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クレセントイラストレーションボード

2年くらい前にnoteで書いた「オススメする万能なイラストボード」を読んでくださっている方が結構いらっしゃるようです。

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どんな内容だったか?と、久しぶりに記事を見てみたところ『オススメのクレセントイラストボードは番号で厚みや紙の目が表されていて、細目や中目など数種類から選ぶことが出来るけれども、めちゃくちゃ種類があるので「どれを買ったら良いのか?」というのがわからないところでしょう』なんてことを書いたくせに、文章だけで画像がひとっつもない、っていうね。
「画像がなきゃよくわからんじゃないか〜」と自分で自分にツッコミを入れる感じだったので、反省の意味を込めて今回は画像を交えて説明したいと思います。

で、まずは実際に「Tools(楽天ショップ)」で買いました。

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A4サイズは「No.2000E」と「No.99」、B4サイズで「No.215」。
サイトでは5枚単位で販売されていて、丁寧に梱包されて届きましたよ。
ワタシがよく使っていたのは 「No.110」だったんですけど、今回はあえて違うものを入手してみました。

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「No.99A」は中目で、やや黄色味がかったカラー。リキテックス、水彩、ガッシュ、カラーインク、パステル、エアーブラシなどとの適性が良く、オールマイティに使えます。(厚さ1.0mm)

「No.2000E」は中目。コミックドローイング用として開発されたコミック専用ボード。コピック、カラーインク、エアーブラシ、水彩、リキテックスなどとの適正が良く、両面使用が可能です。(厚さ1.3mm)

「No.215」は細目のピュアホワイトカラー。キメ細かいなめらかな表面紙で、紙質も丈夫。重ね塗りや消しゴムでケバ立つこともなく、鉛筆、ペン、マーカー、エアブラシ、カラーインク、絵具などの多くの色材とマッチします。(厚さ1.5mm)

同じ色味で紙の目が違う「No.215(細目)」と「No.2000E(中目)」の表面を比べてみるとこんな感じです↓

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中目の方が荒いのがわかりますか?
で、実際に描くとどうなる?かが気になると思うので例を挙げたいんですけど、今から描くとすると完成まで相当な時間を要してしまうので、良い見本とはいえませんが、学生時代(30年近く前)に描いた作品でご覧ください。
「No.99(中目)」にパステル&色鉛筆で描いたものがコレです↓

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紙の目の中に、うまいこと粉が入り込んでいるのがわかるのと同時に、粉物画材での細密描写には目が荒すぎる、というのも想像がつくかと思います(リキテックスやガッシュでの細密描写は出来ます)。

ちなみに、ワタシがアクリル画を描くときに使っていた「No.110」は中目なので、表面はこんな感じ(「No.99」「No.2000E」とほぼ同じ)です。
どこが違うのか?というと、厚みですかね。
「No.110」は「No.310」の台紙を厚く丈夫にしたボードで、厚さが2.5mmあります。
背景を水彩ベタ塗りで仕上げる際は水を多く使うため、ボードがそってしまうんですね。なので、厚みがあるコレ(No.110)を使っていた、っていうわけです。

クレセントイラストレーションボードを製造しているのはアメリカの「クレセント社」で、創業100年を超えるボードメーカーです。
ボードはコットンラグを原料として作られ、強くしなやかで保存性に優れているのが特徴です。
平坦な繊維で緊密に絡み合わされた天然のコットンパルプは、化学漂白された木材パルプよりはるかに丈夫で粘り強く、弾力性に富んでいます。カビや微生物の分解によって起こる褐色の斑点も、あまり繁殖することはありません。
純粋なコットン繊維は、紙を劣化させる物質である「リグニン」を含んでいないため最善の原料で、長期保存用の美術用紙として高い評価を得ています。
「和紙は1000年持つ」といわれるのは、和紙の原料に使われる楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮 (がんぴ)などの靭皮(じんぴ)繊維が、コットン繊維同様「リグニン」が少ないためだといわれています。
芸術作品を後生に残すためには美術用紙の原料や製法だけでなく、作品を展示保存するためのマットボードが重要です。酸性劣化で作品を傷めないための額縁用マットボードの開発をこのクレセント社が行っており、作品を長く展示保存するためのミュージアムコットンラグマットボードを、世界ではじめて完成させています。

ってことで、クレセントボードがなぜオススメなのか、お分かりいただけたでしょうか?
細目や中目などの紙目や厚みなど数種類から選ぶことが出来る、多くの色材とマッチしてオールマイティに使える、長期保存が可能、っていうイラストボードが、(A4サイズが)1枚100円台で買えるっていうのはいいんじゃないかと思うわけです。
が、世界堂では売っていないので、手に入れたい方はウェブショップでどうぞ。

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