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教えて!ファシリテーターvol.9「定例会後のフォローと注意事項」


はじめに

この連載ではファシリテーターとして、企業や行政の会議や議論の場をまとめ成果に結びつけてきた渋谷健さんに、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」をお聞きする「初心者向けファシリテーション」をお届けしています。


会議を4象限で分解する


vol.4からは、会議の種別ごとのファシリテーションをご案内しています。
ここでは「動的・静的」と「攻め・守り」の2軸で会議を整理しました。具体的には、企画会議、定例会、勉強会、トラブル会議の4種類(4象限)を取り上げます。これらの会議はそれぞれ特徴が異なり、適切な進め方も変わってきます。一つ一つ見ていきましょう。

現在は「定例会(静的・守り)」のについて、解説をお届けしています。

定例会後のフォローと注意したい定例会対策


教えて!さん: 渋谷さん、定例会後のフォローについてもう少し詳しく教えていただけますか?

渋谷さん: はい!まず議事録は迅速にまとめ、関係者全員に共有しましょうね。慣れれば議事録は会議中に作れますし、早く提示することで次のアクションに移りやすくなります。AIを活用できるとより効率的に作れると思います。
次の会議までの間には、各メンバーに個別に「何か困っていることはある?」と聞くようにしましょう。相談しやすい場をファシリテーター側から作るといいですよ。

教えて!さん:たしかに!声をかけてもらうと相談しやすいですよね。メンバー全員に声掛けしたほうがいいですか?

渋谷さん: 困っていそう、進捗が見えない、など気になる人がいたら、積極的にかかわりましょう。わざわざ時間を取るのではなく、物事のついでに「どう何か困ってない?」とカジュアルな声掛けをするのがおすすめです。相談しやすい環境を作り、こまめなアドバイスをすることがメンタリングの鍵だと思うんですよね。会議は会議以外の場が大事なんです。

教えて!さん: 踊る走査線みたいですね(笑)。それ以外に、定例会において注意しておきたいことや対策はありますか?

渋谷さん: まず、議論や相談、愚痴は定例会の時間外に別の時間を設けて対処しましょう。特に愚痴は会議の時間とは切り分けた時間で行う事を勧めます。当日に決めるべき議題以外は、時間に余裕があれば取り上げてOK。そうでなければ改めて時間を取りましょう。定例会は予定した時間内で終えるといいです。ほかには、個別のトラブルをみんなの面前で話すときには、ケーススタディとしてみんなが学びを得られるように仕立てましょう。間違っても公開説教にならないように。トラブル会議編でも取り上げますが焦点は「人」ではなく「物」にあてるといいですね。

教えて!さん: あとは、終了時間が過ぎてしまう場合が結構あります。何かいい手はありますか?

渋谷さん: 会議の開始時に次回の議題や終了時間を確認して、タイムキーパーを設けましょう。進行役が「次に進みます」という判断をすることで、会議をスムーズに進めることができます。

教えて!さん: もう一ついいでしょうか!話がだらだらと長いというか、冗漫になってしまう方対策はありますか?

渋谷さん: それは練習というか、訓練がいりますね。共有するべき内容に絞る訓練は、論理思考やタイムマネジメントを使うと効果的に行うことができます。要点を絞り必要な情報だけを話すスキルは、ビジネスではとても大切ですしオンラインならなおさらです。この機会に習得するといいですよ。

教えて!さん:渋谷さん、ありがとうございました。定例会にはいろんなコツがあったんですね!

まとめ うんざり定例会への対策


  1.  確認以外の議論や相談・愚痴 定例会の場では行わず別に時間を取る:
    「会議後▲時まで」「●日×時~1時間」などその場で確定させる。愚痴は、会議後に時間を区切り愚痴大会にして、すっきり!

  2. 公開説教の場になってしまう :
    事務的に処理をして個別に対応をする。ケーススタディになるなら、勉強会を行う。焦点は「人」ではなく「事」にあてる。

  3. 時間が延びる:
    開始時に次回配分や終了時間を確定させて、終わらせる権利を司会に与える。(●時なので次に進みますね。)

  4.  一人一人が全部説明する(話すべきポイントを絞らない):
    共有するべき内容に絞る訓練をする(論理思考やタイムマネジメントの導入を検討)


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