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ティーチングとコーチングと"ラーニング"

今回は、自分の中で素晴らしいなと思う指導者に共通する資質について。


世間ではだいぶ前から「コーチング」の大切さが指導やマネジメントの世界で叫ばれるようになりました。

教えるというアプローチの「ティーチング」というものの対の概念として、選手や社員の持っているものを引きだす・活かすという考えとして「コーチング」という概念がビジネスの世界からスポーツの世界にも流れ込んだわけです。

あえて厳しい言い方をさせてもらうと、指導者の経験や成功体験だけに基づく一方的な「ティーチング」が強くはびこっているのが日本のスポーツ界。

それがスポーツ界の昨今の不祥事や世界的競争からの後退を招いている一要因であると感じています。

そのような中、

最近では、いい指導者=「コーチング」ができて、選手が気持ちよく才能を発揮している、という指導に注目がされ、いかに選手の能力を引きだすか、という観点がスポーツ界における成功の新しい定義

となってきています。

このあたりの体現者として、青山学院大学の原監督、帝京大学ラグビー部の岩出監督、あげればたくさんの素敵な指導者が増えてきていることに強い感銘を受けています。

日本人の長所として(裏返すと短所にもなりますが)、みんながいいと言っていることを真似してみる、という文化が、「コーチング」の普及にいい意味で追い風となっていると感じています。

「コーチング」も本質的に突き詰めると難易度が高いものであり、皆その本質に迫ろうと必死に学び続けている現状があります。


もう一つ俯瞰してみると、「コーチング」ですら手段に過ぎない


という事も、気づかれている人は少なくないかと思います。


選手の持っているものを「コーチング」で引き出しても届かない理念や目標があることは事実で、その中で、最近は「ティーチング」と「コーチング」のバランス、という言葉もよく使われています。

自分自身もその言葉はとても大切な言葉だと感じ、よく使っていたのですが、改めてよくよく自分の思う一流だなと思う指導者の方は、この「ティーチング」と「コーチング」のバランス、という言葉だけでは片付けられない、何かを持っていると感じました。


それが"ラーニング"。


自分の領域を学び続けることはもちろん、外の世界から、そして何よりも一流の指導者に共通することは、"自分のチームの選手から学び続けようとする姿勢"を持っていることだと確信しました。

どうしても指導者と選手という立場は、上下のように昔からの固定概念で染み付いてしまっていますが、普通に考えてみると上下ではなく、共に目的を達成するための役割に過ぎず、ある種対等な立場である、ということが本質かと思っています。

そういった観点で考えると、「ティーチング」という指導者から選手への一方的な矢印では不十分、「コーチング」という選手の能力を引きだすというこれまた指導者から選手への一方的な矢印では不十分、ここに選手から指導者への矢印である"ラーニング"を加えることで、双方向での成長を見込むことができると感じています。

前述した指導者達もそういった要素を多分に含んでいて、だからこそこういったマネジメントを通じて、結果はもちろん、選手達がより成長する、成長したいという内発的動機や、この指導者のために頑張りたい、この組織のために頑張りたい、と思えるポジティブな環境になっていくのではないでしょうか。

"ラーニング"は自分が勝手においた言葉なので、アクセプティング(受け入れる)や最近の流行りではインクルージョン(包含する)、リスペクト(尊敬する)という事も似た意味合いかと思います。

大切なことは、選手と指導者で双方向に学び合うこと、そしてそれにとどまらず、さらに外の世界とも双方向に学び合うこと

なのではないかと考えています。

成長以上に、そういった「ラーニング」スキルの高い指導者のいる組織は、選手の目がキラキラと輝いていて、"やらされる"ではなく"自らやりたい"と意欲に満ち溢れた環境になっていると確信しています。

最近の流行りの言葉を使うのであれば、グーグル的な心理的安全性が担保される、という状況になることと同義だと考えます。

近年の成長著しく社員満足度の高い会社の経営は、マネジメント層と社員の間にそういった平等に、お互いリスペクトをし、風通しの良い環境が整っているように感じています。


そういった観点からも本当に素晴らしい指導者は謙虚である、や勉強熱心である、ということが言われているのではないでしょうか。

外に対して謙虚で勉強熱心な指導者は多く見受けられますが、対選手に対して、謙虚で勉強熱心な指導者はまだまだ多くないように感じています。

ここが自分の思う一流の指導者ではないかと。


これはスポーツ界のみならず、あらゆる世界に共通するものではないでしょうか。



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