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東京オリンピックエンブレムとクリエーター野老朝雄さんのこと

4月25日、ロンドンのキングズクロス駅の商人宿で、相変わらずどんよりした空の色を眺めながら、朝起きて接した最初のニュースは、 TOKYO2020エンブレムの決定 とその反応だった。

選ばれた 野老 朝雄さんと最初に会ったのは、2000年を迎えたころ、東日本橋をノリで開く CET (Central East Tokyo) という、クリエーターが熱気でやってしまった祭りのさなかであった。

どのようにも展開できる紋様を編み出し、その展開力で精力的に、プレゼンテーションを続ける、ほかにはない表現力をもった、若さ残してそのまま突っ走るとっぽいおじさんだった。

まるで虎舞竜の「ロード」のように、今に到るまでその表現を突き詰めた結果、はからずもオンリーワンを求める東京オリンピックエンブレムの日の丸の呪縛を、江戸と日本を彷彿させる藍色と市松模様、そして和の円で表現を貫いた。

東京は、ロンドンがそうであるように、成熟都市として、文化との両輪で行こうとしている。

広告界ではなく街のアーティストから生まれた、この新しい展開力と突破力のエンブレムのもと、祝祭の風通しが良くなることを祈ります。

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