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今日の出来事。

都会の図書館は建物の上層階にあることが多い。
予約していた本を借りてエレベーターで下っていた時のこと。
途中の階でエレベーターが止まった。それは普段止まらないフロア。
エレベーターの案内サインには併設された小学校名が書かれている。
でも普段は使われないのでおや?と思ったが特に何もせずエレベーターの後方に立ったままでいた。
そこに乗り込んできたのは車椅子の小学生と付き添いの先生らしき人。
小学生「部活の時間が押して困るんだよねー」
先生「そっか、何部だっけ?」
小学生「放送部。みんなおしゃべりだからさー」
先生「そっか、そうだね」
一階までは1分もかからない。車椅子は乗り込んだ向きのまま。
一階でドアが開いたら、小学生の子は上手にバックし始めた。
先生は見ているだけ。
しばらくバックで走り、人がいないのをエレベーター内の鏡で確認したのだろうか
ギュっと180度車椅子を回転させた。
そのまま出口に向かうと自動ドアの前に少し背の高い男の子。
下校の時間で表では小学生が走ったり何かを叫んだりしている。
じっと待っていた男の子は車椅子が自動ドアから出てきたら何も言わずサッと後ろに周り、
「一緒に帰ろう」
と声をかけた。
先生とその生徒たちは
「さようなら」
「さよーならー」
と声を掛け合い、スロープを一緒に降りる。
その先で車椅子の周りに友達が集まり何やら賑やかな様子。
私は自転車のカゴに借りた本を載せ、家に帰る。
何だか気持ちいい気分を乗せて。

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