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サユリニシヤマの都内初個展が元浅草VegetableCorporationで12/3まで開催

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廃れた定食屋。20時48分。
地域のニュース。
幼稚園の遠足で羊の毛刈りを見学する映像が流れる。
四肢を大人に押さえつけられてバリカンで毛を剥がされていく。気持ちが良いほど。
テロップが入り羊の名前が出た。「モコ」。
幼稚園児たちは「モコ」のアイデンティティである「モコ」部分が剥奪されているところを嬉々と見ている。

シャンプーを泡立てながら頭にこびりつく景色は、バグってて愛おしい。

(サユリニシヤマ)

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「写真は全てイメージです」は電車の中吊り旅行広告でたまたま見た文言を引用している。

何か違和感のある・・・不思議な言葉。
何が変なのかと言えば、例えばこれを英語に直訳したら伝わらないだろうということ。なぜ伝わらないのか。

まずはそもそも「写真の通りではありません」という否定形の言い換えで使われてることを理解する必要がある。その裏側には、「僕はこんな感じだと思うから参考にしてね。でもあくまで僕個人の見解だから責任はもてないよ」の気持ちが覗いている。もっと言えば「だから怒らないで」まで含まれているかもしれない。

これが写真の展覧会のタイトルに転用され元のコンテクストから剥がされた瞬間に、言葉の持つ対象範囲が変わってしまう。全ての写真はイメージである、とはなんだろうか。日本語とはなんともでたらめだ。

このタイトルはもちろん冗談で付けたが、何がその笑いを成立させているかといえば、カタカナの<イメージ>という日本語の全くの空っぽが明らかになっていることだ。イメージってなんですか、と聞かれてもなにも出てこないほどの空洞がバレること、これが面白さ、ギャグ性になってくる。

サユリニシヤマのスナップ写真の要素のひとつとして『笑い』があると思っている。目の前のおかしな状況にツッコミをいれるような、揚げ足をとるタイプの笑いだ。そのためにはその視点はメタ的でなければいけない。決してそのおかしな状況の向こうへは行かずに、千原ジュニアの言葉を借りれば「1つの笑いがある、これを縁取りすることによって、より引き立たせる」。

その姿勢は冷めているというよりも常に『渇き』があるのだ。

(crevasse/企画)

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タイトル | 写真は全てイメージです /SayuriNishiyama
会期 | 2017/11/23(木)-12/3(日)
会場 | VegetableCorporation
時間 | 13:00-21:00(最終日17:00)

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□crevasse pop-up shop | 11/25(土),11/26(日) |
SayuriNishiyamaのブックデザインを務めるcrevasseが、ZINEのポップアップショップを2日間限定で開催します。独自にセレクトされたアーティストたちのZINEをお楽しみください。

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□レセプションパーティー | 11/26(日) 19:00~21:00 |
Vegetable Corporationの協同制作店である、福井県COZY COFFEE・奥多摩Beer Cafe VERTEREのコーヒーとクラフトビールを提供いたします。1ドリンク〜(キャッシュオン)


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