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コンセプチュアルか詐欺的か?「ルーシーの骨の60% vol.8 (東地雄一郎×crevasse)」

2019年7月12日から15日「ルーシーの骨の60% vol.8 (東地雄一郎×crevasse)」としてTOKYO ART BOOK FAIRに参加してきたので、今回来れなかった人のために簡単にブースを紹介します。

ブースでは白衣を着用した僕か東地が接客した。

text & photo / 大滝( crevasse

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①左半分(写真左) ... 6,000jpy
「A=A A≠A(mountain)」を真ん中から切った左半分の本。元の本の値段の半額。

②右半分(写真右) ... 6,000jpy
「A=A A≠A(mountain)」を真ん中から切った右半分の本。元の本の値段の半額。

③切って出た何か(中央フィルムケース) ... 500jpy
「A=A A≠A(mountain)」を真ん中から切ったときに出たもの。

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初日にパフォーマンスとして本を切断(約30分)。


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④本から出た何か(写真左) ... 500jpy
 オリーブオイルに本を漬けて1日放置した後にそのオイルをフィルムケースに移して「本から出た何か」として販売。

 初日に『後美術論/椹木野衣』を漬け、2日目にそのオイルを販売。2日目に『まずいスープ/戌井昭人』を漬け、3日目にそのオイルを販売した。


⑤何かの種(写真右) ... 500jpy
 植物の種類が分からない方法で入手した種を「何かの種」としてTOKYO ART BOOK FAIRで販売するため持ち込んだものの、しかしそのままだと種であるかどうかも不明なため、会場で水を与え芽を出した様子を来場者に観察してもらい、確実に種であることを証明した。


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⑥#TABFの味 ... 500jpy
 『④本から出た何か』が会場使用上のルール「水や炭酸水以外の色のついた飲料を禁止する」に違反していると判断されたため3日目の朝に撤去することに。急遽、朝出展者に配られた液体にTOKYO ART BOOK FAIRのカタログを漬けたものを『#TABFの味』として販売した。


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⑦ A=A A≠A(mountain)/東地 雄一郎 ... 12,000jpy
1つの写真を、2000回のコピーを繰り返して作られた東地雄一郎のブック。21.0×30.0×3.8cm。


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 この3連休や前後にTABFに対するカウンターイベントがいくつか開催されたり、SNS等でそのような発信をしているのを見かけた。僕は今回ひとりのアーティストがアーティストとしてブックフェアにどのように関わることができるか、現状のそれを拡張することを考えてディレクションしたので、これもまたカウンター的ななんかだろうと自覚しているけど、僕が注意していることは「そのカウンターが有効な手段をとっているか」です。

 TABFや世界的なブックフェアの隆盛を「大きな文化」として捉えて「ZINEはもっと小さくあるべきだ」と狭く狭くしていくことは本当にこのカルチャーのためになるのでしょうか。むしろ殺してしまうことにならないか。

 本というメディアは、ここにいないまだ見ぬだれかを身近なひとと同じくらいかそれ以上に信用すること、そこに届くこと、を選択した瞬間から含んでいるように思います。

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photo / 東地雄一郎

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「ルーシーの骨の60% vol.8 (東地雄一郎×crevasse)」
@TOKYO ART BOOK FAIR 2019 (東京都現代美術館)
2019/7/12~7/15

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