利尿薬を使うとチアミン（ビタミンB1）が尿中に流れ出てしまうから補充した方がいい。という話を聞いて、そんなことあるの？と思ったので調べてみた。

ラットを使った動物実験では、利尿薬でチアミン尿中排泄量が増加。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10482307/

ヒトでもフロセミドを投与するとチアミン排泄量は一過性に倍になり、尿量と相関していた。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10482308/

フロセミド等にスピロノラクトンを併用すると、チアミン血中濃度は逆に上昇する。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18516403/

とはいえ、じゃあ利尿薬を使っている人にチアミンを補充すると良いことが起こるかというと、微妙らしい。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/48/11/48_1251/_pdf

利尿薬は糸球体濾過量を増やすわけじゃないから、ビタミンB1の排泄を増やすなんてことはないのでは？というのが第一印象だったけど、どうやら単純に水と一緒に移動して、排泄量も尿量に比例的に増加するということらしい。