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真冬の半袖半ズボン VS 蒙古タンメン北極

蒙古タンメンをご存知だろうか。

全国のセブンイレブンのカップラーメンコーナーに陳列されてる、アレである。
恐らく辛いもの好きな人なら一度は食べたことがあるだろうが、蒙古タンメンは数ある激辛系カップラーメンの中でも一線を画して辛い。その辛さときたら、どんなに寒いところで食べても汗が噴き出てくるほどであり、何十回と食べている私ですら水無しではキツいレベルだ。
そんな蒙古タンメンを、発売以来雨の日も風の日も啜ってきた私は、この激辛ラーメンと格闘するうち、ある一つの説が思い浮かんできた。

これ、冬のクソ寒い時に食ったら死ぬほど美味いんじゃね?

何度も述べている通り、蒙古タンメンは本当にどんな場所で食っても汗をかくぐらい辛い。ならば、汗なんてかかないぐらい寒い環境で食えばちょうどよいのではないだろうか。
しかし、クソ寒い場所と言っても北極で食うわけにもいかない。そこで、冬のクソ寒い時期に半袖半ズボンで蒙古タンメンを食ってはどうだろうか。幸い、今年は暖冬だと言うし、真冬に半袖半ズボンになっても風邪を引くことはないだろう。
また、せっかく食べるならばカップラーメンではなく、蒙古タンメン中本のお店で食べてみたい。この説の検証のため、私は関東へと赴いたーーー

2023年12月23日。
悪魔(クリスマスイブ)の足音が間近に迫る中、私は友人の車で埼玉県は川越市にある蒙古タンメン中本の店を目指していた。
暖冬という言葉を信じて関東まで来てみたはいいものの、当日は10年に一度の大寒波が襲来。日本海側では大雪が降って交通麻痺が起こっているという日に来てしまった。

12月23日の天気予報

果たして、こんな日に半袖半ズボンなぞ凍死なんぞしないだろうか。一抹どころか百抹ぐらいの不安(?)を抱えながら川越を目指す。雲ひとつない大空であるのだけが幸いである。
流石の私も、朝からずっと半袖半ズボンでいると本当に風邪を引いてしまうことになりそうだったため、途中で友人の車で着替えてから店へ向かうことにした。
道中、辛さに対抗するためファミリーマートで牛乳を買おうという話になり、そのタイミングで着替える。
牛乳パックを一気飲みしてから、いざドアの影に隠れていそいそと着替える。数分後、真冬の寒空の下、半袖半ズボンになった。

財布は勃O隠しではない

いやすね毛汚すぎだろ。
読者諸兄、全員がこの感想を抱いたと思うが、実はこれは敢えて生やしているのである。
そもそも毛というのは寒さから身を守るために生えるものである。したがって、私のように真冬に半袖半ズボンになるような奴のために存在すると言っても過言ではないだろう。
そういうわけで、今回はあえて全身の毛を3ヶ月ぐらい剃らないままにしてあるのだ。決して剃るのをサボったわけではない。決して。

さて、着替えてみて感じたのは意外にも外にいてもそこまで寒くない。30秒程度なら外にいても全然問題ない(?)。これなら風邪を引く心配もないだろう。
そうして着替えも完了したところで、いよいよ蒙古タンメン中本の店へと向かうこととなった。

10分後。
車は川越市中心部の蒙古タンメン中本の店前に到着した。

店前でパチリ。コカコーラのTシャツに運動用の短パンという格好なので、トレーニング帰りに食いに来た奴に見えなくもない。あまり変な目で見られる心配もなさそうだ。
中本の店自体は今まで2回ほど訪れたことがあるのだが、一番辛い「北極」は食べたことがなく、完食できるのか不安であった。が、ここまで来たら食うしかない。早速店内に入り、ラーメンで1番辛い「北極(8辛)」を注文する。店長らしきオヤジとその他の店員に3度見ぐらいされた気がしたが特に何も言われず、ラーメンを待った。しばらくすると、いよいよ北極がやってくる。

バァーン!と頭上でドラが響き渡るのを感じつつ、目の前に現れた北極ラーメンをしげしげと眺める。見た目は激辛そうだが、匂いはそこまで辛くはなかった。
とりあえず、レンゲにとったスープを一口啜ってみる。
...冗談抜きに体温が2度ぐらい上昇した。一瞬で血流の流れが変わったのを感じる。
なんだこの身体に来る辛さは。続いて麺を啜ってみる。
二口目にして汗が吹き出してきた。こいつはとんでもなさそうだ。
真冬の半袖半ズボンならちょうどよく汗も出ずに食べれるのではないかという期待は一瞬で裏切られることとなったが、食べ続けているとその旨さに気づいてきた。
なんというか、辛いのに美味いのである(?)。辛さが美味いというべきか。

写真を見てわかる通り、麺のあらゆる場所に唐辛子が絡みついているのだが、麺の食感とその辛さのバランスが絶妙でめちゃくちゃ美味いのだ。こりゃ人気も出るわけだと1人で合点がいった。
が、前半こそ良かったものの、後半になると汗が止まらず食べるペースも落ちてくる。麺大盛りにしなきゃ良かったと若干後悔しつつ、最後の方になると麺と水を交互に口に含んでいた。

器が空になる頃にはすっかり汗だくになり、今が真冬ということを完全に忘れてしまっていた。なんだこの暑さは。
ごちそうさま、と暖房のきいた店を後にして出ると、途端容赦ない寒気が刺さる。が、なんというかサウナ上がりで露天風呂に行ったような気持ちよさが身体を包み込んだ。
ふぅ、、と思わず声が出る。なんというちょうど良い気温だろう。なんという心地良さだろう。この後このまま半袖で過ごそうかな、と1分ぐらい店前で突っ立っていると、徐々に体温が下がっていき寒くなってきたので、慌てて車に戻って店を後にした。


さて、今回初めて北極ラーメンにチャレンジしたわけだが、正直真冬に半袖半ズボンで食うより、上着をめちゃくちゃ着込んで食べる方がキツイと思う。
あのラーメンを食べるにあたっては、それこそ北極で食べたとしても体温上昇は避けられないことであり、とてもじゃないが厚着で食べられるような代物ではない。
逆に、真冬に半袖半ズボンで食べると、先述のようにサウナ後のようなちょうど良く気持ちいい感覚になれる。
結論としては、真冬に半袖半ズボンで蒙古タンメン中本の北極を食べるのは全然アリということだ。
これを読んで北極が食べたくなった読者は、半袖半ズボンで食べることをお勧めする。気温が低い日を狙って店を訪れるとなお良いだろう。

以上。

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