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vol.2「平行線をたどる会議編」

はじめに

この連載ではファシリテーターとして、企業や行政の会議や議論の場をまとめ成果に結びつけてきた渋谷健さんに、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」をお聞きし、会議に不慣れな「教えて!さん」を聞き手に会話形式でお届けします。


解説


教えて!さん:苦手な会議の一つに、会議が膠着する・平行線をたどる、という状況があるんです。にっちもさっちもいかない感じ。どうしたらいいんでしょうか?
渋谷さん:そういう時はまず、『このままでは決まらないと、会議が終わらないのですけどどうしましょう?』と問いかけてみましょう。問題を『対立した意見』から『膠着している場』へと変えることができます。
教えて!さん:対立している状況を、一旦受け入れてみるということですか。
渋谷さん:そうですね。
次に、双方の案を検証し、棚卸ししてみましょう。それぞれの案の良い点、悪い点を聞いて、書き出してみるんです。現実性や議論の目的との相違を吟味することで、全体の意見の傾向が見えてきます。

教えて!さん:そうですね。可視化することで、現状が把握しやすくなりますし、それによって、もっと良い解決策が見えてくるかもしれませんね。
渋谷さん:はい。視点を変えることはとても大事ですよ。

渋谷さん:そして、『決め方を決める』ことも大切です。多数決にするか、意思決定者に決めてもらうか、選択肢はいくつかあります。
教えて!さん:会議の流れを変えるためには、選択肢を増やすことも有効なんですね。

渋谷さん:ええ。他には、選びたくない選択肢を出してみるのも一つの方法です。たとえば、『決まらないなら無理だからやめたいと上司に言いましょうか?』と提案するんです。
例えば食事会を計画していて、店が決まらないときに『じゃ、牛丼屋にする?』と聞いてみることを想像してください。おそらく「え……。牛丼にするくらいなら○○にしようよ」と言い出す人がいませすよね。最低ラインを設定すると、意見が出やすくなるとおもいませんか。
教えて!さん:なるほど、少し挑発的な方法も場合によっては有効、ということですね。
渋谷さん:ええ。大事なのは自身が平行線の中にいないで、一歩引いて全体を見ることです。そうすることで、新しい視点や解決策が見えてくるはずです。
教えて!さん:ついつい平行線の渦に、飲み込まれてしまいがちですもんね。いいアドバイスをありがとうございます。これで、会議初心者も少しは会議を進行するのが楽になるかもしれませんね。次回はどんな知恵がもらえるか楽しみです!


まとめ


  1. 「このままでは決まらないが、どうするか?」と問いかけ 問題を「対立した意見」から「膠着している場」に変える。

  2. 双方案を検証して棚卸する それぞれの案のいい点、悪い点を聞いて書き出す。現実性や議論の目的との相違を吟味してみると、全体の意見の傾向がまとまることが多い。

  3. 決め方を決める 多数決?意思決定者に決めてもらう?

  4. 選びたくない選択肢を出す。 「決まらないなら『無理だからやめたい』と上司にいいましょうか?」 (例:食事会しよう!で店が決まらない時に「じゃ、牛丼屋にする?」ときけば、自ずと他の意見がでますよね?)


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