので僕の仕事は終えたなと』
『タナソーさんが何言うか分からないからその空間を共有した男としての十字架を背負う可能性はある笑』
『(サザン特集は)ファンダム問題に関わる』
『僕は今までの回で一番楽しみに来ていますよ。タナソーさんがサザンをどう聴いてきたのか聞いたことない』
『この番組は三原さんの話をおじさんたちが遮る番組だと言われていて全くその通りだな』
『桑田さんは64歳とかになられる。普通の会社だと定年されて役員とかの一昔前ならおじいちゃんと言われる世代だがローリングストーンズとかがいるせいで時空が歪んでいる』
『サザンが好きなアーティストベスト10だった時代がタナソーさんにも僕にもあったリスナーには新鮮な話かも知れない』
『タナソーさんは洋楽にどっぷり浸かった上でのサザンを好きになった。それは僕との違い。』
『桑田さんと言えばステージングも含めて下ネタというのがあるけどそれが手段から目的化して来ている。初期とか違う』
『女呼んでブギは今ではアウト』
タナソー 「誰しも共感できるラブソング、誰も否定できないような正論、エロの3つにいつしか分離していった」 → 『分離されて分かり易くはなるけど失われるものもある』
『サザンについて言い尽くされたことだらけ。ベストテンのスポットライトに出てきた時はコミックバンドだと思ったけど衝撃を受けたとか』
『エロの話で言うなら奥さまが後ろでヤンチャしてる旦那を微笑みながら優しく見守っていることで許させる空間。サザン独特のシステム。あのシステムを秀逸。ライブだとよりエロが全面化されるがより原由子さんがいることによるATフィールドが効いていて全てが許される空間。』
『30年前の曲をとやかく言うつもりはないしマンピー的なエロを前面に出した曲は苦手だけどそれを取り出してこの歌詞が!と言うのは全然違う。それが許されるのも含めたサザンシステム。ただ改めて聴くと凄い歌詞は沢山ある。』
『C調は一番か二番、完璧』

**

『出だしのあいーって始まる所。あれなんかミーゴスだよね。オフセットきたー!みたいな』
『ミーゴスはビートルズだからさあ』
『ビートルズ、サザン、ミーゴスだからさあ時系列的には。だから原由子はカーディB』**

『C調言葉は業界用語みたいなもの』
『83、84年当時の恋愛史上主義的な象徴だったのがふぞろいのりんごたち。そこにサザンがテーマソングのように使われていた』

**

『僕は親から低俗な番組は見るなとベストテンを禁止されていた。ハイソサイエティな家。小学生に向かってマイルス聞けみたいな』**

『ひょうきん族だけは親が認知してないから見てたがビートたけしの本を親に捨てられた苦い思い出もある』
『それで中学生になった時に始まったのが不揃いの林檎たち。ワンアーティストの曲がドラマの中で10曲とか使われれのは当時は斬新だった』
『新シリーズごとに新曲も追加される』
『言い尽くされた話だが93年に小沢健二の愛し愛されていきるのさに 例の歌詞があるがあれはふぞろいのドラマの事。当時の理解してない連中を馬鹿にしていた。1秒で読み取れよみたいな』
『タナソーさんと違うのは当時はそれほど洋楽どっぷりではなかった。マイケルジャクソンとかは聞いたけど』
『ドラマで使われてる曲を聴きたくてカセットテープオンリーのテキトーなベスト盤が出てたのを買った。アーリーサザンオールスターズ』
『アーリーサザンオールスターズと佐野元春のノーダメージをテープが伸びるまで一年間毎日聴いてた』
『83年から84年まではサザンが世界一好きなバンドで世界一好きなソロミュージシャンは佐野さん』
『その後プリンスのパープルレインを聴いて全てがかわる』

『あながち桑田さんと佐野さんを比べるのは間違ってない』
『桑田さんのラジオの年間ベストは佐野さんがアルバムを出すと大体一位にする。2010年代においても桑田さんは佐野さん一目置きまくっている』
『オールトゥギャザーナウとか共演はあるが桑田さんと佐野さんを並べて語る事はあまり無い。ハマショーとか大瀧さん界隈と並べて語られる。』
『ライバル感はないが桑田さんは佐野さんを世の中のイメージよりも意識してるしリスペクトしてる』

タナソー 「サザンと佐野元春がシーンで並び立ち大きな会場を埋め、刺激的な作品を出し合う並行世界を夢見てしまう。サザンが国民的バンドでいることも佐野元春が99%活動を理解したファンのためにちょうどいい活動に落ち着いているのもどちらも不幸だと思う。 」 → 『そういう規模で長くやってるバンドにユニコーンや小沢健二がいるがどちらもしばらく休んでいる。どちらも適正キャパでやりたいことやってるのはある程度休んでいるからブレイクした後は正気でいれるわけがないんだよ。いまの活動は休んでいた時期があるから』
『国民的ロックバンドは言語矛盾。』
『(国民的ロックバンドは)いまだとミスチルだよね。』
『一時期のオアシスは日本のミスチルみたいなものだったんじゃないですか?』
『だけどオアシスはそれに耐えられなかった』
『国民的バンドとサザンが言われ始めたのは1984年の人気者でいこうからそのタイトルはアイロニーもあったと思うが』
『それまでテレビの中でもカウンターカルチャー的であったサザンがある種メインストリートに偽薬的に入っていった』
『完璧にそうなったのは復活後のみんなのうたからタイトルは意識的』
『その時期まではカップリングで二面性を見せる所もあったがそれ以降は表現としての一つ一つの曲が分離した上で拡大する。本音すらも見えなくなっていく。サザンっていろんなレイヤーが日本人にあってほとんど最初はテレビでしか知らない。それでも知ってる曲あるみたいな。それに対してのカップリングの熱心なファンは分かってる曲。その間もいっぱいいるから語り口がいくらでもある。言い尽くされた事だけどと何度も言ってるのは本当にサザンについては言い尽くされてるから。そんなに熱心にサザンについて書かれてたものを読んでなくても語り尽くされたことをいっぱい知ってるから。個人に引き寄せて離さないとオリジナルなサザン論は生まれないんだろうなと言う気はする。』
『ぼくが一番好きな曲はC言葉かミスブランニューデイ。ミスブランニューデイは桑田佳祐史上最高の歌唱。全てが気持ち良い。このシンガーは化け物だと言うぐらいかすれ具合の全てが完璧。シンガーとしての桑田佳祐の凄さを一番感じる。人気者は桑田佳祐の声が最高。』
『タナソーさんは80年代の半ばの邦楽のバンドに厳しいよね。レベッカが好きだと言ったらあんな酷いバンドはないと言われた』
『あの時のタナソーさんはルサンチマンですよね』
『ヒゲダン聴いてるとビリージョエルだもんね 』

タナソー 「ヒゲダンってメンタリティも真面目なところも努力家の所も含めてポプコンバンドですよ。良い悪いではなく。」
『ゲスとかも含めて日本人鍵盤好きよね。ベンフォールズファイブがあんなに人気にあったの日本だけですよ』
『ビリージョエルは世界的に人気があったけどビリージョエル的なものによって固定化された日本人のロックに対するテイストって明確にありますよね。』
『シカゴもいい曲沢山あるけど日本では素直になれなくてのイメージ。エルトンジョンとかさあ。クイーンだって日本では結局ボヘミアンラプソディが好きなわけでしょ。ピアノってロックにとってあってもなくても良いもんじゃん。』

**

『何の話をしてるか言えば小林武史問題ですよ。』**

『初期のサザンでもいい曲イントロピアノの曲多いんですよ。それがたまらんのだけども。極端に増幅させたのが小林武史の時代のサザンであるのかな。もちろんミスチルもそうだけど。ある時期、小林武史と蜜月を過ごしたのちセルフプロデュースに戻っていく訳じゃないですか。あれは麻薬というか。あのJ-POPの全盛期を乗り切るための増幅装置としての小林武史。』
『90年代って特別な時代だったんだなと何を聴いても思うしあの時代があるからサザンもミスチルも今があるんだなとも思う。』
『イントロでピアノでワンメロかわす曲とか多いじゃないですか。希望の轍とか真夏の果実とか。』
『サザンはサザンロックとニールヤングの曲名。オールスターズはファニアオールスターズとか来てる。』
『ロックバンドとしてのサザンは小林武史さんとやるようになってJ-POP寄りになった。』
『僕は小林武史さんにお世話になってるのであんまり言えないけど笑』
『桑田さんが小林さんと最初に仕事したのはソロの悲しい気持ちからなんですよ。桑田さんはこりゃいいやって思ったのは間違いない。実際良い曲だしね。みんなのうたからサザンにも参加した。ビートルズにせよ何にせよどこのロックバンドでも通る道なんですよね。プロデューサーによって加速する。』
『小林武史さんは坂本龍一さんのマニュピレーターをやってたりしたゴリゴリのスタジオプロデューサー。ミスチルでアナログレコーディングにこだわっていたのはそもそもデジタル出の人だから。そういうスキル面も吐出していた。あの時代を作った人だけどそれによってサザンは明確に変わった。』
『(小林武史は)やばいプッシャーみたいだ笑』 


【寸評】

宇野先生の発言をこの番組から拾っているので宇野先生が自分の番組じゃないないしなと思っていたのは興味深いです。基本的にはサザンの話なんで興味ない人には面白くないかも知れませんが。一番謎な発言はミーゴスのくだりだと思います。ミーゴスはビートルズ論詳しく聞いてみたい所です。

一種の業界のタブー的な小林武史問題を意図的に話そうと宇野先生がする所は良かったです。

あと、また出ました。俺の家は文化資本が高い系の発言。


#047 ** サザンを語ることは日本を語ること? Guests: 佐藤栄太郎(indigo la End)&宇野維正**


『(タナソーのPOP LIFEのアイアンマンことという紹介に)アイアンマンことって言われると自分が認めたみたいで嫌なんで』

**

『佐藤さんに声かけたのはサザンプレイリストが凄かっただけじゃなくて絶対こっち側の人間だなって確信があったから』 → タナソー「いやいやいや俺別に宇野さんと同じ側の人間じゃないし」**

『僕は流れとかをどうしても気にしてしまうのでワンアーティストで20曲とか無理なんですよ。10曲✖️3のプレイリストを作った』
『サザンはベスト盤のアーリーサザンオールスターズから入ったせいかアルバム単位ではあまり聴けなく曲単位で聴いてしまう』
『アルバムの曲は苦手な曲がどうしてもある』
『中学生の時に綺麗とかのアルバムを吉祥寺のユーアンダーアイとかで借りていた』
『サザンは実は半分ぐらい好きじゃない』
『サザンロック、ブルースっぽいサザンが好きではない。』
『ブラックミュージックが好きなのでそれだったらサザンじゃなくて良いやと思ってしまう。』 → タナソー 「この人ブラックミュージック原理主義者なんですよ」
『みんな夕方HOLD ON MEとか大好きじゃないですか。僕も桑田さんの歌唱が一番凄いのはあのアルバムだと思うけどただのリズムアンドブルースじゃねえ?と思う。サザンならではの特殊な邦楽との化学反応がある曲が好き。実は愛聴したアルバムがベスト盤しかない。』
『Spotifyでプレイリスト作るのがこれがオレの聴きたいサザンだという感じでめちゃくちゃ楽しい。一枚目はシティポップ感。二枚目はスティーリー・ダン感。三枚目はビートルズアンドフィルスペクター感』
『波乗りジョニーとか桑田さんのソロだけど本当に頭ガンガン打たれるぐらい好き。』
『最近のサザンでも好きな曲はたくさんある』

『リスナーの人とかにサザンはテレビバンドだと言う偏見を持ってる人が多い。テレビだと余計おちゃらけるし。だからあんまりシリアスなバンドして見てない浅い音楽ファンが結構多いと思う。もちろん好きな人は好きだしサザンファンじゃなくても一目置いてる音楽好きは山のようにいるがさあじゃない人もいるだろうなと言う。僕にしてもタナソーさんにしてもあんまりサザン好きなイメージなんてないわけじゃん。それはまあリアルタイムで発信する機会がなかっただけで。』

『ある時期のサザンは本当に最高だったから。』
『葡萄とかも結構良い曲あってさ。改めて聴くと。』
『彼氏になりたくてもとかも凄い好きだしね』
『気を遣ってるわけじゃないけど確かに80年台初期までが最高なんだけどそれ以降も良い曲いっぱい書いてるよねって話。』
『日本人が好きなのはビートルズ寄せ、カーペンターズ寄せ、バートバカラッック寄せ、サザンに寄せるならロケッツとかやってる頃のフィルスペクター寄せの曲。ポップスでグッドメロディとされるもの。オアシスとか日本人あんなに好きなのはオアシスがファーストにバートバカラックの写真がジャケットに載ってる事も象徴してると思うけど。』
『ビートルズ、バートバカラッック、フィルスペクターのウォールオブサウンド。日本人みんなやるじゃん。ミスチルも実は凄く多いんですよ。あと大瀧詠一さんとかがそれを極めた訳だけどロンバケ的なサザン。日本人の中のグッドメロディーとしてあるものでそれをサザンはアルバムの中で何曲かは必ず入れてるら。割とそこは素直に好き。

タナソー 「リアルタイム性を担保するのは音色」

『タナソーさんの言ってることは難癖だと思うのは洋楽をそのままするのを嫌うじゃん 』

『タナソーさんヤングサグのフーディー着てて僕はKOHHのフーディー着てて何でサザンの話をしてんだって感じじゃん笑馬鹿じゃないのって感じだけど笑 』

『文脈がないとさあ。KOHHとかフリッパーズギターとかはポンと出てきて、わー!だから良いけどキャリアがあるとその人の文脈も出てくる訳だからそうなってくるとそこまで要求するのは酷だと思うし小林武史時代のサザンは90年代の日本のサウンドだったわけでそこはサザンなりに最適化したわけですよね。』『2000年以降はスタンダード回帰していくのは仕方ない。U2だってここ最近のアルバムはそうじゃん。』 → タナソー 「どうにもならないけどね。U2はここ2作は失敗作な訳じゃん。U2は失敗作出せるけどサザンは出せない。ウェルメイドにまとめてしまう 」

『変な国だもん日本は』

『TSUNAMIのジャケは当時のプラダの広告そのもの。宇多田ヒカルだって桐谷和也時代はビョークそのもののアートワーク。オマージュでもパロディですらない。』
『音楽業界への苦言に等しい。嫌いなんだけど。日本ってそう言うことじゃん。』
『結構な人が知ってるもの知らないは捻りもなく人に向けて作ってるのがすっごいしんどくて。』
『当時、音楽業界のど真ん中にいてなんでこんなダサいことを本気でやってるんだって 』

タナソー 「いっぱいあるよ。当時のYUKIちゃんのビデオクリップがまんまビョークだったり」

『単純にイリーガルだしね。当時は外の視線がないから出来たけどう今では出来ない。』
『中国の変なドラえもんと同じ。それを日本一のバンドやシンガーが平気でやってるのがしんどかった』
『ビクター全体的にデザイン弱いですよね』
『KUWATA BAND新島行く前に買ったんで。当時新島行ったらみんなKUWATA BAND聴いてたからね。当時の海でサザン、クリスマスはユーミンみたいな。型にはまって行くのが。生まれて初めてコンドーム買ってさあ。当時中3だったから全然相手にして貰えなかったけどそういうのも楽しい訳。それでKUWATA BAND聴いてて。』
『タナソーさんもよく書いてたけどロックンロールってナンセンスな歌詞って一つの。大瀧詠一さんもそうだけど。』
『それをひつようにやり続けてる。凄いと思いますよ桑田さん。』
『桑田さん虚無っしょ。』

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『桑田さんめちゃくちゃ怖いからね。目が笑ってないから。こんなこと言って良いのかな。』**

『仕事やフェスの裏とかでおみかけしてるけど態度が大きいとかではないけど醸し出す空気が大物だからピリッとするってレベルじゃなくうわっ桑田さんだ…ってなる』
『ステージ上がった後の解放されてパコーンってなる感じの好対照の感じはイフですよね。イフの念というかなんかリビングレジェンドを見たなという感覚になる。』

『例えば矢沢永吉さんとかに比べてもなるね。怖い。』

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『30年以上周りに大物だと思われ続けられていれば普通でいられるわけがない。もはや実感がどこにあるのかわからない。桑田佳祐のぬいぐるみを着た桑田佳祐さんですよね。実物?みたいな』**

タナソー 「長門裕之感はないの?』 → 『ありますよ笑 けど長門裕之さんには会ったことないからね』

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『佐野さんとかも怖いしね。僕が怒られたことあるしね。怒られたというか僕のした質問にカチンと来られたよう。』**

タナソー 「佐野さんは誰に対してもフラットだよ。目上でも、若い人にもキチッという。」 『そうそうそう。生身。だから怖い 』

(タナソーの生涯ワーストレコードが桑田ソロの孤独の太陽という話)
『あの有名なすべての歌に懺悔しないも入ってますよね。』
佐藤氏 「あの長渕さんの」 『言いますか笑 』

『同業者をディスりまくるラッパーみたいな世界。ある時期まで雑誌とかで同業者ディスをしてたのにこれ以降無くなった』
『フリッパーズギターとか全員馬鹿にしてたからね 』

タナソー 「SKY-HIの日高くんにインタビューをした時に星野源ちゃんのSUNに触発されたという話をしてくれたがメディア側かアーティスト側か分からないが星野源の名前を出さないで欲しいとNGが出た。本人は話してるから本人の意向ではないだろうが。そういう感じでディスじゃなくても言及だけでも他のアーティストに言及することがタブー視されるようになってしまった。 」

『雑誌のミュージシャンのインタビューはめちゃくちゃだったけど面白いやつもあったもんね。いまは読む気しないもん。』
(全ての歌に懺悔しな曲)『フルで聴くと自己批判もあるもんね。』
『テイラーとカニエがやり合うみたいに海外では今でもある。それが音楽シーンを活性化させてる面はある。ポリコレもあるから言えば良いのかって話でもあるけどね』
『数年前の紅白で現政府に批判的なパフォーマンスをしたことに批判をせざる終えないことになってしまった。しんどいよなーって思った。大きな企業の株価に影響したとか言われると選択肢はないんだよね。もはやそれに失望しただのなんだの言えない。言ったって仕方がない。』
『あの時もどっちを言ってる人もしんどかった。』
『影響力があるから(映画の)新聞記者とは違うとは思うけど』
『桑田さんは混ぜっ返さない。トリックスターではない。』
『それか佐野さんみたいに生真面目にするか。』
『タイマーズは全体を見れば理解できるがポイント、ポイントではわー!とならなかったもん。』
『ユーモアを混ぜるのは難しい。』
『ど真ん中にくるのが正解かわからない。』
『「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」はタイトルはZEPで曲はビートルズ。キャディラックのCmで使われたからザッツマイカインドオブキャディラック 意味が分かんない笑』
『サザンの中では結構異色』

『YOUNG LOVEってそんな売れた訳じゃないんだね』

『本当に国民的バンドになるのはこの後』
『90年台の半ばにどんな大物バンドでも次こけると終わりだなという緊張感があったけどま2000年台以降は無くなった。サザンとかミスチルがこけるとか考えられないじゃん。 』


【寸評】

宇野先生の佐藤さんはこっち側の人間発言と俺はそっちじゃないというタナソー。宇野先生には「こっち側」という概念があるようです。「こっち側」がどっちなのか詳しく知りたい所です。

宇野先生の青春時代のエピソード満載です。宇野先生のファンの方は聴いた方が良い回です。

そして宇野先生の十八番の日本へのディスも来ました。なによりこの回では桑田佳祐、佐野元春への恐る恐るの言及がポイントです。どっちも怖いそうです。佐野元春に怒られたエピソードは詳しく聞きたい所です。

YOUNG LOVE売れてなかった発言は佐藤氏が最初に言った話で宇野先生が同意してましたがサザンのオリジナルアルバムの中ではトップクラスに売れてます。実は。



#048 ** 百万人のサザン、ひとりだけのサザン Guests: 佐藤栄太郎(indigo la End)&宇野維正 **


タナソー 「なりたいアヴェンジャーズは?」 →  「僕はジョーカーだって言ってるんじゃん(宇野先生俺はDCだ発言多数です)』

**

『世の中的にタナソーさんと馴れ合いすぎて危機感感じてるんですから』
『最近僕が言ったことがタナソーさんが言ってることになったりタナソーさんが言ってることが僕が言った事になったりしてる。ごっちゃになるとまずいなと』**


のタナソーからのアンサーのくだりもあります。

タナソー 「即レスじゃないとダメだよね?」 → 『そう』

『タナソーさんがリツイートしてるだけでほっとする。そんなほっとする自分にムカつくみたいな笑 』

三原さん「レッドスパイダーとか聴いてました」タナソー「これさまちゃんレッドスパイダー知ってる?」『レッドスパイダー?分からない?』

『人気者で行こうは当時はそこまでだったけど今聴くと良いなあ』
『80年代のリバイバルを通った耳で聴くと聴ける。ミスブラとか一番古く感じない』

『僕は「世に万葉の花が咲くなり」苦手。涙のキッスとかみんな好きだけどね』
『僕もサザンは友達と共有してない。ある時期から洋楽ばっかり聴くようになったし』
『佐々木麻美子さんの頃のピチカートとか「海に行くつもりじゃなかった」の頃のフリッパーズギターとか大学時代の仲間内で聴いていた』
『ロッキンジャパンとかAPバンクとかでは観てたけど初めて単独でサザン観たのは2003年とかの横浜スタジアム。スタジアムにいる五万人ぐらいの人は本当にサザン好きなんだなって。家族連れで来ててここは俺のいる場所じゃないって思った』
『ヘッドフォンで一人で聴いてサザンとは違うしこれが本当のサザンの場所なんだって思った』
『ライブに行くと好きな曲とそうじゃない曲の差が激しすぎてC調とか始まるとダー!って泣いてってなってマンピーが始まるとトイレに行って思い過ごしも恋とか始まるとまたあっー!ってなる情緒不安定な人みたいになる』
『長いのね。ライブ。三時間四時間ぐらいある。』

『スタジアムって長ければ長いだけ良いみたいになってたじゃん。あの頃。僕はフェスで十分ですよみたいな。』
『バンドのライブって一時間半ぐらいで十分。レディオヘッドのブリッツとかタバコ吸ってましたもん外で。持ち曲がほとんどない頃から三時間ぐらいやるじゃん。』

**

『ライブもクラブも嫌い。そもそも人が嫌いだから。』**

『フェスの一時間ぐらいのセットがちょうどいい。そういう意味でもコアのサザンファンとは違うんだなと思った。』
『ロックインジャパンに出ると必ず渋谷陽一を弄るんですよ。それがその人の下で働いていた身としては楽しめないですよね。夢を見ようとしてるのに現実を見せつけられると言うか苦笑』

**

『ロックインジャパンって特に当時は地元の子が多くて地元の高校生、大学生、20代の子が中心のところで桑田さんが波乗りジョニーとかを歌う時の若い子の興奮とかは感動するよね。中にはCMとかでしか聴いたことない子もいるだろうけどあの空気感を変える感じが。ホーム感のある単独よりもフェスで観る感じの桑田さんとかサザンとか。ミスチルのそうだけど。ファンダムじゃないけど国民的に愛されてる感じ。国民的バンドって言うけど国民的バンドって悪い感じもあるけどそれを肌で感じれと鳥肌が立つ感じがあります。』**

『現場にいると絶対に否定できないポップミュージックの凄みがあるよね。
コアファンと言ってもマイナー曲を愛してるわけではないんだ。なるほどね。』
『アミューズ的な。Perfumeだってフェスで観るのが一番良いもん。MCながっいもん。』
『ナベプロの中にいた大里洋吉という方がキャンディーズを音楽的にどんどんしていくんですよ。バックバンドをスペクトムってファンクバンドで当時のディスコとかのカバーをどんどんやっていくセットリストを増やして。Perfumeみたいなもんですよね、音楽ファンに支持されていくという。そうやって育てていくんだけどその大崎さんがナベプロを辞めて作った会社がアミューズなんですよ。辞めたんだけどキャンディーズが解散宣言をすると。日本で初のスタジアムライブは実はキャンディーズですから。そのライブにもナベプロ辞めたけど外注スタッフとして参加していた。』
『元々、アミューズは原田真二を売り出すための事務所だったのにキャンディーズ解散後アミューズの仕事に戻ると原田真二が辞めたいって。あれっ?みたいな。 』

タナソー 「原田真二とスミスの最初の五枚シングル程の奇跡はないです。」 → 『そこまで言う?笑まあそうですよね。凄かった。 』

『で原田真二さんが辞めた数週間後にビクターの高垣さんと言う方が見つけたバンドがサザンでそれを大里さんに紹介したのが今に渡るアミューズエンパイアの始まりな訳ですよ。』 

『スタジアムでライブをやるノウハウは大里さんが作り上げたと言っても過言じゃない。見る人が見ればPerfumeはキャンディーズの重ねて見ちゃうだろうし当時からお笑いでは三宅裕司さん、女優では富田靖子さん、音楽ではサザンが三枚看板で当時から絡みもあってコミカルな要素は桑田さん本人も元々持ってるものだけどそういうアミューズの風土もあるんだろうな』
『当時から三宅裕司さんのスーパーエキセントリックシアターとの絡みも多かった』
『サザンを語ることは日本を語ることではあるけど日本の芸能、日本の音楽業界を語ることとほぼほぼイコールになってくるのは必然なんですよね』
『もちろんその後に福山雅治さんとかいま星野源さんとかセカオワとかもそうですし』
『そもそも海外進出はアミューズだった喜太郎さんの時代から』
『色んな特別なパイオニアなんですよね』
『サザンの曲にはアミューズのことを歌ってる曲や原由子さんの曲には大里さんのことを歌ってる曲もあってそもそも楽屋ネタみたいな』
『ファミリー感がもともと強い』
『しっかり音楽を聴いていないけどファンって人もしっかりいる』
『あとやっぱ日本は良くも悪くも芸能事務所のシステムが強固なんで引き受けないといけない部分が多すぎますよね。それを肯定するつもりはないけどそれを無下に否定してもしょうがないと言うかサザンみたいな立場のバンドが引き受けないといけない部分を一つ一つ茶々入れても仕方ないって言うのは忖度的な話ではなくそういうもんだよねって言うか。だからもっと良いところ探そうよってなっちゃうしサザンに限らず日本のものを言うときは本当文句言い始めたらキリ無いしね。 』

『佐野さんもトライアンドエラーを繰り返してきた』
『マイケルスタイプの最近の曲とか聴くと寂しくなるじゃん』
『ボブディランとかクリントイーストウッドは特別だもん。佐野さんも桑田さんも特別ですからね本来』
『サザンで重要なのは人気バンドとして引き受けざるおえなかっただけじゃなくて桑田さん自身が日本の歌謡曲とか、今でも一人紅白とかやったりするじゃん。あれって元々青学にいた頃の彼にはなかったもので人気バンドになってから掘っていったもの。』
『その蓄積で今でも学習してるもの。落語とかにも通われてる。彼自身がアーティストとして好奇心と探究心で向かってるのは大事なこと』
『立川志の輔さんに落語のことは聞いた。他にはそんな人はあまりいない。』
『椎名林檎さんとかもそういう側面があるかもしれないが』
『日本のオリジナリティとして学んでいくのは凄い』
普段2分台のビートだけの音楽聴いてるからサザン聴き直すと新鮮だった
転調!曲ながっ!みたいな』
『サザンはバキバキのミュージシャンズミュージシャンですから。ミュージシャンの人ほど凄さが分かるでしょ。aiko、槇原敬之、平井堅、小沢健二とか』
『小沢健二はサザンロックとソウルミュージックとサザンオールスターズで初期二枚のアルバムは出来てる』
『サザンは自分よりも詳しい人がいるから好きだと下手に言えない感じはある』
『このご時世ギリギリですけどね。(ライブでの)水着のダンサーへのセクハラパフォーマンス。このご時世あれをやりきるって言うのも封印するって言うのもだろうけど。』
『しばらくサザンの動きはないんだろうけど』
『みんなこれが最後だと思いながら続いてるバンド』
『ストリーミング配信されてサザンや原由子さんが海外で見つかる可能性は無いわけじゃない』

**

『山下達郎さんはサザンを語る上での対称ではある。奥さんとの関係性をふくめて。山下達郎さんはライブ観ると本当に凄いから。レコードと同じ音なんだもん。凄すぎておしっこちびれちゃうんだけど。それはサザンのライブとは全く違う。「歌うな。手拍子するな。なんなら踊るなぐらい」の。それは山下達郎さんのライブだから良いんだけどそれを一般論化してる人とか見るとアホじゃねえか、馬鹿じゃねえかとか思うけど。』**

**

『テレビとか出ない山下達郎さんとテレビに出まくったサザンとの音楽ファンの間でのサザンの見くびられ方と山下達郎さんの神格化はバランス悪いよね。どっちも凄いのは大前提で。』**

『信条的には達郎さんみたいにサンクチュアリを作り出す人より桑田さんみたいに清濁合わせ飲む人の方をすげえなと思っちゃう』
『山下達郎さんだってジャニーズとかの仕事たくさんやってるしジャニーズにやたら甘かったり名曲はあるけど「んっ!?」っていう曲もあって濁もあるのにそれが語られなさすぎって話』
『なんかやべえな、全方位に悪く事言ってるないま俺』
『超凄いのは大前提だけどこう言うこと言う人いないからさあ』
『はっぴいえんど史観みたいな物が殊更さあ。そうじゃない。それだけじゃないよね。その中にサザンをみんな見縊ってるんじゃないの?ってのはある』
『達郎さんとか桑田さん凄すぎて誰も超えられてないしそれはしんどいよね。ユーミンや中島みゆきさんもそうだけど。』
『ミスチルとかスピッツって偉大なバンドだけどやっぱ違うんじゃん』 → タナソー 「それは時代のせいだって」→ 『世界にかければビートルズの後にもビートルズほど凄くないにせよU2なりレディオヘッドなりニルヴァーナなりパールジャムなり本当に時代を作っていまも第一線で活躍してるバンドもいるわけじゃん。オアシスはダメになったけど… うーん、やっぱ違うか。U2的な凄さはミスチル的な凄さかも知れないしね。』 → タナソー 「比較するのはフェアじゃない」 →『たしかに比較するのはフェアじゃない。ニルヴァーナみたいに止まってしまったバンドはすごく見えてしまう。』
『今日は佐藤さんの話がよかった。凄い好きな割には毒づくところは毒づいて。』
『サザンフレンドが見つかったのが羨ましいですね』

**

『今回みんなのプレイリスト良かったね。やっぱりサザン最高だよ。僕友達いないから。その孤独に耐えられなくなってタナソーさんとつるむようになったんだから。』**

『すいません。万が一桑田さんが聞いてたら本当にすいません』
『やっぱり凄いアーティストってどこにアンテナをはってるか分からないじゃないですか。そこが凄さなんですよね。怖い怖い。すいません。本当に尊敬してるんで。』
タナソー 「今日は佐藤さんのスタンスが良かったね」 → 『それは僕のキャスティングなんで。僕はそこで評価されれば良いです』
『語るべき作品たまってますよ。パラサイトもリチャードジュエルもやらないんでしょ?どうせ? 』

(女性ゲストが少ないことを危惧するタナソーと三原さんに)『そんなに気にすることないと思う。みんなそれぞれ作れば良いんだよ。自分の場所を。 』

【寸評】

宇野先生がジョーカーにシンパシーを感じてる説は第一弾で書いてその記事を読んでそう思うとネット書いてくださった方もたくさん見ました。それを宇野先生が認めてくれました。ありがとうございます。

タナソー=宇野先生説は最近確かに感じていましたが本人も気にしていたのは興味深いです。

宇野先生は「人が嫌い」「友達いない」「それに耐えきれなくてタナソーさんとつるむようになった」とパブリックイメージ通りの発言ですね。

アミューズの成り立ちの話はなかなか面白いのでアミューズ好きの人は聴くと良いと思います。ただキャンディーズが日本初のスタジアムライブ発言は間違ってますね。たしかグランドにイスを入れた最初がキャンディーズだったような… 少なくともスタジアムでのライブは他にありました。

宇野先生が語ったサザンの国民的バンドとしてのフェスでの体験は凄く分かります。サザンではないですがスピッツをフェスで観た時のオーディエンスの「本物だ!」という謎の盛り上がりは単独では感じたことがないものでした。しかも一曲目が「空も飛べるはず」だったので地鳴りのようなどよめきを聞いて「これが国民的バンドの国民的ヒット曲をファン以外の場で披露するという事か」と驚いた事があったので。

この三回配信は基本的に宇野先生の言う事には同意することのが多かったです。特に世の中がサザンを見くびっている系の話は同意です。山下達郎さんのライブルールを一般化みたいな意見に対する見解も同意です。

【総評】
基本的にサザンオールスターズと巨星を語る回なのでミーゴス関連の発言ぐらいしかみんなの期待!?するような宇野先生の発言はありませんでした。本人も気にしてるようなので意図的に言葉を選んでいるのかも知れません。宇野先生考察で言えば「宇野先生は最近炎上を避けようとしている」という考察が出来るかも知れません。

今回、宇野先生と意見が同じだったのが
サザンは大好きだが
・曲単位では好きな曲はたくさんあるがアルバム全体では好きではない
・サザンの下ネタ系の曲は苦手
・サザンのファンベースには居場所がない

のサザンは好きだが系の話とサザンを音楽ファンに不当に見縊られていると言う話ですね。
サザンせっかくストリーミング配信されたのでテレビバンドだと思ってる人たちにこそ聴いてもらいたいです。個人的にはKUWATA BANDはサザンより好きなのでソロやKUWATA BANDもふくめて。




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