17年生きたねこの話

約2年前に17年とすこし飼っていたねこが突然死んだ。息を引き取る10分前くらいまでガツガツご飯を食べて、急に走り出したと思ったら電池が切れたみたいに突然動かなくなった。
年齢的に寿命だったんだと思う。

なにせ17年も一緒にいたので思い出がありすぎて書き切れないから省略するけれど、性格は人見知りであまのじゃくで自己中で意地汚くて内弁慶で乱暴でわがままで常に私たちを振りまわす、そんなねこだった。

ねこが亡くなる1週間前私は手術をして退院したばかりで、退院後しばらくは安静にしている様にお医者さんに言われていた。
夫もその期間に合わせて仕事を調整して家事をしてくれたので、最期の1週間はみんな一緒に家でダラダラとずっとテレビを見て過ごせた。

亡くなってしばらくは考えない様にしていても突然涙が出てきて大変だった。
でもある時ふと「今までにも何だかこんな経験したことある気がする…」と思った。
会いたくてたまらないのに、もう絶対にそれが叶わない…。
ああそっか、失恋した時に似ている、と。

失恋の経験値は人並みにあるからそれを考えれば乗り切れるかもな…と思うと少し気が楽になった。
今までモテてこなかった事にこの時ばかりは本気で感謝した。

そしてそこからゆっくり時が過ぎていった。

今でも家でひとりになると、たまに無意識に涙が止まらなくなることがある。
だから結局死んでもなお、自分はあのねこの下僕として一生振り回され続けるんだろうなぁ。(でもそれも悪くない)



ちなみに生きてるねこたちは元気です。


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